
英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(85)
今日は昔の名曲をピックアップします。映画音楽で有名なものはいろいろありますが、中でも私たちの記憶にいつまでも残っているのがこの曲、
Moon River
映画「ティファニーで朝食を」で使われ、一躍有名になった曲です。映画の中でオードリー・ヘップバーンさんが窓辺でギターを弾きながら歌うシーンが素敵です。ではアンディー・ウィリアムズさんのバージョンを聞いてみましょうか。
作詞を担当したジョニー・マーサーが子供の頃に過ごしたBack River をイメージして、将来の夢を思い出しながら作った曲だと言われています。
Moon river, wider than a mile
I'm crossing you in style some day
Oh, dream maker, you heart breaker
Wherever you're going, I'm going your way
Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
We're after the same rainbow's end, waiting, round the bend
My Huckleberry Friend, Moon River, and me
では、歌詞の中から気になった表現をご紹介。
● 出発する」を表すoff to
Two drifters, off to see the world「2人の漂流者は世界を見に旅立つ」
この文は元々はTwo drifters are off (where they’re right now) to see the world.ということで、( )内が省略されていると考えられます。offの核は「分離」です。そこから「今いるところから離れて」、to 以下のことをこれからしに行くとなります。つまりoff to~で「~しに出発する」という意味です。off to Rome「ローマに出発する」のようにtoの後に場所や、この歌詞のようにoff to see the world「世界を見るために出発する」と動詞を伴って、その目的を表す場合もあります。くだけた会話ではWhere are you off to?「どこ行くの?」という表現も。これは、そうWhere are you off(where you are right now) to?のことですね。
● 歌詞から定型表現に
My Huckleberry Friend 「私のハックルベリーのような友」
Huckleberry Friendについてはの解釈は実はさまざまあります。作家マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』と関係があるなど。ジョニー・マーサーの自伝では「子どもの頃に一緒にハックルベリーを摘んだ仲良しの友だち」とされています。この映画をきっかけに「幼少の頃から長く続いている特別な友人」という意味で使われるようになりました。歌詞の本当の真意は作詞をした人。すなわちジョニー・マーサーさんしかわかりません。彼は一体どんな思いでこの詞を書いたのでしょうか?
ではここで、オードリー・ヘップバーンさんのバージョンをお届けします。ちょっぴりかすれた声が魅力的ですね。
What do you say to that?
実は、オードリー・ヘップバーンさんは歌手としての経験があまりなく、歌唱力に自信がなかったため、映画の中で歌うことに対してかなり抵抗していたというのは有名な話です。
悲しいお知らせ
「やさしく歌って」、「愛は面影の中に」で知られる米グラミー賞歌手、
ロバータ・フラックさんが24日(日本時間25日)に死去、というニュースが入ってきました。享年88。
ご冥福をお祈り申し上げます。一度生で「やさしく歌って」を聞きたかったです。涙。