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『「数字」が読めると本当に儲かるのか?』 経営者必読!利益を見極めるための基礎知識
ビジネスをしていると、売上がどんどん上がっているのに、どうしてかお金が足りない…という現象に直面することがあります。
まさに「売上=利益」だと思っていたのに、現実は違う。では、どうしてそうなるのでしょうか?
今回は、この「数字」をどう読み解けば儲けを生み出せるのか、その方法を解説します。著者の古屋悟司氏が提示するのは、会計の知識ではなく、利益を生み出すための「管理会計」です。
確かに、あらゆるビジネスシーンの意思決定において、数字の重要性は言うまでもありません。しかし、その「数字」をどのように読み解き、活用するかによって、その効果は大きく変わります。
数字を理解するだけで儲かるのか?それとも数字をどのように活用するかがカギとなるのか?
この問いに答えるべく、数字を活用した投資判断の具体例を交えながら、深堀りしていきます。
1.数字が読めるって、どういうこと?
「数字が読める」とは、決算書を見て何が書いてあるか理解することではありません。
これを簡単に言うと、売上が上がっているのに手元にお金がない原因を突き止め、それを解決する方法を知ることです。
多くの経営者が、売上が増えると利益も増えると思い込みがちですが、それは一部の真実に過ぎません。実際は、売上が増えても、手元にお金が残らないことがよくあります。
例えば、あなたが花屋を経営しているとしましょう。花屋で花を仕入れるためにお金を払う必要がありますが、最近はネット販売をしているので、代金は後払いになります。
お客様からは1ヶ月後にお金が振り込まれますが、その間に仕入れの支払いが待っています。結果、売上があるのに仕入れをするためのお金が手元にない。
これが「自転車創業」と呼ばれる状態です。
2.利益と収益の違いを知る
『「数字」が読めると本当に儲かるのか?』で重要なポイントの一つは、「利益」と「収益」の違いをしっかり理解することです。
会計には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引き前当期準利益」など、いくつかの利益指標がありますが、それぞれがどのような意味を持ち、どんな役割を果たしているのかを知っているかどうかで、経営の安定性が大きく変わります。
例えば、売上総利益は「売上高 - 売上原価」です。これは、売上がどれだけの利益を生み出しているかを示す指標ですが、これだけでは実際にどれだけ儲かっているのかはわかりません。
営業利益や経常利益、税引き前当期準利益がなぜ重要なのか、これらの差を理解することが、実際の経営判断に繋がります。
3.限界利益を理解する
ここで登場するのが「限界利益」です。限界利益とは、売上高から変動費を引いた利益です。この数値があれば、いくら売れば儲かるのか、損益分岐点はどこにあるのかを計算できます。
例えば、あなたが売上100万円、変動費が30万円、固定費が40万円の花屋を運営しているとします。この場合、限界利益は100万円 - 30万円 = 70万円です。売上が増えるごとに、70万円から一定額が「利益」として残る計算です。
限界利益の理解がないと、いくら売り上げても、どれだけの利益が残るのかがわからず、経営が成り立たなくなります。売上が上がったからといってすぐに儲かるわけではないです。
変動費をしっかり計算し、固定費を抑えなければ、利益は上がりません。
4.固定費と変動費を分ける
会計を学ぶときに重要なのは、費用を「固定費」と「変動費」に分けることです。固定費とは、売上に関わらず必ず発生する費用で、家賃や人件費などが該当します。
一方、変動費は売上に比例して増減する費用で、商品の原価や配送費がこれにあたります。
例えば、花屋で言えば、花の仕入れ費用や配送料が変動費に該当します。売上が上がると、これらの費用も増えるわけです。
逆に、家賃や従業員の給料は、売上が増えようが減ろうが変わりません。これらを正確に分けて把握することが、利益を正確に計算するためには欠かせません。
5.資金繰りを見直す
資金繰りがうまくいかない原因の一つは、現金商売とクレジット取引の違いを理解していないことです。
現金商売であれば、売上がそのまま手元に現金として残りますが、クレジットカードなどでの取引が増えると、入金までに時間がかかります。
この間に仕入れをするためにお金が足りないという問題が起こります。
企業経営において「資金繰り表」を作ることは、家計簿をつけることと同じくらい重要です。これをつけることで、今後の収支を予測し、どれだけの資金が必要になるのかを把握することができます。
資金繰り表をつけていないと、予期しない支出に対応できず、最終的には借金をしてしまう危険性が高まります。
最後に:数字が読めれば、ビジネスの「勝ちパターン」が見えてくる
古屋悟司氏が述べるように、数字を読めることは会計の知識にとどまらず、経営を安定させるための「武器」となります。
利益を出すためには、限界利益や損益分岐点をしっかりと計算し、固定費と変動費を把握することが必要です。さらに、資金繰りをしっかりと見直すことによって、ビジネスの成功に繋げることができます。
『「数字」が読めると本当に儲かるのか?』を通じて学べるのは、「数字」を読む力だけではなく、その数字がどのようにビジネスを左右するかを理解する力です。
数字を「読む」だけではなく、「使いこなす」ことで、あなたのビジネスは一段と強固なものになるでしょう。