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【深掘り】トランプ政権下で"まず"気にすべきは最初の2年
-- トランプ・共和党の圧勝 --
11月5日に実施された米大統領選挙は、市場で接戦が予想されていたにもかかわらず、トランプ氏が圧勝しました。
今年は、他国でも選挙が多い"選挙イヤー"と呼ばれる年でしたが、多くの国で野党が勢いを増す傾向が見られました。アメリカもその流れを反映し、物価高に苦しむ国民の間で現政権への批判が強まった結果と言えそうです。
この結果を受けて、金融市場ではトランプ氏の勝利を織り込む動きが加速しました。米国株市場では、選挙後しばらくの間、トランプ氏の掲げる"アメリカ第一主義 (America First)"の政策の恩恵を受けるとみられる企業群が堅調な動きを見せました。特に景気敏感株や小型株が上昇の中心となりました。
また、選挙活動で注目を集めたイーロン・マスク氏率いるテスラも好調を維持し、ビットコインも大きく値上がりしました。
一方で、減税政策による景気の下支えや関税強化によるインフレ加速への懸念が、米国の金利先高観に影響を与えました。その結果、米10年物国債利回りが上昇(債券価格は下落)しました。
-- まずは2年 --
トランプ氏の再勝利を受け、メディアでは懸念が取り上げられる場面が目立っています。同氏の発言は時に過激に映ることがあり、以下のような政策に対する不安が挙げられています:
関税強化によるインフレ再加熱の懸念
移民政策による労働力不足と、それがもたらすインフレ圧力
減税策に伴う財源不足や景気加速によるインフレの懸念
これらの"懸念"が実際にどのように現実化するのか、トランプ氏が具体的にどのような行動を取るのかを注視していく必要があります。
また、トランプ政権下の経済については、"良くなる"か"悪くなる"かという単純な結論に飛びつきがちです。
しかし市場の動向を考える際には、二者択一ではなく、複数のシナリオを想定し、それぞれの状況でどのように対処するか準備をすることが重要📌です。
就任を来年1月に控えるという中で、今後4年間の動きがどうなるのかを現段階で考えるには早すぎる面もあるでしょう。
それだけに、長めにみてもまずは2年の間にどうなるのかという点で分けて考えていくべきです。
ここでは過去のトランプ政権で見られた特徴などを軽く振り返り、今回の再選後にどのような動きを想像するべきかについて整理しています。
-- 過去のトランプ政権 --
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