やっぱり子どもには敵わない
(2020/5/30記事 復元)
長男を妊娠中、3姉妹の父である会社の先輩と食事をしながら、子育てについて話をした時のこと。とても記憶に残っている話がある。
先輩「自分の子どもはなぜ可愛いのか?これ昔から不思議だったんだけど、答えが分かった」
私「子ども嫌いでも、自分の子どもだけは可愛いって聞きますもんね」
先輩「小学校の頃から、ニュースで溺れた子どもを助けるために、親も一緒に溺れるってすごく不思議だったんだよね、、」
「答えはね、子どもが可愛くみえるのではなく、子どもが親に対して、可愛く見せてるんだって」
私 「??」
先輩「親に育ててもらうための哺乳類の本能なんだって。俺すごく合点したんだよね」
私 「じゃあ両親の子煩悩っぷりを見て、赤ちゃん達は「よし!」と思ってるかもね。」
先輩「虐待された子は逆に親にベッタリなんだって。子ども賢いよ。目からウロコだよ。」
私「切ない…」
先輩がこの答えに行き着いた本はこちら↓
パパは脳科学者 こどもを育てる脳科学
https://www.amazon.co.jp/パパは脳研究者-子どもを育てる脳科学-池谷-裕二/dp/4861013437
哺乳類は出産時に産道を通るため、機能が全て備わる前に生まれてくると聞いたことがある。
人間に関しては、本当はもう3ヶ月お腹の中にいた方が良いけれど、大きくなりすぎるので、10ヶ月で生まれてくる。
未成熟で1人では生きていけない哺乳類の赤ちゃんは、親に虐待やネグレクトされないよう可愛く生まれてくる。そして親に愛されようと、自分を可愛くみせている。
そして、親は自分の子どもを愛しく思い、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌され、無償の愛を注ぐのだ。それが親になることだ。
出産前の私は、そう思い込んでいた。
出産後、確かに子どもは可愛いくて、自分より大切な存在になった。
毎日子どものことを最優先に考え、自分のことは後回し。子どもの保湿はしっかりして、自分の肌は常にカサカサ。美味しいところは子どもに食べさせ、自分は冷めきったご飯を掻き込む。大好きだった長風呂もたっぷり睡眠も、子どもが生まれて何回できただろうか。川で溺れていたら、すぐにでも泳いで助けに行くだろう。
親になって初めて抱く感情。
さらに母親になって子ども達が教えてくれたことがある。
それは、
子どもの親への愛情の方が深い
無償の愛とは、親から子へ注ぐものだと思っていたけれど、いつも愛情で溢れていたのは、子ども達の方だった。
ふと、そのことに気づいたのは、毎日の長男とのやりとり。
家に引きこもる生活が続き、お互いストレスが溜まってきた頃、ごはん、歯磨き、着替え、トイレも全部「ヤダ!ヤダ!バイバイ!」
こちらもイライラして、叱る必要のないことでも、余裕がなく、感情的になって怒ってしまう。それでも、
私「さっきは怒ってごめんね」
長男「いいよー🎵がっこ(抱っこ🎵)」
私「(父と母)どっちとお風呂に入る?」
長男「かぁーか」
私「どっちと寝んねする?」
長男「かぁーか」
何があっても、私のことを無条件に受け入れる長男。毎晩嬉しそうに私のベッドに潜り込んでピタッと離れない。
毎晩、子どもの為に寄り添って抱きしめていたけど、むしろ私の方が無償の愛に抱擁されていることに気づく。
どんなに怒っても、
どんなに待たせても、
どんなに手抜きご飯でも、
私のことを100%受入れてくれる。
ダメな母親でも全力で愛情を注いでくれる。
それなのに、私はどうしても、ちゃんとしないと!させないと!としつけが先立ってしまう。
自分の器の小ささに毎晩反省しながら寝落ちの日々。
一番大切なことは、
「何があってもお母さんはあなたのことが大好き」
と子どもたちに知ってもらうことなのに。
余計な考えが多い私に比べて、子どもは至って純粋で真っ直ぐ。
寝る前に子どもたちに「今日もありがとう。○○ちゃんはお母さんの宝物。」と伝えるのは、日中の懺悔も含まれているけど、
私が毎日もらっている沢山の温かい気持ちを子どもたちにも伝えて安心してほしい。
これから子どもたちは親よりも大事な人や物がどんどん増えていく。
きっとあっという間に、親離れ、反抗期が来て、巣立ってしまう。
それでも、親はこの先ずっとこどもが一番であることは変わらない。
ふとしたときに、自分は愛されていたという記憶、そしてこの先、同じように誰かを愛せるような人になってほしい。
明日は二人に負けないくらい愛情をたっぷり注ごう。
当たり前の今が、この先きっと宝物のように思う日が来るその日まで。