【2022年】第31回放射線治療専門医認定試験 口頭試問
試験の流れ
大問は9題。大問ひとつにつき小問7~9題程度出題されました。受験者ごとに3部屋を回って回答していきます。ひと部屋あたりの問題数は大問3題で回答時間が20分です。時間切れとなった場合は強制終了になるとのことでした。私の場合はじめの部屋の試験官はこちらに時計を向けてくれていましたが、あとの2部屋の試験官は別の方向に向けていたので正確な残り時間がわかりませんでした(腕時計はスマートウォッチでなくても外すように指示されました)。
部屋に入ると座席とモニターが用意してあり、そこに問題文や画像が提示されていく形式でした。問題文は小出しに提示されます。小問回答後に提示される次の小問の問題文で前の回答が間違っていたことがわかったりするので動揺します。
覚えている限りを以下に書き出していきます。
中枢神経腫瘍(下垂体腺腫)
視野障害を主訴に受診、頭部MRI T1WI造影cor像(下垂体に増強される腫瘤あり)を提示、診断は?
診断は下垂体腺腫であった。この疾患で異常値を呈しやすいホルモンを3つ述べよ。
外科手術が行われた。術後画像(腫瘍の遺残があるように見えました)を提示する。読影は?方針は?
経過観察の方針となった。1年後の画像(腫瘤が増大)を提示、状態は?
放射線治療の方針となった。通常分割照射での線量と分割回数を述べよ。
この症例で注意すべき有害事象を3つ挙げよ。
頭頸部腫瘍(下咽頭癌)
咽喉頭内視鏡画像を提示、診断は?亜部位は?
診断は下咽頭癌であった。TNM、Stageは?
治療方針を決めるために必要な検査は?(求められた回答数は忘れました)
治療方針決定に影響する臓器障害なし。治療法を2つ挙げよ。
CRTを希望した。化学療法は?同時併用とするか?
シスプラチンの一回投与量は?
シスプラチンの目標総投与量は?
晩期有害事象を3つ述べよ。
前立腺癌
70代男性、直腸診で硬結を触れる。PSA 21ng/mL、生検でGS3+4=7(詳細はうろおぼえですが針生検で両葉から腫瘍が出ていました)、リンパ節転移・遠隔転移なし。
この症例で期待できる予後は?
TNMは?リスク評価を行え。
標準治療を2つ挙げよ。
ホルモン療法は施行するか?
ホルモン療法の期間は?
放射線治療を希望した。線量と分割回数は?
この疾患に対する寡分割照射は有益か?その理由は?
肺癌
年代失念、女性、胸部単純Xp(左肺野に広汎な無気肺、縦隔は患側に変異)を提示。
胸部単純Xpを読影せよ。
診断確定のために必要な検査をすべて挙げよ。
気管支鏡検査(左主気管支から気管分岐部に浸潤する腫瘍)、FDG-PET(左肺門リンパ節に集積あり)を提示(他にもあったかも知れません)、生検結果から非小細胞肺癌であった。
TNMは?Stageは?
cT4N1M0 StageⅢAであった。手術の適応は?
CRTを施行することとなった。線量と分割回数は?
治療後の胸部単純Xp(左主気管支閉塞が解除され縦隔偏位と左肺野の透過性低下が軽快している)を提示、所見を述べよ。
晩期有害事象を4つ挙げよ。
この患者で特に注意することは何か?
乳癌
年代失念、女性、左乳癌、腫瘤は4.5cm大、腋窩に5つのリンパ節腫大あり。
TNMとStageは?
化学療法が施行され腫瘤は1.2cmに縮小、腋窩リンパ節腫大は有意ではなくなった。
TNMとStageは?
部分切除と腋窩リンパ節郭清を施行した。
術後照射のCTVは?
ブースト照射を行うにあたって注意すべき事柄を3つ述べよ。
この症例で注意すべき有害事象は?
食道癌
表在性の食道癌。部位と深達度の評価のため必要な検査をそれぞれ挙げよ。
X線TV透視画像を提示、部位は?
治療方針決定のために必要な検査は?
食道超音波画像を提示、深達度はSM3であった、リンパ節転移・遠隔転移は無い。
治療方針を2つ挙げよ。
CRTを希望した。併用する化学療法は?同時併用とするか?
表在性食道癌の治療計画にあたって工夫できることは?
晩期有害事象を4つ述べよ。
悪性リンパ腫(頭頸部DLBCL)
20代、FDG-PET画像(上咽頭レベルに高度集積あり)を提示。
考えられる疾患を2つ挙げよ。
DLBCLであった。
精査のために必要な検査・収集すべき情報は?
DLBCL Lugano分類ⅠEであった、LDHは正常値である。
IPIで評価せよ。
治療方針を2つ挙げよ。
治療後の評価法に使う検査と名前を挙げよ。
R-CHOP3コース施行しCMRとなった。その後の方針は?
晩期有害事象を2つ述べよ。
子宮頸癌
年代失念、女性、子宮頸癌、内診でわずかに膣浸潤あり、画像で骨盤癖に達する子宮傍組織浸潤あり、閉鎖リンパ節腫大あり。
FIGO2018で病期は?
ⅢC1r症例であった。
この症例にどんな因子が加わるとⅣAと評価されるか?そのために必要な検査は?
腔内照射における直腸線量評価の基準は?
治療中の画像を示す(3D-IGBTのCT Sagi画像でアプリケータが腫瘍を貫通し直腸まで届いている)。
どういう状態か?
次の処置は?
治療終了数ヶ月後に膣から大便の流出が見られた。
有害事象の名前は?Gradeは?
Wilms腫瘍
小児の腹部CT(左腎周囲から著明に腫大した腫瘤を認める)を提示。
考えられる疾患を2つ挙げよ。
Wilms腫瘍であった。傍大動脈リンパ節腫大あり。
病期は?
Wilms腫瘍Ⅲ期であった。考えられる放射線治療とその条件を2種類挙げよ。
側腹部照射の線量は?
全腹部照射の線量と1回照射量は?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?