嫌な感情をなしにはしないで
子どもが目の前で感情を出しているときどう対応してますか?
例えば。笑う。喜ぶ。これらのポジティブな感情は出していても受け入れられる人は多いはず。
でも、泣く。怒る。悲しむ。これらのネガティブな印象の感情はどうですか?お母さん自身にもよりますが、その感情の程度によるところはありますよね。
いわゆるかんしゃくと言われる感情表出のように、長く、強く、一方的にそれらが子どもに見られると、お母さんの方が我慢できなくなって怒る、きつい言葉をかけるなどの「どうにかしてやめさせよう」とする行動をとることが多いです。だってそんな自分の子どもは嫌だもの。
でも嫌な感情はなしにしないで。
・まだ未熟なんだと知っておこう
特に就学前までの感情はまだできたてほやほやの未熟で、突然大きくなったり、思いがけず小さかったり、子ども自身もまだわけがわからないもの。けっして悪気があって見せているのではありません。
そして、実はその時期に十分感情を出すことは感情をコントロールすることへの入り口となるのです。嫌な感情だけではありません。いい感情もたくさん出すことで、自分にどんな感情があるかを知り、どこまでその感情が大きくなるのかがわかる。そこからどうコントロールすればいいのかを探り、調整できるようになるのです。
調整には子どもそれぞれにかかる時間はあるので、待つことは大事です。だって、大人である親自身もまだまだ完ぺきに感情はコントロールできていないのですから。
・生まれたての感情は「快」か「不快」だけなのです
新生児のころを思い出してみましょう。赤ちゃんは眠っている時間がとても長いです。そして起きている時間のある程度の時間を泣いています。泣くのは「不快」だからです。お腹がすいて不快。おむつか濡れて不快。お腹がぐるぐる動いて不快。なんだかスキッとしなくて不快。それらが解決すると「快」なのです。
徐々に感情が細分化されていきます。怒りや悲しみ、怖れ、喜び、嬉しいなどの感情をなんとなくわかるようになっていきます。それでもまだ言語化はできないので、押し寄せてくる感情は、子どもにとっては結局「不快」と受け取ってしまう。そして、それをお母さんにわかってもらおうと精一杯泣く。それでもわかってもらえないと叩くなどの行為になってしますのです。
かんしゃくなどでできる限りの「表現」をしているのです。
・感情をなしにはしないで
感情からくる行為は表現です。でもうまく言語化できない子どもたちは、私たち大人が思うような表現をしてくれるとは限りません。
とにかく今ある手法で「お母さんわかってよ」と頑張って表現しているということを意識してみましょう。そうするとその感情や表現を「出さないように」ではなく、「出していいよ」と思えるはずです。
そして感情を共感はできなくても、共有しましょう。その場の状況や起こっている事実を一緒に知ってあげるということです。否定も肯定も必要はありません。そうすることで子どもは、お母さんは自分のことをわかってくれている。「泣いてもいいんだ」「怒ってもいいんだ」と感情を出した自分を肯定するはずです。
一番よくある例は、
こけて泣いているこどもに向かって、
「なんでそんなことで泣くの?」
「男だから泣かない」
「痛くないやろ」
「救急車呼ぼうか?」
など声をかけていませんか?(私は全部言っていた(-_-;))
それをこう変換してみましょう。
「こけたんだね」
「いたいよね」
「傷ができたね」
「ばんそうこうはろうか」
いつもでなくても大丈夫。お母さんの状況や体の状態の整っているときにできればOKです。
・お母さん自身の感情も同じ
まだまだ完璧に感情をコントロールできないなと感じているお母さんはいるのではないでしょうか。私も子どもがまだ小さいときは、特にそう感じていました。自分ではない何かが動かしているのではないかと考えたこともあります。徐々に自分の感情と向き合いながら少しずつ冷静に対応できるようになりました。もちろん完ぺきではありません。
感情と向き合う。ということは、やはり感情をなしにしてはいけないということだと思います。素直に自分の内側にある嫌な感情を知ることができるかできないかは大きく違ってきます。
今どんなことを感じているか。どうしてそんな感情になっているのか。少し冷静に考えてみる。実はここ1週間の旦那さんとのすれ違いがイライラの大きな原因かもしれません。姑との関係。仕事と家事の折り合いへの疲弊。この作業だけでもずいぶん楽になることが多いです。
無しにするのではなく、知った後は、オープンにしてみるのもいいかもしれません。こんなことがあったんよ。と誰か近くの人に少しだけ聞いてもらう。それだけで自分の嫌な部分はちゃんと受け止められていると感じるので、お母さん自身も気持ちが楽になります。
あるお母さんから、
「子どもがめそめそだと優しく声をかけれるのに、強くて長く泣かれると私自身がフリーズして耳を塞いでしまうんです」と、涙ながらにお話ししてくれました。
「泣いている子どもも、そんなことを思う自分も嫌で嫌で。また嫌な感情がでてきて。でも、子どもは10分くらいするとすぐ切り替えて遊んでいる。私はずっと引きずって夜まで機嫌が悪くなってて・・。」と、自分を責める気持ち、子どもに対する嫌悪感、なんだか悲しい気持ちなど複雑に押し寄せてきて涙されていました。
その感情はあっていいこと。子どもはまだ未熟でお母さんを困らそうと泣いているわけではないこと。だから「泣き止まそう」とせず、事実に対しての自分の感情に目を向けるのではなく、何が起こっているか事実を冷静にみることなどお伝えすると最後には笑顔になっておられました。
完璧でなくてもいい。嫌な感情はあっていい。
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