
やってはいけない金融商品①~銀行編~「退職金特別定期預金」
銀行や証券会社、保険会社の店頭で大きく宣伝されている金融商品を見ていると、世の中にはやってはいけない金融商品であふれていますね。自分が営業としての立場であれば、どうやって説明したらこんなの販売できるんだろうと不思議に思うのですが、よく見えるところだけを説明されて勧められるがままに進められるがままに購入してしまう人も多いのでしょう。経済雑誌やネットで叩かれ、金融庁からお𠮟りを受けては品を変え、あの手この手で手数料を稼ぎ取る手法はお見事です。
個人的にはこのNOTEの記事のストックを積み重ねてデータベースにしていきたいと思うので、手を出してはいけない様々な金融商品を記事にして紹介していきたいと思います。
まず第1弾は~銀行編~「退職金特別定期預金」
毎年3月~6月くらいでたくさんの銀行が、退職金という人生で1番の大金を手にした退職者をターゲットにして落とし込む金融商品ですね。
銀行の店先に大きなチラシが貼ってあるのをよく見かけるかと思います。
ほとんどこんな形式ですね。
仮に総額1,000万円、半分ずつの500万ずつを定期預金と投資信託に入れた計算をしてみましょう。
定期預金でもらえる利息は500万円×7%/年の3か月分なので、計87,500円。
ただしそこから20.315%は税金がかかるので実質手取りは69,725円。
たった3か月で7万弱ももらえるならいいもんだと思いそうですが、右半分の投資信託が要注意!
ある大手銀行の対象投資信託を見ると、対象商品は260件ほどと非常にたくさんありますが、購入時手数料0の商品は0!購入時手数料で絞っていくと、内訳としてはこんな感じでした…
1.1%以下→0
1.1%以上2.2%以下→約100件
2.2%以上3.3%以下→約260件
対象商品約260件なのになんかおかしい…
絞り方を変えるとこんな感じ。
2.2%以上2.2%以下→約100件
3.3%以上3.3%以下→約125件
つまりほとんどが購入時手数料2.2%と3.3%の商品ばっかりという訳ですね。
ちなみに500万円の2.2%=11万円 3.3%=16.5万円です。
ここまで見てもらえればすぐわかると思いますが、7万円弱の定期預金の利息を受け取るために投資信託に11万or16.5万の購入時手数料を払わないといけないわけですね。買った瞬間マイナスからのスタート!!
ちなみに信託報酬(投資信託を保有している間毎年払う手数料)で絞り込むと、こんな感じでした。
0.5%以下→なし
1.0%以下→19件
1.5%以下→112件
2.0%以下→253件
大半が1.0%以上なので、500万円の投資信託の保有だけで毎年5万円の信託報酬、中には10万円が引かれるということになります。
もちろん投資信託の中身としては悪くはないものもありますが、ネット証券で購入すれば購入時手数料0や0.何%のものが大半です。投資信託は全く同じ商品でもどこで購入するかで手数料が全然違うので、「購入時手数料」「信託報酬」もよく見て選ぶことが大切です。
定期預金の利率の高さによく騙される人が多い「退職金特別定期預金」ですが、手数料をちゃんと計算してみたら絶対選ばないですね。