#5 神話に取り憑かれる怖さ
僕の大学では、忙しく勉強している学生がほとんどで、いかにも「人生の夏休み」という生き方をしている人を見たことがない。
期末期間とか、みんな疲れているのがとてもわかる。身体的にも、精神的にも。
そんな中で、陥りやすい神話がある。それが成績至上主義だ。これは不思議なことに、誰からも教えられたわけでないのに、「良くない成績を取ると、将来悪いことが起きる」とか「単位を落としたら絶対ダメ」という脳になってしまうのだ。少なくても、僕がそうなった。
これは、大学生だけに言える話ではない。浪人生の時は「偏差値至上主義」、「課題活動至上主義」のようなものに突き動かされて、それらの物差しで自分だけでなく、他人をも判断することもあった。
僕が衝撃を受けた事実。それは、そのような判断基準から抜け出した人こそが、授業や、受験勉強や、課外活動を楽しんで取り組んでいたということだった。「〇〇至上主義」の中にいる人は、恐怖や不安によって動かされている。つまり、恐怖や不安から自由になっていないのだ。
対して、抜け出した人は、別に単位を落とそうが、悪い成績を取ろうが、自分の価値は変わらない。つまり、恐怖や不安から自由になっていて、自分を苦しめる必要がないのだ。
恐怖や不安によって動かされるものは、やはり結果的にそれが嫌いになる。最初は良かったとしても、長く見ると、それをしたくないと思う気持ちの方が強くなるんだ。
別に悪い成績を取ったって人生終わるわけじゃないんだし。身体を壊してまで勉強する意味なんてないよな。他者と比べるのではなく、自分のできる範囲の中で、どのくらいできるかが重要なんだと知ることが必要なんだ。
ちなみになんですが、僕は昨年単位を2つ落としてしまいました。でも、「別にいいや〜」と楽観的です。もちろん、それで交換留学に行けなくなったりして悔しかったのですが。でも、身体を壊していたあの時の全力を僕はしましたし、あれ以上どうにもできないくらいのことはしましたから。
大切なのは、目の前に置かれた課題に、その時の自分ができる範囲で何をするかなんだなと感じさせられました。