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腎細胞がんの告知

「あー、がんですね」
 そんなひと言だったと思います、告知。あっさりしてました。
 ひとりで検査結果を聞きに行ったので縋りつく家族もおらず、お医者さまも淡々としていてドラマのような劇的なシーンとは程遠いものでした。

 私も
「あー、そうですか」
 と淡々と返しました。
 なんとなく察してました。お腹のアレががんじゃないかと。

 腎臓出来た腫瘍のおよそ90%はがんだという知識がありました。良性か悪性か分からないけど腎臓に腫瘍があると言われた時点で、検索魔の本領を発揮していましたから。
 でも、さすがに少し動揺はしました。
 家族に心配かけてしまうこと、これから受けるだろう手術、再発に怯えることになるだろうこれからの日々のこと…いろいろ考えると不安に押しつぶされそうになることもあります。

 それでも、一番に思ったことは、小さいうちに見つかって良かった!ということです。

■腎細胞がん診断まで

◆2月21日 人間ドックを受ける
◆肺のレントゲンで影があると指摘される→3ヶ月後に再診へ
◆7月上旬 胸部CT検査を受ける→肺には問題なかったものの、腎臓に腫瘍が写る(大きさ14ミリ)
◆7月17日 造影CT検査
◆7月22日 腎細胞がんの告知
◆8月下旬 手術予定

 人間ドックに助けられました!!
 なぜか腹部超音波検査では見つかりませんでしたが、肺に影があったおかげで再検査となり、それががんの発見につながったのですから。
 毎年人間ドックを受けていますが、今年は病気の当たり年みたいで、胸にも腫瘍が見つかっています。(そのことは別の記事で書いていますhttps://note.com/motomotoko1014/n/n467b87660add )

 最近は私のように、健康診断や人間ドック、あるいは他の病気の検査をしていたら偶然がんが見つかるというケースが増えているようです。腎細胞がんではそんな偶発がんが70%を占めており、早期発見できるため予後も良い傾向があるそうです。

■造影CT検査

 腎細胞がんの確定診断には造影CT検査が欠かせないといいます。
 造影剤を静脈から急速に注入し、短時間にたくさんのお腹の輪切り画像を撮影することで、がんと考えられる部位の血管の様子や周辺の臓器への転移の有無などが調べられます。

 この造影剤なんですが、撮影時、一度失敗してます。うまく静脈に入って行かなかったようで、腕がこんもり膨れてしまいました。そのうち体に吸収されて問題ないってことだったので気にしませんでしたけど。看護師さんは恐縮してましたが、私は自分の腕にコブができたみたいで面白かったです。
 気を取り直して反対の腕から造影剤注入です。勢いよく一気に入れるのですが、この時、体が熱くなってびっくりしました。しかも下半身だったので、私お漏らししちゃったかも…と心配しちゃったくらいです(笑)。検査終わった直後、こっそり触って確認しちゃいました。

■病期と予後

 造影CT検査の結果、正式に腎細胞がんと診断され、医師から病期についての説明を受けました。いわゆるステージとかそんなやつです。
 私の腫瘍のサイズは14ミリ、腎臓内にとどまっています。腎細胞がんは肺や骨に転移しやすいがんですが、幸いリンパ節にも別の臓器にも転移あありませんでした。TNM分類(下の表、国立がん研究センター がん情報サービスHPより)によればT1aN0M0に当たります。

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 私の病期での5年生存率は90〜95%とのことです。
 腎細胞がんは10年以上経ってから転移することもあるらしいので安心はできませんが、心強い数字だと思いました。
 主治医からも「あまり心配しないで」と声をかけられて少し気が楽になりました。

 お笑いコンビのはんにゃの川島さんも私と同じように検診で2センチ腎細胞がんが見つかり、手術を受けたそうです。それが2014年のこと。今も元気に活躍している姿を見て、とても励まされています。

■手術

 手術はロボット支援手術で行うことになりました。ロボット!かっこいい!
 いわゆるダヴィンチという名前の機械です。腎臓の手術では腫瘍が小さくないと適応にならないようですが、私は初期だったので主治医から提案されました。

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 早速調べてみたらダヴィンチの画像を見つけまして、想像以上のカッコ良さにちょっとテンション上がりました(笑)。

◆ダヴィンチの特長
・体内を高解像度3D内視鏡カメラで鮮明に映し、ズーム機能により患部を拡大視野で描出できる
・手ぶれ防止機能が搭載された3 本のアームを術者が自由に正確に操作をすることができる
・人間の手と同等以上の可動域があり、従来の手術では不可能であった複雑な動きができ、精密な操作が可能
◆患者側のメリット
・傷口が小さい
・術中の出血が少ない
・術後の回復が早く、退院時期も早まる
・身体的機能が保てる可能性が高い

 手術は8月下旬です。もっと早く病気を取り払ってしまいたいという気持ちもありますが、乳房の手術も控えていたり病院側のスケジュールの都合もありでこの日程になりました。
 心配なのは新型コロナです。感染してしまったら手術は延期になってしまいます。がんが大きくなるという不安を抱えたまま手術が延期になるなんて耐えられそうにありません。対策をしっかりして万全な状態で手術の日を迎えたいです。その頃には流行が少し落ち着いているといいなと願いつつ。

 


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