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劇団やりたかった『みんなのご機嫌よかれが肝心かなめ』を観た人間の溢し

 2021年6月22日19時の回を観劇させていただきました。いい意味で、観た後に何も残らないコメディでした。「あーおもしろかった」という感想だけを残すコメディに巡り変えたことに感謝を。

劇団やりたかったHP

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あらすじ

小田原で外郎(ういろう)という室町時代から続く
有名なお薬を売る兄弟がおりました。
先代まではひとつでやっていたのですがこの兄弟で仲違いし今では
本家、元祖と争いばかり。
そこへ伊勢ご参宮への旅途中、弥次さん喜多さんが小田原へ訪れます。
兄弟の女房、修行中の丁稚、宿場おかかえの女郎衆や目の見えない按摩、
胡散臭い口寄せ巫女らを巻き込んでの笑って笑って満足の100分。
おおらかな江戸時代の世界へようこそ。

公式HPより引用

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 そもそものきっかけは、バイト帰りの23時過ぎ、カラフルな看板をかけた女性が路上でやってる一人芝居を拝見したことです。なんでも、その女性は劇団やりたかったという団体の団長で、こうして路上で一人芝居をし、観てくれた人にチケットを安く売っているのだそう。何度か下北沢でお見かけしたことがあり、その日はバイト終わりでも終電の時間に余裕があったので、お声をかけさせていただきました。確かその日にやってくれたのは、とある家庭のタクシーの運ちゃんやってる親父の話だったか。コロコロと変わる表情をよく覚えています。そこでチケットを購入させていただきました。
 2カ月ほど先の日程の公演なので、実際に行く日付は1週間前までに連絡を入れればいいとのことでした。お値段も正確な値段を忘れちゃったんですけど、500円ほどお安くしていただけました!!どこかの路上で出会えたら、是非とも観劇してチケットをご購入下さい~。

 当日、チケットを握り締めて会場に到着すると、スタッフの方がニッコニコな笑顔とよく通る声で挨拶をしてくれます。声デケーと思いながら、チケットをもぎってもらい、フライヤーと瓦版を頂きました。瓦版には、登場するういろうの発祥についてや、役者の近況などなどが書いてあり開演までの時間も楽しめます。

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 舞台上にはういろう屋が上手と下手に一軒ずつあり、奥は青空や海を思わせる、アジサイのような色の布のつぎはぎになっていました。出ハケは下手前、上下ういろう屋、下手ういろう屋の奥に上りの階段、舞台奥(だった気がする)。役者の人数が多く、いろんな出ハケで縦横無尽に役者が動き回っていました。

 メインは、ものすごいべらんめえ口調の男喜多と、眉毛が印象的な弥次の伊勢参り。底抜けに明るく女に目がない彼らの、下世話でおおらかな江戸時代の物語です。正直喜多が何言ってるのかわかんない時もありましたが、だいたいニュアンスで何とかなるので問題ありません。というか、そういう部分が面白くはありました。
 役者さんの舞台慣れしてるしてない、というか、そういうのが間の取り方に如実に表れるなあと感じました。コメディにおいて間は命だと思いますが、お?と思うような部分が時々あったかな、と思います。
 個人的に一番面白かったのは、勘松役の渡邊彩加さんです。弥次と喜多にへりくだって「へえ、かっこいい」といった時は笑いました。あふれ出ちゃっためんどくささとか、はいはいかっこいいかっこいい、っていう感情が面白かったんだろうなあと思います。聞き手になる時間が多い演出だったと思うのですが、渡邊さんの聞いてるときのお顔が、目がパッチリしているのもあいまって印象的でした。

 最後のシーンはぜひ見てほしいですね。ここでどうこういうのはやめておきます。

 28日まで公演はやっているので、まだ間に合います!ぜひ。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

瀧口さくら


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