コンパスカッターで円筒やリングなどを作る
コンパスを使う要領で、紙・ビニール・フィルムなどの「薄物」を円形にカットできる道具があり、「コンパスカッター」という名前で市販されています。
しかし、このコンパスカッターの能力は、「薄物」の円形カットに限定されていたわけではなかったんです。「厚物」も円形カットする能力があったんです。
この能力を活用することで、見出し写真にあるような円筒や円柱などもコンパスカッターでカットできることが分かりました。
写真には2種類のコンパスカッターが写っていますが、双方の回転軸の形が違っていることにお気づきでしょうか。
左側(市販品)は「針の軸」で、右側(応用品)は「棒の軸」です。軸の長さも30mmほど違っています。
カッターの軸交換は次の要領で行います。
①針の軸をペンチなどで挟んで軽く回転させて、針を引き抜きます。
②針の外径を測定して、交換するための金属製(鋼鉄、真鍮など)の棒を調達します。
③金属棒を長さ50mm程度に加工し、コンパスの軸穴に差し込みます。
今回使用したコンパスカッターの軸の直径は 1.5~1.6mmでした。
筆者が選択した材料は、「真鍮丸棒」でした。理由は、手元に真鍮棒があったからです。
写真でご紹介しているのは、上から順に「真鍮棒製」、「#16鋼鉄線製」、黒いのは「ダイソーで購入したワイヤーバスケット(写真右下に写っている物)から切り取った鋼鉄線製」です。
最下段は、ダイソーにあった「#16カラーワイヤー製」です。
コストパフォーマンスが良いのは「バスケットから切り取った黒い鋼鉄線製」です。ご参考にしてください。
今回、コンパスカッターの軸の材料を4種類評価しましたので、評価結果を比較表にしました。ご参考になさってください。
コンパスカッターの準備は整いましたので、コンパスの使い方をご説明します。
この長軸コンパスカッターで物を円形にカットするときはコンパス軸が差し込める丸穴をあけた「カッティング台」が必要です。コンパスの刃が水平に回転できるように、厚さ15mm程度の厚い板で作ってください。
丸くカットする材料を用意し、ドリルや千枚通しなど(柔らかい材料なら、コンパス軸でも可能)で軸穴をあけます。
カッティング台と材料の丸穴にコンパス軸を貫通させます。台、材料、カッターの刃を密着させ、コンパスを回転させて材料をカットします。刃が材料の裏面に届かなくなったら、材料を裏表ひっくり返して裏側からカットしてください。
カッターの刃の長さは5mm程度なので、材料を裏表ひっくり返して、2段階に分けてカットしても、カットできる材料の厚さは10mmが限界です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
追加事項
2022/9/12
最近、直径1.8mmの竹ひごを入する機会に恵まれましたので、コンパスの軸として使えるか試してみました。
金属線に比べると切断や削り加工が簡単で、コンパス軸としての剛性も大差ないことが確認できました。コンパスカッターとして十分使えます。
ダイソー社製コンパスカッターの「回転軸の針穴」は穴径が1.5〜1.6mm程度なので竹ひごの直径を0.2〜0.3mmほど削って細くする必要があります。
竹ひごの外周をカッターナイフの刃で直接削ると削り過ぎの心配がありますので、刃の背中で少しずつ削ると、削り過ぎることなく、ピッタリの寸法に削ることができると思います。
「以上です」