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BTC最高値目前の足踏みと「ETFシフト」の裏側に潜む3つのトレンド:サウジ・中国の10億ドル規模協定が与える影響

BTCの価格が過去最高値を前に停滞する現象、背後に潜むのは世界市場の大きな動きです。

ビットコイン(BTC)は今年3月に記録した最高値に近づきながらも一部の市場で足踏み状態にあります。

その原因として注目されるのが、中国とサウジアラビアによる新たなETF(上場投資信託)市場への10億ドル規模の投資協定です。この動きが米国市場、そして暗号通貨市場全体に与える影響を深掘りしていきます。


1.ETF流動性が変化?BTC市場に及ぶ「シフト」現象

ビットコインはこれまで、特に米国市場での流動性によって価格が押し上げられてきました。しかし、サウジアラビアと中国がETF市場で相互投資を開始することで、米国中心のETF流動性が分散される可能性が指摘されています。

この動きの象徴的な存在が、サウジアラビア初となる「アルビラド・CSOP・香港・中国株ETF」です。

このETFは中東市場で最大規模となり、イスラム法(シャリア)に準拠した投資商品としても注目されています。美団(料理宅配アプリ)、創科実業(電動工具メーカー)、安踏体育用品(スポーツ用品)といった中国企業が投資対象に含まれており、サウジアラビア市場からも関心を集めています。

2.「新シルクロード」の構築?中東・中国の市場連携が生む影響

中国とサウジアラビアのETF協定は、現代版シルクロードとして経済的なつながりを一層強化し、新たな市場のリンクを生み出しています。

中東の投資家は従来よりも簡単に中国市場にアクセスできるようになり、結果として米国市場への依存度が低下する可能性も考えられます。

中東の投資家にとって、中国市場は急成長を遂げる有望な投資先です。特にシャリア準拠のETFは、彼らにとって重要な選択肢となっています。

アルビラド・キャピタルのCEO、ザイド・アルムファリ氏も「シャリアの原則を守りながら、中国経済の成長に関与できる新たな道を提供する」と語っており、伝統と現代的経済の融合が見られる一例です。

3.米国市場とBTCへの波及効果:アジア市場の新たな可能性

ビットコイン市場にもこの動きは無関係ではないでしょう。米国ETF市場から一部の流動性がアジア市場に流出すれば、ビットコインにも影響が及ぶ可能性があります。

ビットコインの価値に大きな影響を与えてきたのは米国市場の流動性でしたが、アジア市場の成長が進むことで、BTC市場も今後は米国市場の影響から脱し、新たな変動要因を取り込む可能性があります。

サウジ・中国の協定により、ビットコインの流動性や価格形成に新たな「シフト」が起こるかもしれません。

まとめ:サウジ・中国のETF協定がもたらす市場の未来

サウジアラビアと中国のETF市場協定は、米国市場からアジア市場への流動性の「シフト」を引き起こし、暗号通貨市場にも影響を及ぼす可能性を持っています。

新しい経済のつながり、特に中東と中国の連携が強まる中で、BTCやその他の市場はさらなる国際分散が進むはずです。

今後の市場の変動要因として、この協定を注視することが投資家にとって重要な視点となるでしょう。

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