25歳の若い女に振りまわされたセブンイレブン店長の話【前編】
私がセブンイレブンジャパンの正社員として、店長をしていたとき、よくセブンイレブンジャパンの女性社員から電話がかかってきていました。
なぜ電話がくるかというと、伝票ミスです。
セブンイレブンでは、店舗ごとに会計処理はせずに、セブンイレブンの会計事務所で伝票処理や月次のPLやBSの作成を代行してくれています。
店長業務として毎日売上計上をしているのですが、入金伝票とか、経費の登録ミスなどが日常茶飯事でした。しかも私は店長なりたてで、他の店舗よりもミスが多いらしかったです。そのため私のお店の経理を担当しているセブンイレブンの女性社員から毎日電話がきます。
『また伝票が足りませんよ。』
『今回は、売上日報のこの用紙がありませんでしたよ。』
という感じで怒られていました。
ちなみにこの女性社員は、鈴木さん(仮名)という方で、商業高校を卒業して簿記の資格を持っている女性です。年齢は25歳だそうで、当時私は20代後半だったので、年下の女性からグチグチ言われるのが結構嫌でした。ただそれが嫌だったので、提出物に注意をするようになり、その結果ミスが少なくなり、この女性から褒めてもらうことが多くなってきました。
『今月、伝票ミスが1件もありませんでした。以前と比べるとすごい成長ですね!』
といった感じです。
さらに、
『最近、たろすけさん(私)の提出物が完璧すぎて、連絡をする機会が減り、ちょっと寂しいです』
みたいなことを言ってくるようになりました。
最初は、
(は?最初あれだけ嫌味連発だったのに、変わるもんだな)
と思っていました。
そんなある日、クリスマスを迎えました。
クリスマスはマジで地獄です。
なぜ地獄かというと、まず店頭でサンタの恰好をします。
次に、その恰好をしながら店頭でケーキをガンガン売ります。そうしないとSVから怒鳴られるからです。24日から店頭で大声で、
『クリスマスケーキはいかがですか~』
と言いつつ、SVからケーキ何個売れた?みたいな連絡をかわし、なんとか、あと5個は売らないとと思いながら現場に立っていました。
そんなとき、二人組の女性が来店してきて、
『たろすけさん、こんばんは!ケーキ売れてますか?』
と声をかけられましたが、こいつ誰だ?と思いました。
『どちらさまでしょうか?』
と言うと、
セブンイレブンの会計事務所で働いている女性社員たちで、しかも私のお店を担当している女性の鈴木さんでした。いつも電話で話をしていましたが、顔を合わせる機会がなく、初対面でした。
『ああ!いつもご迷惑をおかけしてます』
というと、
『いえいえ、最近はミスもありませんので、大丈夫です』
と言ってきました。
それは良かったと思いながら、今日は何しに来たのかと聞こうとしたら
『ケーキどうですか?』
と言ってきたので、
『正直、厳しいです』
と真顔で言うと、
『1個買います』
と言ってくれました。あまりにも最高な申し出に、
『まじっすか!なんていい人なんだろう』
と結構大きめな声で口に出してました。
鈴木さんはそれを聞いて、コロコロ笑いながらケーキを買ってくれて、しばらく雑談をして帰っていきました。
そこまでかわいい女性ではないのですが、ケーキを買ってくれたことが非常に嬉しかったので、今度なんか買ってあげようかなと思いました。ただセブンイレブンは激務なので、気づいたら2カ月ぐらい過ぎてしまいました。
そんなある日、セブンイレブン社員が集まったカラオケ飲み会が開かれているそうで、SVに誘われて急遽、当日に参加することになりました。そのカラオケ飲み会はカラオケボックスの大きな部屋を2つ借りていて、セブンイレブンの会計事務所の女性たちとSVたちが、わんさか参加していました。
私は、こんなにセブンイレブンの社員がいっぱいいたのにびっくりして、部屋の隅の方にちょこんと座っていました。しばらく座っていると、以前ケーキを買いに来てくれた鈴木さんが隣に来てくれて、話をすることに。
『あ、たろすけさん、お久しぶりです!』
『どうも!あのときはケーキを買ってくれてありがとうございました。』
『いえいえ、とてもおいしかったです』
『セブンのケーキ美味しいですよね。でも、あのときは有難かったです。ケーキが全然売れなくて。今度お礼にお菓子でもお送りしますね』
『え!ほんとですか!ありがとうございます』
『いえいえ、甘いものは好きですか?』
『はい!ちょっと1人では行きにくいスイーツ屋さんがあって、そこに今度一緒に行ってもらえませんか?』
『あ!ああ、OKです!ぜひお付き合いさせてください!』
『やったーありがとうございます。そういえば、○○さんのメアド知らないです。』
『あ、メアド交換しましょうか。』
といった感じで、ケーキのお礼にスイーツ屋さんに行くことになってしまいました。私としては、あんまり鈴木さんはかわいくないので、トキメキが全くありませんでした。また好きになれそうもないので、困ったな~と思いました。
しばらく話をしていると、女性社員の中でもお局さんと言われている女性が私たちの前に来て、
『鈴木さんは、本当にたろすけさんが好きね』
といきなり爆弾発言をしてきました。
私は鈴木さんを見ると、鈴木さんは顔を真っ赤にして、
『ちょっとやめてくださいよ~。酔いすぎですから。』
と言って、お局と部屋を出ていきました。
(お!そういうことなのか!だから積極的なんだな)
と思いました。ちょっと困ったなというのが本音です。
また一人になってしまったので、隅で座って飲んでいると上長が隣にきて、
『おまえ、全然飲んでねーな!』
と言って、私はガンガン飲まされました。
そしてこの上長は、女性社員二人の腰に手を回し、カラオケを熱唱。セクハラ満点な状態でした。正直、こんなに露骨にセクハラをして大丈夫なのか?と思いつつ、私はお酒に弱いのでトイレに吐きに行きました。
1時間ぐらいトイレで吐き終わって、部屋に戻ると、ちょうど上長が気持ちよく歌い終えて解散することに。私は電車で帰ろうと思いましたが、お酒を飲んでいないSVが居たので、その人に途中まで車で送ってもらうことになりました。
そのSVは非常に温厚な方なので、私の担当SVとは全く違います。
この人が担当SVならいいのにな~と心底思いました。
そのカラオケ飲み会があった翌週。
鈴木さんからメールが来ました。
『この前は、お局さんが酔っ払って変なこと言ってすいませんでした。私がたろすけさんのお店の担当だったから誤解していたみたいで。そういえば、スイーツ屋さんですが、今度の◆日とかどうでしょう?』
という内容でした。
まいった!可愛くないし、話もあんまり合わなそうだし、タイプじゃないし。時間を使いたくないな~と思いましたが、仕方がないですよね。ケーキを買ってもらったし。
結局、◆日の夜に会って、スイーツ屋さんに行くことになりました。仕事がきつくて、できれば早く家に帰って寝たいのに。。。
後半へつづく。