わけでして

『階段少女』というどうしようもない写真集のレビューにこんなのがあった。

山田太郎さん
「私は老眼が進んでいるので、電車の中で本読むときはメガネ外しているので、遠くが見えなかったりするわけでして、なんか遠くに可愛い女の子がいると思いカバンからメガネ出してつけてわくわくしながら、顔みるとそれはがっかりしたりするわけでして、この本ももう少しがんばってほしいものだと思いました。」
https://bookmeter.com/books/4011049

 私は山田太郎さんの構文に思わず腹を抱えて笑ってしまったわけでして、どうしてこんなに面白いのかと思ったわけでして、そう考えたところ「わけでして」が面白いのだということに気付いたわけでして、でもこうやって見るとなかなかテクニックがいるわけでして、なので「わけでして」とは何かと考えているわけでして、それで一つ気づいたことは、これを使えば文章が終わらないわけでして、さらになぜかと言うと接続詞的な働きをしているわけでして、これは面白い日本語を見つけたと思ったわけでして、ガチガチの構文より、このようなレトリックもたまには悪くないわけでして、これを読んでいるあなたももう洗脳されたわけでして、少し山田太郎さんに近付いたわけでした。

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