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書評エッセイ

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2022年7月の記事一覧

『夢の浮橋』と谷崎の嘘

『夢の浮橋』と谷崎の嘘

 谷崎潤一郎の『夢の浮橋』を読んだ。
 読後感。シンプルに気持ち悪い。そしてやっぱり谷崎は素晴らしい。

第1 雑感

 小説の冒頭部分、作者は、読者を騙そうという明確な意図を持ち、語り手の幼少期を牧歌的に描写している。
 幼い頃の実母との思い出、日本家屋と庭園の精緻な描写、おまけに日本家屋の柔らかい挿絵がところどころに登場する。殊に、庭の添水の描写は、長閑で美しい幼少期の記憶の象徴であるかのよう

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