劇団献身『スケールⅡ』を観た人間の蹲り
2021年10月19日19時の回を観劇させていただきました。(以下ネタバレ含みます)私以外は最強であれ!という言葉に励まされ、お前が世界の、日本の、滋賀の、片田舎の、クソ雑魚だから、私はこんなに惨めなんだ!(うろ覚え)という言葉に激しく頷きました。
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あらすじ
あいつが世界一の男なら、
負けた私も惨めじゃないのに。
劇団献身初めての、たぶん恋の物語。
そして家族の物語。
いずれにせよ行き詰まる、男と女の物語。
大事なことは、スケールを大きくしてごまかせ。
私が前を向けるよう、私以外は最強であれ!
公式サイトより引用
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私、劇団献身さんを拝見するのが初めてでして、素直に印象に残ったのはプロジェクターの映像の多さでした。コメディのシーンでも、シリアスなシーンでも使ってるのがびっくりでした。プロジェクターで笑ったのは、一瞬加瀬の頭によぎる渋谷です。ちょっと不意打ちで物理的によぎるのがヤバかった…。
加瀬澤さん、素敵でした。めちゃくちゃお母さんって感じで。オサムが言い訳できないように、300万をポンと出すのは愛じゃないですか。反則ですよ、もう。ごめんね、じゃないですよ。何にもしてあげられなくてごめんね、とか。もっと話してあげればよかったね、なんて。そんなことを言わせてしまってる自分が、なんて情けないのだと、オサムが自分に見えてしまって、アリの巣を見つめるみたいに蹲りたくなってしまいました。
誰にも頼れなくて、頼りたくなくて、自分が一人でじっとしていたら全部解決したらいいのに、そうはいかないし、自分が自分のことを結局許せなくて。そんなとき、川久保みたいに「私に頼れ」、そう言ってくれる人が周りにいるケースはどれほどでしょうか。川久保だって人生があって、大変なこともあって、それでも他者に働きかける心がある人間は、必ずしも助けを必要としている人間の周りにいるわけじゃない。だから、オサムに川久保がいてよかったね、と心から思いました。
ままならない人生を描いた作品は基本好きなのですが、今作は最後に怒涛の展開があり、吹っ切れる過程にカタルシスがあり、なんとも爽快な、それでいてドロッとした後味を残す…ドクターペッパー的な?演劇でした。
一年以上も延期をし、それでも作品に対する愛と執着が潰えない劇団献身さんに、感謝と敬意を。私も頑張ろう。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
瀧口さくら
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