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自分の小説に思う事

小説書いてます

 小説書いてる人間が人に「小説書いてます」って言うとお決まりなのが「読ませてください」です。体験した事ある人は多いと思います。
 なのでまず代表作へのリンクを置きます。

「どんな小説?」という疑問に対して答えるなら説明せずに読んで頂く事を選びます。
 ただこの作品『Icy Blue Moon』通称IBMは書いてる間ずっと『これ小説なのか?』『小説書いてる感じがしない』『ライトノベルではないっぽな』という腑に落ちない感じが続いていました。
 というのも主人公町田桜(まちだはる)の感情がどう変わるかっていくかに主眼を置いて、桜の身に起きた事を書いていく感じ……仮に桜が実在の人物ならばその幼少期の伝記でも書いてるような気持ちになるのが私です。この感覚は過去の作品にはありませんでした。
 ただ最近になってその辺りの感覚に答えが出たので書いておきます。

何をもって小説とするのか

 疑問は上に書いたように『架空の伝記書いてるみたいな気持ちになっていて小説書いてる感じがしない』という所です。
 文章で書かれた創作だから小説でいいじゃんと思うかも知れません。
 現に文章創作であれば大体の人は小説と呼びます。ここからめんどくさい話になるので『日本で小説がどう定義されたか』とか読みたくない方はお引き取りください。

『文章創作』=『小説』という分け方自体、小説という言葉が『Novel』の訳として出てきた当初はありませんでした。使うにしても便宜的な物かなと思います。
 近い言葉に『奇異譚(ロマンス)』が出てきますが、これは話の主軸を『空想世界』に置く広義のファンタジーです。この意味で言うと現代でのライトノベルの多くはロマンスに分類されるのではないかと思います。ロマンスの中で分類が色々あると思いますが、その部分については特に語る気もないです。

 では『小説』は何か……自分の作品で適当な例がどれかというと、今の時点でIBMしかないなと思います。IBMを例として挙げる事は不適切な気もします。というのも長すぎるので。
 ただ「小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ」(坪内逍遥『小説神髄』)というのを考えた上で先に触れた奇異譚という存在を考えるとIBMは小説です。
 奇異譚というのは『現実に存在しない何か』を出すから奇異譚なのであって、IBMに出てくる物は一通り現実にあるものです。独自の用語も出てきますがあくまで『作中人物が生み出した単語』です。
 そして先に書いた『桜の伝記を書いてるみたい』というのをもう少し詳しく言うと、桜の『感情』がもっとも大きなものであり、感情を引き起こす諸々のものは書かないと読んでる方が困るので書いてるという感じで書いてました。
 その意味で考えると、特にファンタジーに関する事を書いていない、また人間の感情に主眼を置いているという点でIBMは未熟なりに小説ではあるみたいです。

奇異譚の例

 奇異譚の方が手になじみがある……と思っているのはこれの所為です。

『THE FILM』通称ザフィです。この名義に変わってから最初に発表したのかも知れない……改名前だったかも知れない。
 ホラーとジャンル分けしてますが『ジャンル選ばないとカクヨムに投稿できないからしてる』のであってホラーっぽさは特にないです。
 元々こういうのの方が書きやすいという気がするのは単に別名義で出していた作品の痕跡だと思います。
 こっちはほぼ『因習村にある謎の解明』が主眼であって主人公含めて人物の感情はどうしても『怖い』に寄ります。なので『小説』ではなく『奇異譚』に分類するべきという考え方です。
 こういう感じの『小説・奇異譚どちらの要素もある場合』というのは恐らく他の作品になるのかなと思います。IBM・ザフィと別に短編集とかありますがそっちはそういう感じかもしれません。

ライトノベルかという疑問

 カクヨムに投稿されててもラノベではないパターンってあると思います。小説だけでなく、単にエッセイとかを投稿する人もいるわけですから。
 そうするとIBMはどっちだ……ザフィはどっちだとなるのですが、例えば異世界物だけがラノベではないわけで、この二つも現実世界ベースなだけでラノベなのではという気もします。
『マリア様がみてる』とか現実舞台で進むライトノベルもあるわけで……ただ私の作品でと考えると。
 IBMは恐らくラノベではないと思います。第一読むのに重い、書いていても重たい、五章~八章辺りの展開は書いているこっちが病みそうになったというとんでもなく重たい話なのでライトノベルと思って読むと酷い事になるのではという心配が先にきます。
 ザフィは寧ろ『ホラー小説』というくくりも適当ではなく、『ホラー映画の主人公が記録つけてる感じ』なのでもうそういう趣向のライトノベルですとしか言いようがないです。書いてて困る事情も正直ないので。

 他の作品もカクヨムに置いてますが、そこは重要ではないのでひとまず放り投げます。
 こういう分類で小説書いてみるというのもありかなという気がするので、今後Icy Blue Moonは小説として書いていくというのを決めます。

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