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人生で一番好きな学生落語、晴陽亭十二時「紀州」について
今回は人生で一番好きな学生落語、晴陽亭十二時(はるひてい らんち)さんの「紀州」という演目について。
何故このタイミングでこの記事を書いているかというと…
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3/15(土)
呼ばれたからである。
そう。
晴陽亭十二時さんに呼ばれたからである!!
うれしい!!
ランチさん直々!!
ほら右側に名前書いてある!!
すげー!!
【🫧会場決定&取り置き開始🍹】
— 3/15(土)新作落語会『マイ・ソーダ・アゲイン・ソーダ』 (@lunch_shusai) January 31, 2025
十二時の新作落語会vol.1『マイ・ソーダ・アゲイン・ソーダ』
日時:3/15(土) 14:00開場 14:30開演
会場:西荻地域区民センター 第1・2和室
料金:無料+カンパ制
お取り置きはこちら🎫⬇️https://t.co/NER98KapNG
✍️フライヤー作成:永田おふとん(@fukafuka_zzzz) pic.twitter.com/V0S9HLNziq
詳細はXの方で確認して頂きたい。
東京の方々全員来てください!!
また出演者のうち御二方が出場した尼崎落研選手権についての記事、およびアーカイブ動画も見ていただければと思う。とても面白い落語だ。
以下、晴陽亭十二時さんをどれだけ尊敬しているかを書く。
晴陽亭十二時さんを始めてみたのは去年の策伝大賞。
学生落語の全国大会である。
予選会場のうち、濃姫会場で25番目に出場した私はそれなりの手ごたえと、周りのレベルの高さに対する諦めを感じていた。
特に当時は他大学の落研に知り合いもいなかった為、着替えたあとは濃姫会場に戻り見学。柳家喬太郎作のバイオレンスチワワを始めとする創作や、学生ならではの大胆な改作が並び、会場 は予選とは思えない盛り上がりを見せていた。
終盤に差し掛かり会場に立ち見ができ始めた頃、出て来たのが晴陽亭十二時さんだった。
演目は「紀州」。
(徳川将軍の跡継ぎが居なくなった為、御三家という制度を使うことに。紀州様か尾州様のどちら かから跡継ぎを出すことになったが、噂では兄貴筋の尾州様の方が優勢ではないかという。尾州 様はそれを聞いてすっかりその気になり、揚々と籠に乗り江戸城に向かうが様々な要因で足止め をくらってしまう。)
品のある声、6分という短い時間の制約があるにも関わらず序盤の落ち着いた2分の尺を取る説明 に、本格派の気質を感じざるを得なかった。
だがものの数秒のうちに覆される。
まず籠の中にはギャルが相乗りする。
ギャルが相乗りする。
ギャルが尾州様を誘っている。
序盤とのギャップを上手く利用した笑いの作り方がうますぎる。
ギャルの後には幼馴染やスパイがやって来て各々のボケを挟むが、ツッコミをひとつも外さずに タイトに笑いを取っていく。
世界観が大喜利的に広がりごちゃごちゃになりそうなところを、時 間をごく短時間、場所を籠の周りのみに固定することによって情報量を最低限にして理解しやすくしている。読みやすい漫画の技能のようだ。
終盤は一度整理の為に小さく地噺をいれて始まる。トンテンカンという本来の紀州に出てくる鍛 冶屋の音と中盤に出て来た大量の人物の要素を回収しながら勢いよく突き進んでいく。
本来のオチは、近くの鍛冶屋の鉄の棒が水に入り、キシュー と音を立てる。それによって江戸城 の会合に間に合わず、天下が紀州のものになってしまったことを暗示して終わる。 キシューという音と紀州をかけた分かりやすい地口オチだ。
この改作では、尾州様が後ろに倒れ込んだ後、最初に出て来たギャルとキスして終わる。
キシュー♡
おもろっ。
ギャルの誘いにのったから天下が紀州のものになったという落語っぽいバカバカしさを残したオ
チに感服した。
圧倒的な演技力と自己プロデュース能力。 笑いの引き出しの多さと、自分の笑いに対する自信。
場所と時間を固定してその場面を序盤に解説しきることによって、のちのぶっ飛んだ展開を受け 入れやすくする技術。
もとの噺のエッセンスを最低限残しつつ、利用できるところを完璧に利用し尽くす。
あまりにも巧みで無駄のない6分。
あまりにも凄いものを前にすると、嫉妬とかも無いんだなぁとこの時に知った。
予選、打ち上げが終わってホテルに戻り、好きだった4人の落語のアーカイブを永遠にループして いたのだが、そこでも十二時さんの落語を1番聞いていた。
次の日の決勝。
勿論、十二時さんは決勝の舞台にいた。
決勝は驚くほど淡々と進む。
軽快な出囃子と共に出てきた十二時さんは、予選と変わらない丁寧な口調で話を進める。
オチに近づくと共に、どんどんと観客の笑いが増えていく。
尾州様が後ろに倒れ、唾を呑み、体制を立て直しながらキスに向かっていく5秒間。
約300人を収容した国際会議場ホールから音が消えた。
尾州様が唾を飲んだ時、確かに300人が息を呑んで見ていた。
あのホールに居られて確かに幸せだった。
一生忘れられない瞬間だ。
という晴陽亭十二時さんと落語会ができるんですよ!!!!!!
すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
やったぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
ということで
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3/15(土)
マイ・ソーダ・アゲイン・ソーダ!!!!
フライヤー作成はあの永田おふとんさん!!!!
やばー!!!!
絶対見にきて!!!!
十は初の創作落語です!!!!
よろしくお願いします!!!!
創作活動に関して、普段はもつ鍋youとして福岡を拠点に音楽活動中。福々亭十として福岡大学落語研究会で落語、漫才、コント。趣味では戯曲の執筆をしています。少しでも気になる方は是非SNS等覗いてください。
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