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自社サ・SIer・SES・フリーランスの謎の図式を読み解く

久松さんによると若手の職場選びにはこんな図式があるようです。

フリーランス >>> 自社サ > SIer > SES

久松剛さん

この記事のフリーランスとは「エージェント型フリーランス」のことを指しています。特殊技能を持ちクライアントから信頼され難易度が高い案件のお助けの依頼がかかる旧来型のフリーランスのことではありません。

用語解説:フリーランス

この記事の自社サとは「ITサービスを自社で開発して提供するIT企業」のことです。

用語解説:自社サとは

この記事の受託開発企業とは主に小規模で組織的な営業はいない請負契約によるシステム開発を担っている企業のことを指しています。

用語解説:受託開発とは

そんなツイートに以下のように反応していましました。

この図式に私なりの意見をまとめます。

ジュニアエンジニアのキャリアの意見

一流自社サ >>> 大手 SIer >> 育成のあるSES > 受託開発 > 高還元SES > 自社サ >>> フリーランス

ジュニアが選ぶべき職場の優先順位

もしあなたに学歴があり新卒の就職活動中ならGoogleさんのような外資ベンチャーやメルカリさんのような一流メガベンに入社しましょう。これら天上界は一度入れると次も天上界へ転職しやすいです。また、天上界はエリート意識が強いので、非天上人が天上界に入ってくることを嫌がる傾向があります。入れるときに入ってください。以上です。

さて新卒で天上界に入れなかった人はどうすべきか?がITエンジニアのキャリア論の大事な問題です。

ジュニアエンジニアは20代後半は「経験からお金を収穫する時期」ではなく「お金を生み出す実績を積む自己投資の時期」であることを意識してください。市場価値がある技術で3年~5年の経験が積めて、その後に上流のお仕事への経験が積める職場を選んでください。

そのためには育成力のある育成系SESがおすすめです。育成系SESは還元率は低いことがあります。ただこれは、ジュニア社員の育成への投資や育成を担当するリーダー社員への分配のための見かけの還元率の低さであることに注意してください。

また社長がエンジニアで育成力がある受託開発企業もおススメです。

SES企業も受託開発企業を選ぶ基準ですが、市場価値がある技術スタックの実績を積める会社顧客折衝や要件定義の経験を積める会社を選んでください。

一方高還元SESは経験の浅い20代にとっては市場価値が伸び悩むため必ずしもおすすめできるものではありません。ここは高還元と言ってもいろいろな会社があるので一言で語るのは難しい世界です。

そしてフリーランスは一番避けてください。エンジニアとしての市場価値が伸びず自分の時間をお金に変えるだけになってしまいます。それ以上にフリーランスは現場の評価が悪いので、ネガティブなスティグマがつきキャリアの汚点になりかねません。

天上界以外の自社サも避けるべき選択肢の一つです。まず自社サは技術的な専門性を磨く場所ではありません。事業成果を出す為に技術以外のこと全てへのコミットが求められる場所です。そうい働き方が好きなら自社サはおススメですが、エンジニアとしての専門性を磨きキャリアを積みたいなら避けてください。

さらに技術選定の軸が違うので、市場価値がある技術の実績が積みづらいとか、顧客折衝や要件定義のような汎用的な上流のちゃんとした経験が積みづらいです。

シニアエンジニアのキャリアの考察

一流自社サ >>> 大手 SIer >> SES > 自社サ > フリーランス > 受託開発

シニアの職場選びの優先順位

さて30代になり市場価値のある技術スタックの実績と汎用性のある上流の経験値ができたらどうすべきでしょうか?引き続き天上界の話は脇に置きます。

SESがおススメの一つです。育成系のSESに在籍してより上のポジションを狙い場合によっては元請SIerやエンドに引き抜かれるのもありです。主体的なキャリア選択やワークライフバランスや優先して案件選択&高還元型SESへ転職するものありです。

次に技術や上流の経験を積んだ後に自社サへ行き成果を出し企業の成長と共にキャリア価値を上げていけば、天上界狙いもワンチャン可能になります。

このステージであればワークライフバランスを重視するならフリーランスも一つの選択肢となってきます。ただし市況の悪化と共に切り捨てられるのがフリーランスです。フリーランスを選ぶなら共働きで片方は社員を選び安定性を担保し、フリーランスで効率よくお金に変えるのもありです。ただ長い間フリーランスでいると想像以上に転職時の市場価値が低くなることに気を付けてください。

受託開発で経験を積んだら高還元SESや自社サに転職してください。引き続き受託開発をやりたいなら、経営者クラスとして扱ってもらうか起業したほうがよいです。社員という立場では給与相場は圧倒的に低くて長く続けるものではありません。






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