元探偵が探偵の現実を晒す(前編)

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探偵の仕事をしていた事を人に言うと、意外と皆さん興味あるのか、興味津々になる方がいます。

 私が探偵会社に正社員として勤めていたのは、かれこれ17年以上前であり、まだ私が22歳頃の話です。そんな、昔話をしようかと思います。

 まず、1番最初に皆さんが思う事の1つは、どのような経緯で探偵会社に入社したのか?でしょうか?? 

 これは、意外ですけども、普通にハローワークの求人で見つけて、その流れで応募、面接をして入社を致しました。

 面接の際に、何か特別な試験があるのか‥‥‥と言われれば、その会社にはありませんでしたし、恐らくは誰でも合格できたと思います。

 ただ、それでもこの会社は当時、様々なメディア(超有名人が司会の番組に出演する程)に出る程の全国的有名な探偵会社であり、私自身も某TV局の取材を受け、それが全国放送された事もあります。

 社長は元詐欺師で当時30前半、社員は事務員合わせて合計15名程でした。会社の月の売上は多い月で1000万ぐらいだったと記憶しています。社長の給料が月100~300万、入社したばかりの私で約22万ぐらいだったかと思いますが、出張が多いので出張費等を合わせれば月30万越えも普通でした。

 給料額としては、友人等の普通の会社員より待遇は上であり、休日に関しても基本的には自分の希望する日に休めます(ただ、出張している時に休んでも休日という感覚はありませんが)

 では、実際の探偵会社の業務とは一体何をするのでしょうか?

 これは、会社のメイン業務が何なのか次第で変化しますが、私の勤めていた会社で最も多かったのは、ズバリ‥‥‥

 ”別れさせ屋”です。

 別れさせ屋とは、クライアント(依頼人)が、好きな異性と付き合いたい為に現在その方と付き合っている異性と別れさす又は付き合ってる彼氏彼女の浮気相手と別れさす事を業務とすることです。

 また、次位に浮気調査やストーカー的なクライアントから〇〇の勤務先&住所&行動履歴等の調査等が多かったです。

 で、大事な事は経験上クライアントの多くはストーカー的な方が多かったことです(特に女性)←ここ重要ですよ!

 依頼の大部分は東京・大阪・名古屋・福岡等の人口が多い大都市ばかりでしたね。私の会社(本社)は栃木県にありましたが、大部分は出勤(栃木の本社)→車で東京→調査→栃木へ戻る→会社で報告書を書き退社という流れです。

 ちなみに、勤務時間は短い時は5時間程度、長ければ24時間とかバラツキが多いですが、1日の給料額は変わりません。平均すれば、ブラック会社並みですかね。

 また、出張は名古屋・大阪が多く、長い時には一ヵ月は会社名義のマンションで同僚と住み込みしながら仕事という感じで24時間同僚といるのでストレスも溜まります(はい、私はそれで大阪出張の際に道頓堀にハマりましたw)それ以外の地方出張の場合には、ビジネスホテルなので、その際は基本別部屋なので気が楽です。

 私の主な業務は、素行調査(いわゆる尾行・張り込み等)をしてましたが、別途クライアントの調査対象者と偶然等を装い関わり情報を得る事、クライアントとの契約業務&その後のやり取り等でした。

 本音で言えば、工場務めが多かった私にとっては、会社の仲間も色々な方がいるのもありましたが、業務に関しては楽しかったです。ただ、完全ワンマン社長なので、それが1番苦痛で辞めた理由です。

 長くなるので、更なる裏話は中編又は後編にしますが、前編では探偵という仕事はアニメ等のような殺人犯人を追い詰めるような仕事ではありません。

 実際は、グレーゾーンな事をしたり、ストーカー的なクライアントと連携をとりつつご機嫌取りしたり、時には長時間の長話を聞いたり、労働基準法を完全無視した業務、稀にヤクザ等と交渉したり、八百長TV局の取材を受けたり等‥‥‥闇の深い世界なのです。

 ただ、面白い世界であることだけは事実です。勿論、それと同時に人の闇に触れてしまいます。

 では、次回『中編』では具体的な依頼内容とその経緯、結果等について触れようと思います。

 

  

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