30歳国内大手製造業エンジニアが海外大学院留学を目指した理由
こんにちは、Ryoと申します.
今回、日本の製造業エンジニアだった自分が退職して海外大学院に留学することを決意しましたので、
その詳細に関してせっかくなのでNoteにまとめておこうと思い、筆を取りました.
X(旧Twitter)でもそこまで発言していないので、いきなりNoteを書くということで、
いささか緊張していますし、普段そんな長文を書かないので駄文になりそうですが、
退職直後の熱量を利用して、自分の思考の整理も兼ねてまとめていこうと思います.
1.経歴
まずは、簡単な経歴からです.
2018年3月 工学部機械科修了(旧帝の大学院です)
2018年4月 国内大手製造業へ入社
同年 生産技術部署へ配属 工場の自動化エンジニアへ
2021年4月 海外出向 新規工場立ち上げプロジェクト参画
2022年8月 海外出向終了、元部署へ帰任
2023年9月 現職を退職
大学院を修了後、現職一本で5年4ヶ月ほど働いたのちに、退職ということになりました.
合計5年ほど働いたということと、海外出向を通じて工場立ち上げなども経験できたので、
一通りの業務は経験できたのかと思っています.
国内の業務は生産技術開発部門でした.
最新のFA機器を使って工場の自動化を進めるといった業務に従事していたため、やりがいも満足度もそこそこありつつ、このまま業務を続けていれば年収1000万円くらいもいけるかなと思っていたところでした.
今振り返ってみても、我ながらだいぶ恵まれた環境だったんだなと思います.
では、なぜ退職して留学したいと感じたか...
それについては後ほど述べるとして、大学院選択の経緯などを先に軽く触れておきたいと思います.
2.大学院留学詳細
まず第一に、卒業後もオーストラリアで働きたいという考えがあります.
その上で、現時点(2023年9月)では最終確定していませんが、以下の二つの大学院にいずれかに行こうと考えています.
・シドニー工科大学 Master of Engneering Robotics
・ウーロンゴン大学 Master of Computer Science Software Engneering
いずれの学科でもソフトウェア関係を学ぶ予定です.
特に、自分がこれまで仕事で関わった自動化技術に関わる部分です.
シドニー工科大学では、ロボット工学
ウーロンゴン大学では、FA※用のカメラ技術などを学べればと思っています.
※FA Factory Automation 工場自動化
この辺りの背景としては、職歴として工場自動化をメインにやってきたにも関わらず、
大学院の専攻は機械科ということで、ソフト関係の知識が足りないと感じたためです.
また、卒業後にオーストラリアで働くという狙いも持っているものの、職が見つからずに帰国した際に日本でも再就職できるような保険としても考えています.
工場自動化のエンジニアとして日本である程度の職歴があって、修士の学位を日本と英語圏で両方持っていて、内容もハードウェアとソフトウェアの両方ですって言えればどこかしらで働けるだろうなっていう狙いですね.
※2024年追記
在学中の仕事の見つけやすさや、人材の多様性を考慮してシドニー工科大学へ進学を決定しました
3.なぜこのタイミングで留学を決意したか
そんなこんなで、だいぶ理詰めで留学内容を検討している、慎重派の自分がなぜ退職して大学院留学を決意したのかという部分ですが、一言で言ってしまうと、
「どこでも、誰とでも働ける力を身につけることが真の安定」
と考えたからです.
もう少し詳しく述べると、
日本で働いている中で、日本の伝統的大企業での働き方に疑問をいだき始めたというところが出発点でした.
もしかしたらそれは海外出向の間に価値観が少しづつ変わってきたのかもしれませんが、
以下のようなよく言われるJTCの特徴が目に留まるようになってきました.
・残業を前提として組む業務予定表(年間360時間の残業を前提で業務負荷を調整する考え方)
・頑張って業務効率すればするほど追加で業務が降ってくる
・業務以外の謎の職場イベントに時間を取られる
・どれだけ成果を上げても昇格のタイミングがある程度年功序列で決まっている
・基幹職になるともはや生活が仕事中心になる
・明らかに働いていない50代が散見される
多分、皆さんもどれかは心のどこかでこのうちの一つは思っているのではないでしょうか.
その上で、日本経済の停滞もあり、年々税金や社会保険料が上がり続ける、国全体に漂う閉塞感などもあり、
仮にこのまま働き続けたとして、クビにはならないとは思いますが、心身をすり減らしながら働く未来が見えてしまいました.
じゃあ転職しようかと考えて、転職活動もしました.
外資系やスタートアップに飛び込むということも考え、何社か受けて内定もいただいたことはありましたが、
やはり国内で働いている限り、先に述べた部分は幾分か残るだろうなというふうに思い、結局辞退しました.
そんな折に、海外で現地就職した友人の話を聞いて、日本の働き方の異常さを改めて実感し、
自分も海外で働きたいという考えが徐々に大きくなっていきました.
とはいえ、いきなり海外へ行って現地就職を探すのもリスクがあり、
海外出向の経験があるとはいえ英語力に特別自信があったわけではなかったため、留学という選択肢が浮かんできました.
