街のおどり

中学三年の頃
少しやんちゃな同級生たちの肩が固く張り、足裁きが高慢になっていった
大学生になった今、あれは街の男踊りの一つだったのかもしれないと思う
そこのけそこのけと、間を使って相手を倒そうとするが実際彼らは弱い
僕は街には全然いかずに山にばかり行っており、柔らかくて強かった
そうならならざるを得ない流れが街には確かに働いている
彼らは悪くなかったのだ


車 信号 間合い ぶつからないように
ぶつかったら 緊張努力して 突破する
成長 学習 これは頻繁に男踊りの仕方で語られていた

寝転がることは自然だ
迷うことは自然だ
覗くことは自然だ
触ることは自然だ

でも
寝転がることは普通じゃない
迷うことは普通じゃない
覗くことは普通じゃない
触ることは普通じゃない


ビジネスのリズム
暮らしのリズム
大学のリズム
大人のリズム
子どものリズム
植物のリズム
腕のリズム
脚のリズム
お腹のリズム
背中のリズム
首のリズム
男の踊り
女の踊り
私は男の踊りをするのがいやだ

でも、街にはもう一つ「女踊り」というのがある
僕は19の頃に梅田に通わざるを得なかったが
こっちの方がずっとかっこよく思えたから
女踊りをしていた

ある女は不思議に思ってこう言った
「自信がないから自己誇大しているのか」
ある男はこれ見透かしたりとようにこう言った
「自分を強く見せようとしている?」

それは私の顎が、どちらかというと男踊りをしていたからだった
世の中ではなく大地を語りたかった故のことだった

私は暗にこう示した
「いいや、無常を、幽玄を、忘れたくないからだ」

私は梅田でよく、ピアノを弾いて歌って踊りながら
滝から真っ逆さまに落ちる妄想をしていた

無限と有限の境界を捉えたい
あることとないことのはざまで生きたい
そういう試みだった

今はもっと様々なスパイラルが無目的に響きあっている


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