読書の記録(64)『自分らしくあなたらしく きょうだい児からのメッセージ』高橋うらら さ・え・ら書房
手にしたきっかけ
市内の学校図書館司書の研修で『家族』をテーマにした本を探すことになって、『トモ、ぼくは元気です』を読んだ。
また、voicyを聴いている中で、『きょうだい児』という言葉を知った。もうちょっと理解を深めたいと思うようになった。
心に残ったところ
第4章 きょうだい児たちの思い の部分にきょうだい児たちの悩みが書かれいている。
大きく(1)~(8)で大きくまとめているが、それぞれに具体的な思いが書かれていた。
『トモ、ぼくは元気です』の和樹が悩んでいたのは、
(3)親に大きな期待をされ、いい子になりがち
お母さんが和樹を頼りにしていて、自然とトモのことを気に掛けたりフォローをするのが当たり前になっていた。
(4)周囲の目が気になる
自分は幼い頃からトモと一緒にいるし、トモのことを理解しているから気にならくても、周りの人がみんな理解してくれるわけではない。奇妙な行動ととらえたり、変な人だと判断されてしまうこともある。
(6)自分の進路に影響を受ける
和樹が中学受験を考え出したのは、トモと同じ学校に行くとずっとトモのことを気にしなくてはいけないという思いもあった。当たり前のように頼りにされることが辛くもなってきていた。
『自分らしく、あなたらしく』の中で出てくる中山穂乃果さんは妹さんが難病できょうだい児だ。お姉さんになるのを楽しみにしていた。お母さんが妹のお世話が大変なのは理解はできるけれど、やっぱり甘えたい気持ちもある。家族みんなで出かけたいし、自分が興味を持ち始めた演劇もやりたい。でも、我慢しなければならない場面も多い。優しいお姉さんだからこそ、自分を責めてしまったり、一人で悩みを抱えてしまったりするのだと思った。
まとめ
穂乃果さんは松山市にある『認定NPO法人ラ・ファミリエ』や『心魂プロジェクト』に出会った。自分や家族がこういうところを知っていて、つながれた。でも全国にいる『きょうだい児』がみんなつながれるとは限らない。支援を必要とする子のお世話で精一杯なら、きょうだいのケアまでは手がまわらないかもしれない。そんなときに関われる大人の存在って重要だと思った。
子どもたちのためにと、いろいろな活動をしている人が全国にいる。子どもとこういった人とをつなぐ手段の一つが今回読んだ『自分らしく、あなたらしく きょうだい児からのメッセージ』という本だ。この本に限ったことではないけれど、子どもと本をつなぐことをしたい、と改めて思う。
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