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『10年後の仕事図鑑』AI時代を生き抜くための新しい仕事の形と価値観の探求
堀江貴文氏、落合陽一氏著
AIが当たり前になる世界で、あなたの仕事はどう変わる?
10年後、私たちの仕事の景色は大きく変わるでしょう。人工知能(AI)、仮想通貨、ロボティクスの進化は、現在の「当たり前」を大きく塗り替えています。
この本『10年後の仕事図鑑』では、ホリエモンこと堀江貴文氏と、現代の魔法使いとも称される落合陽一氏が、これから訪れる未来の働き方について語っています。
仕事は消えるのか、それとも新しい形で生まれ変わるのか。今回は、未来を見据えた彼らの洞察に基づき、「これからの仕事」について掘り下げます。
1.消えゆく仕事、変わる仕事
機械に奪われる単純作業
くら寿司ではすでに、寿司を握る、皿を数えるといった作業が自動化されています。
また、居酒屋チェーン「養老乃瀧」ではカクテルや酎ハイを自動で作る機械が導入されています。このように、反復的で効率重視の業務は、どんどん機械に置き換わっています。
例えるなら、タイプライターがワープロに変わったときのようなもの。 手作業だった効率が格段に向上する一方で、タイプライター職人は仕事を失いました。
同様に、今日の多くの職業もAIに取って代わられる運命にあります。
AIにできないこと
しかし、堀江貴文氏と、落合陽一氏は、すべての仕事が消えるわけではないと断言します。
AIが得意なのは「分析」「計算」といった論理的なプロセス。一方で、人間にしかできないのは「創造」「感情の交流」「価値観の提示」。
たとえば、映画監督が観客の感情を揺さぶるストーリーを作るような創造的な作業は、AIには難しいのです。
具体的には、 「人の気持ちを理解し、共感する能力」 が求められるカウンセリングやセールス。これらは人間にしかできない領域として、今後ますます重要性が高まるでしょう。
2.新しい働き方の提案:「経営者視点」と「ギルド的働き方」
経営者になる覚悟
堀江貴文氏と、落合陽一氏は、これからの時代、労働者として指示を受けるだけの働き方では生き残れないと言います。
「経営者視点」を持ち、自分で価値を生み出す人が求められる時代になるのです。
たとえば、カフェで働く人がただコーヒーを提供するだけではなく、「この店ならではのメニューを考案する」視点を持つことが重要。その一歩として、自分を「プロジェクトのリーダー」と考えることで、働く姿勢が劇的に変わるでしょう。
ギルド的働き方とは?
また、二人は「ギルド」という中世ヨーロッパの同業者組合にヒントを得た働き方を提案しています。
これは、ピラミッド型のトップダウン構造ではなく、全員が価値を共有しながら協力するネットワーク型の組織です。 「全員がトップであり、全員が労働者でもある」 という考え方が根幹にあります。
3.ベーシックインカムの可能性
ベーシックインカムって何?
堀江貴文氏が熱心に提唱する「ベーシックインカム(BI)」とは、政府がすべての国民に一定額の収入を保証する制度です。働いていなくても最低限の生活ができるよう現金を支給する仕組みで、すでにフィンランドなどの国で試験導入されています。
働くことが得意でない人、病気や障害でフルタイム勤務が難しい人でも安心して生活できる社会を実現するものです。一方で、 「働く喜びを感じる人が活躍する社会」 をつくる効果も期待されています。
4.「生産する個人」へのシフト
「作る力」が未来を切り開く
堀江貴文氏は、これからの時代に重要なのは「生産力」だと繰り返し述べています。
たとえば、ブログを書く、デザインをする、プログラムを作るなど、自分で何かを作り出せる人はどんな時代でも生き残れるでしょう。
比喩的に言うなら、「釣り竿を作れる人はいつでも魚を釣れる」ということ。 技術や知識を持つことが、未来の職業選択の幅を広げる鍵になります。
会社を活用する個人
この考えを体現する人物として、幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏が挙げられます。
彼は会社のインフラを活用しながら、個人でもオンラインサロンを主宰するなど、複数の収入源を築いています。このように、「会社員でありながら、経営者でもある」という働き方が今後の理想形です。
5.AI時代を生き抜く心構え
最後に、堀江貴文氏と、落合陽一氏が一貫して主張するのは、「トップの視点を持ち、自分の価値を自分で生み出すこと」。
これを実現するためには、以下のようなスキルが必要です。
クリエイティブ力:ゼロから価値を創り出す能力
コミュニケーション力:人の心を動かす対話スキル
学び続ける力:変化を楽しむ柔軟性
結論:未来に備える今がチャンス
『10年後の仕事図鑑』は、AIやベーシックインカムの普及が進む未来に向けて、「どう働くべきか」「何を大切にすべきか」を考えさせてくれる本です。
今から意識を変え、小さな挑戦を始めることが、未来を切り開く第一歩になるでしょう。この本を読み、10年後の未来に備えましょう。