レジでワンカップおじさんから毒霧をくらった話
私が勤務していたセブンイレブンは川崎にあるのですが、川崎駅は、川崎競輪場があるため、ガラの悪い方が集まりやすい場所です。
特に競輪レースに負けた人や浮浪者などがセブンイレブンに寄って、ワンカップやビールだけ買って店先で飲むという最悪の状態が発生するときがあります。
よくよく観察していると皆さん、ギリギリなんです。すぐにでも酒をを飲みたい!という気持ちが伝わってくるほどです。レジで買った瞬間に飲むというスピード感を感じます。彼らは店の出口まで待てないほどお酒に対してハングリーさがすごいです。
そんなある日、
ワンカップを買ったおじさんと対決する事件が起こりました。
この日は、平日、時間は23時。
深夜バイトに引き継ぎを済ませ、帰り支度を整えていると、
「店長!へんな人がいます!」
と深夜バイトが店長室に飛び込んできました。
最悪です。だって今から帰るんですから。
でも夜のピークが店に始まりつつあったので、これは解決しておかないとならないと思い、鞄をおいて、ユニフォームは脱いでいたので、Yシャツとスーツで売り場に向かいました。
そこには、ワンカップを2本、両手に持ち、大声で叫んでいる浮浪者一歩手前のおじさんがいました。(※年齢は60歳ぐらい。)
(こういうの、毎日起こるな・・・)
と思いながら、、、
「はい!どういたしました?お買い求めになられますか?」
とめちゃめちゃ大声で声をかけたら「大声をだすなやい!」と言い返してきました。 ぷわ~んとアルコールの香りも一緒に。
帰りたい気持ちがあまりにも強かったので、素早くワンカップを奪い、レジでスキャン。「●●円になります!」と笑顔で言ってやりました。
そしたら、ワンカップおじさんは、お金を取り出すんです!えらく素直じゃないか!よかった~と思いながら、お金を受け取りお釣りを返してワンカップをお渡ししました。
その瞬間、ワンカップの蓋をパカッと開け放ち、ぐいっと一口。
「お客様、店内ですので・・・・」
と注意しようとしたら、次の瞬間、私にワンカップの酒を吹きかけてきました!
毒霧!?
まともに目に入りました。そして案の定、大声でまた何か喚き散らし始めました。もう収拾がつきません。作戦失敗。
ハンカチで酒を拭きつつ、ワンカップおじさんの腕を掴み、店外へ引きづりだしました。相手は「なんだよ~お」と言いながら、千鳥足で、立っているのもやっとという状態。
店の裏道へ、ひきずっていくと話し合いをしようと言いました。
「どうして、店内で酒を飲み、吹きかけてきたんだ!」
と質問するとやはり、タコみたいにクネクネしているだけ。まともに相手にしても意味がない。
時計を見ると、23時半。終電にはもう間に合いません。
(こいつのせいで・・・)
私は思いっきり、ワンカップおじさんを突き飛ばしました。おじさんは思いのほか飛んでいき、地面に尻もちを着きました。「なにすんだー」と言いながら起き上がってきました。その感じがまたイライラしてしまったので、
私はぶん殴ってやろうと思いました。
ただ私は生まれてこの方、人を思いっきり殴った経験がないんです。そんなことも忘れていたんです。思いっきり、ワンカップおじさんに殴りかかったまではよかったのですが、腰が入っていなかったため、へろへろなパンチになってしまい、おじさんは当たっても痛くないよという感じでした。そのうち、おじさんは座り始めウトウトしだしました。
ちょっと恥ずかしいですよね。こういうとき。それにしらけてしまった私は、携帯から警察に電話して、その場でずっと待ってました。
季節は秋。
ワンカップ浮浪者と2人。
セブンイレブンの裏道。
時間はちょうど0時を過ぎ警察を待つ。
しばらくすると、警察官が来てくれて、無事保護してくれました。
なんだったんだ。この時間。
川崎のセブンイレブンは、毎日こういう珍事が起きます。
新宿歌舞伎町のセブンイレブンの方が大変かも。