小林行雄の様式論
「様式」の概念は、小林行雄によって弥生土器の時期差・地域差を求めるために考え出された考古資料の分類概念である。
方法
小林は、弥生土器を形式(用途の差異)、型式(その形の変化)と定義し、弥生土器の研究においては、形式による手法の差が激しいことから、形式ごとの型式の変化を形式間における時間的一括性を様式として捉えた。
例えば「壺の形式に属するA型式と、甕の形式に属するB型式が同時に存在していたことを認め、A・B両型式の同時性を示すためにそれらが共にX様式に属する」という説明される。
奈良県の唐子遺跡の発掘調査に基づいて近畿地方の弥生土器様式の基礎を打ち立て、第1様式から第5様式までを示した。しかし、この方法では時期毎にどの様式が有力であったのかという出現頻度までは分からない。
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