22/12/29 (木) 「日経平均一時26000円割れ」引け後情報
日経平均一時26000円割れ
水曜日の米国株市場は主要三指数が下落となった流れを受ける形で、今日の日本株市場では現物の開始前の日経平均先物が26000円割れの様子を見せた中、実際の市場が始まると前日より日経平均は250円以上安くスタートし、そこから下げ幅を拡大する形で26000円割れとなる場面がありました。ただそこで下げ渋る動きをみせ、26100円程度まで戻すも、再度下げ幅を10時半頃にかけて拡大していき、再び26000円割れとなるなど、この水準での攻防がみられました。その後はまた再び下げ渋る形となり、午後は前場で下げ渋った際の高値に近づく形で動き、26093.67円で大引けを迎えました。
一方マザーズ指数は同じく下落からスタートしたものの、前日のNASDAQの下げに比べ堅調な動きをその後は見せ始め、日経平均などに逆行するように1.37%高となりました。昨日は年内受け渡しの最終日だったため、実質今日からの売買が2023年の損益のスタートとなることもあって、その点での意識しての売りが一巡したことも考えられそうです。
業種別指数をみると33業種中5業種のみが上昇となりました。
また日本の長期金利の上昇も目立っており、それに対し(いつも通り)日銀の臨時の国債買い入れオペの通知がされました。
先週分の投資主体別売買動向が発表されましたが、先週は日銀の金融緩和策の修正というサプライズがあった週ということもあり、海外投資家の先物を中心に売り越し額が多くなっていました。
今年を少し振り返ると
間違いなく波乱の年となったといえる今年ですが、特に波乱だったと思う理由として単に株価が上下したというだけでなく、ことごとく専門家などの見通しが外れることが目立った1年だったと感じるからです。
まず今年の2月にあったウクライナ侵攻ですが、その兆候は前からあり、特に昨年12月は市場としても警戒する動きがあったはずですが、侵攻の「可能性は低い」という見通しが直前まであったように感じました。
他にもサプライチェーンなどについて。今年には段階的に改善していき、特に自動車に関しては挽回生産が進むだろうといった声をよく耳にしたものの、結局中国の頑ななゼロコロナ策を読み切れず思ったように進まなかったのが答えでした。
米国の物価についても6月あたりをピークアウトという声が(なぜか)広がり、それに対して期待が裏切られる形でCPIショックが起きました。
最近では日銀の動きを全く読むことが出来ず、「おそらく現状維持」だとか「現状維持の見通し」という言葉が直前まで出ていたほどでした。
もちろんすべてを当てるということは到底不可能だと思うものの、かなり楽観的主張をしていたことが間違えていたということが気になるところで、今挙げたことに関しては(後出しでそんな主張するのは卑怯かとも思いますが)それぞれ外れる兆候はあったため、確率的に低いとしても見通しを事前に立てようと思えば立てられたことだと感じるだけに、事前に自分で調べ、色々な可能性について準備しておくことの重要さを感じる1年でした。ただし、市場の動きというのは結局のところ多数決的に決まるところがあるため、市場の見通しをすべて無視して自分の考えだけで動きを決めるべきというわけではないことも注意しておきたいことです。
明日の注目ポイント
明日は大納会です。昨年の大納会での日経平均株価は28792.71円でしたが、仮に今年を26000円とすると昨年比で10%弱の年間の下落幅となります。ちなみに現時点でのNYダウの昨年比も同じくらいの下落率となります。
大幅な金利の引き上げによって下落が続いた米国に対し、日本は金融緩和を継続しているにも関わらず株価は同じように下がってしまいました。経済対策が出るまで時間がかかり、後手に回り続けているだけに、来年こそしっかりと景気を良くして貰わなければならないと感じます。
ちなみに明日の大納会に岸田首相がゲストとして出席するという発表が昨日ありました。投資家の間では非常に評価が低いということもあり、さらに何かと市場に関する言及をしたタイミングで(去年の金融所得課税への言及など直接な要因だけでなく、外部要因も含め)下げる場面がいくつか印象的なだけに、あまり良い声は聞かれませんが、とにかく1年の締め括りで神経を逆撫ですることがなく無事終わってほしいところです。
指数・今後の重要イベント
12/29 終値
日経平均株価:26093.67 (-0.94%)
TOPIX : 1895.27 (-0.72%)
マザーズ : 720.88 (+1.37%)
東証プライム市場指数 : 975.17 (-0.72%)
東証スタンダード市場指数 : 990.40 (+0.29%)
東証グロース市場指数 : 914.91 (+1.43%)
スタンダード市場トップ20: 980.34 (-0.25%)
グロース市場コア : 861.36 (+1.07%)
東証プライム 売買代金:23178億円
イベント
2022年12月第5週
12/30 (金):大納会
2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計
2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
2023年1月第3週
01/16 (月):キング牧師記念日 米休場
01/17 (火):日銀金融政策決定会合(~1/18 18日に会見予定)
01/18 (水):米12月卸売物価指数
01/18 (水):米12月小売売上高
01/18 (水):米12月鉱工業生産
01/18 (水):ベージュブック公表
01/19 (木):米12月住宅着工件数
01/19 (木):米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
01/20 (金):米12月中古住宅販売件数
2023年1月第4週
01/24 (火):欧米1月PMI 速報値
01/26 (木):米12月新築住宅販売件数
01/26 (木):米12月耐久財受注 速報値
01/27 (金):米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
01/27 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
2023年1月第5週/2月第1週
01/31 (火):FOMC(~2/1 日本時間2日早朝にパウエル議長会見予定)
02/01 (水):12月JOLTS雇用動態調査
02/01 (水):米1月ISM製造業景気指数
02/01 (水):米1月ADP雇用統計
02/02 (木):ECB理事会
02/02 (木):英国金融政策委員会
02/03 (金):米1月ISM非製造業景気指数
02/03 (金):米1月雇用統計
2023年2月第2週 (SQ週)
02/10 (金):米2月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
2023年2月第3週
02/14 (火):米1月消費者物価指数
02/15 (水):米1月小売売上高
02/15 (水):米1月鉱工業生産
02/16 (木):米1月卸売物価指数
02/16 (木):米1月住宅着工件数
02/16 (木):米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
2023年2月第4週
02/20 (月):ワシントン生誕記念日 米休場
02/21 (火):米1月中古住宅販売件数
02/22 (水):FOMC議事要旨 公表予定
02/24 (金):米1月新築住宅販売件数
02/24 (金):配当・株主優待 権利付き最終日
02/24 (金):米1月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
2023年2月第5週
02/27 (月):米1月耐久財受注 速報値