採用コンサルタントと考える「転職活動の準備」#2 職務経歴書のここが見られる、書き方のポイントは?
転職活動を進めるうえで、職務経歴書は自分をどうアピールするかの重要なツールです。
今回は、採用コンサルタント「はちさん」に、職務経歴書のどこが注目され、どのように記載すべきか、そのポイントを詳しく聞きました。
「職務経歴書」=キャリアの歴史。見られるポイントは?
一般的な選考過程では、会社内の採用基準に従い、まずは書類等で初期基準をクリアしているかどうかを見ています。
最初から面接が約束されている会社もあれば、書類審査や適性テストによる一次選考を挟む会社もあります。このあたりは各社の採用スタンスにより異なります。
また、合否基準についても、業界や会社規模、求める人材像に合わせて柔軟に工夫を加えています。
初期基準がある会社については、それをクリアしているかどうかを見たのち、求職者の経歴や人柄の判断に移ります。
職務経歴書はその方のキャリアの歴史なので、非常に踏み込んで見られます。
職務経歴書には、おおむね以下のような事柄が記載されています。
もっと噛み砕いた表現を使用すると・・・
ということです。
比較される前提で考えよう
数ある職務経歴書を見る中で、採用側が注目するポイントは「違い」です。
希少性のある経験であればそれだけでも他者との違いは生み出せます。
所属していた企業や保有資格、経験年数などを「違い」と見ることもできます。
仕事内容の特殊性や深めてきた領域を「違い」と見ることもできます。
このような他者との「違い」が採用側の着眼点となります。
自分ならではの「工夫」はあったか?
上記のような「違い」をすらすらと書き出せる方もいるでしょうが、思い浮かばない・・・
何を書こうか迷う・・・という場合はどうしたらいいのでしょうか。
そのような場合は、自ら工夫できる(できた)余地がある領域で、自分なりに加えた工夫や、周囲を動かした経験がないか考えてみてください。
例えば営業職の場合、販売する商品やサービスは会社で決まったものがありますね。
チームの構成や勤務地や上司といったものも、自分ではコントロールできない領域であることがほとんどでしょう。
一方、以下のような取り組みはコントロール可能な領域です。
このような介在価値や存在意味を高める(高めた)活動の数々が、採用する側に「違い」を感じさせる要素になります。
「自分ならではの工夫」が「他者との違い」として評価されるわけです。
今回は営業職を例に挙げましたが、他のお仕事でも同じです。
上記のような視点で、振り返りを行ってみてください。
きっと、たくさんの工夫が出てくると思いますよ。
置かれた状況をどう判断し、自己をどのように認識し、どのような取り組みや工夫を取り入れたのか、その内容に繋がりや一貫性があれば、採用側も「再現性のある実績だ」「うちでも活躍してくれそうだ」と前向きな判断が働きます。
職務経歴書は、初めて会う方への「私はこんなことをしてきた者です」という自己紹介であり、「自分をこのように認識しています」という自己認識の開示資料でもあります。
長々と書く必要はありませんが、こうした内容についての記載は怠らないようにしましょう。
内容だけでなく「見た目」も大切に!
最後に、少し細かい話を補足しておくと、履歴書の写真サイズ・各種記載内容の誤字脱字、封筒や用紙の汚れなど、体裁面も無視できません。
清潔さやわかりやすさ、相手のことを考えた対応は好意的に取られます。
経営者や人事などは、こういう細かいところでその人の仕事姿勢や、丁寧さなどを見抜きます。
「神は細部に宿る」
「小事をおろそかにする者、大事をなさず」
といった言葉もあります。
細部へのこだわり、体裁や印象面も手を抜かないようにしましょう。
◾️ 筆者プロフィール
はちさん
早稲田大学卒業後、紆余曲折を経て大手人材会社に入社。
約20年のキャリアを通じて、九州地区をはじめ都内の企業・自治体の採用支援に携わる。
担当業種は多岐に渡り、社長1名の会社から従業員数4万人を超えるグローバルな大手上場企業まで幅広い規模の企業を担当。
採用責任者時代は、年間1,000名を超える採用活動でのスキーム設計・フロント業務・事務作業・面談面接・研修といった採用活動の全工程を一気通貫して経験。
行ったり来たり考えた結果、採用活動支援と人材育成を行う会社を設立。
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