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トランプ政権下で仮想通貨市場はどう変わる?注目すべき6つの予測とその影響

2024年の大統領選挙が、仮想通貨市場に大きな変革をもたらす可能性があることを示唆する予測が発表されました。

米金融大手JPモルガンのアナリストによると、もしドナルド・トランプ氏が再び大統領に就任し、共和党が上下両院で多数派を握った場合、仮想通貨市場にどのような影響があるのか、6つの重要な予測が示されています。

これらの予測が示す未来像は、投資家にとって非常に注目すべきポイントであり、今後の戦略を立てるうえでの参考になるでしょう。


1.仮想通貨関連法案の進展

21世紀の金融イノベーションを加速する法案の登場

仮想通貨市場が成長するためには、適切な法規制の整備が不可欠です。トランプ政権が誕生すれば、仮想通貨に関する法案が進展する可能性が高いとされています。

特に注目されているのが、以下の2つの法案です。

  • 21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)

  • 決済ステーブルコインの明確化に関する法案

これらの法案が成立すれば、仮想通貨市場のルールが確立し、投資家がより安心して仮想通貨に投資できる環境が整います。

具体的には、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の役割が明確化され、ステーブルコインの枠組みが整備されることで、商業利用の拡大が期待される。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の行方

一方で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発に対する懸念もあります。アナリストは、仮にCBDCの開発が法律により中止されれば、民間企業が発行するステーブルコインが市場で重要な役割を果たすことになるだろうと予測している。

これは、企業主導の仮想通貨がさらに普及し、市場の規模を拡大する可能性を秘めていることを意味します。

2.規制アプローチの変化

SECの厳格な規制から、協力的な規制へ
現在、米国の仮想通貨業界は、SEC(証券取引委員会)の厳しい規制の下にあります。

特に、ゲーリー・ゲンスラー委員長のもとでは、コインベースやロビンフッド、ユニスワップなどの主要企業に対して執行措置が取られていて、業界の透明性と規制強化が求められています。

しかし、トランプ政権下では、規制アプローチが変わる可能性があります。具体的には、SECの厳格な措置が和解や取り下げに向かい、もっと協力的な規制の枠組みが整うと予測されている。

例えば、コインベースに対する訴訟が和解に至る可能性があるほか、ウェルズ通知が送付されたロビンフッドやユニスワップに対しては、再考がなされることが期待されます。

規制の緩和とその影響

規制が緩和されれば、仮想通貨業界はより自由に発展し、より多くの企業が参入しやすくなるでしょう。特に、新規参入企業が増えることで、技術革新やサービスの多様化が加速し、仮想通貨の利用が広がると考えられます。

3.仮想通貨のカストディ事業の拡大

銀行による仮想通貨の管理

仮想通貨を取り扱う銀行の数が増加することが予測されています。これにより、仮想通貨が「信頼できる資産」として認識されるようになると同時に、個人投資家や機関投資家の参加が加速するでしょう。

仮想通貨のカストディ(保管・管理)事業は、今後の成長市場として注目されている。

銀行が仮想通貨を保管することで、資産運用がより安全に行われるようになり、仮想通貨に対する信頼感が高まります。これにより、企業や投資家の資産運用において仮想通貨の取り扱いが標準的なものとなる可能性が高いです。

4.ベンチャーキャピタル投資の活性化

仮想通貨企業の成長と市場の拡大

トランプ政権下では、仮想通貨企業へのベンチャーキャピタル(VC)投資が活性化し、企業の合併・買収(M&A)や上場も増えると予測されています。この流れが進むことで、仮想通貨市場の競争が激化し、技術革新が加速するでしょう。

特に、仮想通貨に関連する新しい企業が誕生し、デジタルウォレットや取引所の改善が進むことで、利便性が向上し、一般消費者への普及が進むと考えられます。

さらに、これにより新たなビジネスモデルが登場し、仮想通貨市場の成長が加速するでしょう。

5.アルトコイン現物ETFの承認の難しさ

ビットコインに続く新たなETFの登場は遅れるか

アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の現物ETF(上場投資信託)の承認には、依然として多くの障壁があります。

SECはまず、ビットコインETFの承認を進める一方で、アルトコインについては証券性に関する裁判が続く可能性がある。これにより、アルトコインの現物ETFが承認されるまでには時間がかかると見られています。

また、ビットコインに比べ、イーサリアム(ETH)の現物ETFに対する需要は低いため、複数の銘柄をまとめたバスケット型現物ETFに対する関心が高まると予測されている。

このようなETFが承認されることで、アルトコインへの投資がより身近なものになるでしょう。

米国のビットコイン保有の可能性は低い

政治的障害とその影響

トランプ政権下で米国がビットコインを準備資産として保有する可能性が取り沙汰されていますが、その実現は難しいと予測されています。

具体的には、上院における議事妨害(フィリバスター)など、政策実現のためには60議席を超える賛成が必要とされ、共和党が53議席では法案通過が難しいという現実がある。

一方、仮に米国がビットコインを保有することになれば、他の国々も同様の動きを見せる可能性があり、ビットコインが準備資産としての地位を確立することになります。

これは、仮想通貨が金融システムに与える影響を大きく変える要素となるでしょう。

結論:トランプ政権下で仮想通貨市場はどう進化するか?

ドナルド・トランプ氏が再選し、共和党が上下両院で多数派を占める場合、仮想通貨市場は多くの変化を迎えることになります。

法案の進展、規制の変化、カストディ事業の拡大など、ポジティブな予測が多い一方で、アルトコインETFの承認やビットコイン保有に関する課題も存在します。

投資家にとっては、これらの変化に柔軟に対応し、仮想通貨市場の成長を追い続けることが重要。今後数年の動向を注視し、投資戦略を立てることが求められる時期です。

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