調べてみると、
・大学院2年通えば卒業ビザがもらえて就職しやすくなる.(2023年のオーストラリアだと5年の卒業ビザ)
・奨学金や授業料免除などの制度を利用すればなんとかなる範囲
・30歳でも海外に留学行く事例は多々ある、逆にいうと今がギリギリではないか
・2年間大学院に通いながら英語のレベルも上げていけば今よりも就職時に苦労しなさそう
・現地就職がダメで日本に帰ってきても、大学院留学であれば履歴書にそこまで穴が開かずにすむ
などなどメリットが多いこともわかりました.
加えて、英語圏での大学院学位を持っておけば、英語圏の国で働こうと思った際に有利に働く、という点もあります.
それこそ、「どこでも、誰とでも働ける力を身につけることが真の安定」 という意味です.
日本で働いている時も常々思っていたのですが、
・スキルがあれば最悪職は見つかる
・いざとなってもすぐに職は見つかるという考えがあれば強気に働ける
・嫌な環境、辛い職場にあたってもすぐに逃げれる
という考えが、心の平穏をもたらすのではないかと思っています.
現状、工場の自動化エンジニアとしてある程度のスキルを身につけているという自負はありますが、
そこに「英語」と「ソフトウェア」の知識を強化することで安定感を増すことができると考えました.
もちろん、現職を続けることでさらにスキルを磨き、その上で貯蓄を貯めることで安心感を得るということもできます.
ただし、一度職を変えるという経験をしていないと、いざという時に動けない、他社では通用しないのではないかという猜疑心に苛まされるということも考えられます.
そこまで加味して、
現職を続けた2年後と、退職して留学した2年後の自分のどちらが
「どこでも、誰とでも働ける」を実現できるかを考えて、留学が勝ったということです.
とまあ、色々と理詰めで述べてきましたが、
経歴を見ればわかるように、私自身は根っからの保守派で、
角が立たない人生を送ろうとしてきたという自負があります.
とりあえず潰しがきく工学部で、潰しがきく機械科
卒業後もとりあえず大手の製造業に入社、
そつなく仕事をこなして便利な社員だったという自負もあります.
そんな自分が、自分にとっては足が震えそうな退職という判断をするにあたって、
やめた方が得という根拠を羅列しないと決断できなかったというだけです.
ただ、こうゆう性格だからこそ入念に準備できたのではないかと思います.
4.改めて退職して感じたこと
さて、ここまでこれまでの経緯やそこに至るまでの思考をまとめてみましたが、
ここからは辞めた今感じていることを描きたいと思います.
この章に関しては、完全に感情論になりそうなので、より一層駄文になりそうですが、もう少しお付き合いいただればと思います.
取り急ぎ、最終出勤日を終えて2週間ほど経ちますが、
率直に言って自己効力感が爆上がりしました.
自分で自分の人生を決断したという経験からかと思いますが、
これまで安牌に保守的に生きてきた自分がまさか会社を辞めることになるとは思ってもみなかったので、
今ならなんでもできそうな無敵感があります.
逆に、ここから時間が経って落ち着いてくると、不安や後悔も出てくるかとは思いますが、
それでも自分の道を自分で決めて、日本の伝統的な生き方から外れたという経験は今後も活かせるのではないかと思います.
とまあ大袈裟に言ってますが、イマドキ転職も珍しくはないかと思うので簡単に手に入れられる経験かとは思います.
逆にいうと、そんな簡単に自己効力感を上げられるのであれば、コスパいいのかなと思ってしまいます.
まあ、転職だったらここまで自分に自信を持てたかはわかりませんが..
ちなみに今後の予定ですが、有給が溜まりに溜まっていたので、11月までは有休消化になります.
どちらの大学にせよ2月入学なので、まだまだ時間はたっぷりあるなという感覚です.
その上で、12月からはワーホリで前乗りして、現地に慣れることと、英語勉強を進めようかなと思います.
また、国内でも2ヶ月ほど時間はあるので、今のうちにWebデザインの勉強をして友人の事業を手伝ったりしようかなと思っています.
自力で稼ぐ力を身につけるということも、
「どこでも、誰とでも働ける力を身につけることが真の安定」という考えに即しているので、
まずはそこを目指しつつ英語勉強を進めるといった具合です.
5.最後に
最後になりますが、そもそもなぜ今回Noteを書こうと思ったかでいうと、
自分の経験は割とレアではないかということと、
日本のエンジニアに向けて、転職以外の道「Third Door」として留学の道を提案できるのではないかと思ったからです.
なんとなくですが、社会人留学というと英語ができる文系出身の方が多いイメージです.
(SNSで見る限りの印象論ですが)
そういった方の情報は溢れていますが、理系出身の技術者で海外留学に行くという道が、
自分にとっても新たな道が開けたという印象を受けたので、共有しようと思った次第です.
もちろん、今後の留学がどうなるかはわかりませんし、現地就職がうまくいくかどうかもわかりませんが、
まずは異国での生活を楽しんでみようと思います.
このNoteが、日本で道を模索している誰かに新たな道を示唆できることを祈っています.
長文・駄文をここまで読んでいただきありがとうございました.
また、どこかで留学の体験はまとめて発信できればと思っています.
もちろん、何か質問などがあれば、X(Twitter)経由で連絡いただければと思います.
以上です、ありがとうございました.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?