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「逆蓮舫やん」というツッコミの秀逸さ

7月23日放送の関西テレビ『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』でのこと。20代・30代女性が選ぶ「付き合ったら疲れそうなのは誰?」ランキングをスタジオメンバーの中から当てるという企画の予想で、一位にされたかまいたちの山内がいつもの亭主関白キャラでボケ、それに対し、千鳥のノブが「逆蓮舫やん」とツッコんだ。

自身の「プレゼントは元々俺の金」発言に関して
濱家の「なんでお前が外から(金を)持って来てるの?」に対して

蓮舫イジりに関しては、直近だとデーブ・スペクターがXに投稿した「蓮舫がテレビ司会者に転身→ヒステリーチャンネル」というポストがあった。これはAXNの「ミステリーチャンネル」と蓮舫のパブリックイメージを掛け合わせたダジャレだが、蓮舫が咄嗟に引用で反応してしまうほど、捻りがないと言わざるを得ない。

その他には、6月30日放送のTBS『サンデージャポン』での、太田光の「蓮舫さんは怖い怖いと言われてるから笑うようにしてる、あの笑顔が怖いんだけどね」や、よくあるものでは「二位じゃダメなんですか」イジりなどがある。

個人的には、蓮舫はあまり評価していないし、都知事選での選挙活動についてもほとんど歓迎できるものではなかったが、こうしたイジりは品のあるなし以前に、凡庸でつまらないと感じる。

対して「逆蓮舫」はどうか。「(外から金を持ってくるのは)男やからや」「女は家を守る」といった、山内の時代に逆行した男尊女卑発言に対して発せられた流れから、その逆と言われた蓮舫は好意的に捉えられる。男から自立していて、バリバリ働くイメージ。女性の社会進出の象徴。都知事選で掲げた七つの公約の内の一つ「もっと多様で生きやすく」……。

ただ、「逆蓮舫」が面白いのは、別に蓮舫を好意的に扱っているからではない。意味的にそうは取れるが、「逆」というところに悪意が仕込まれているから面白いのだ。

政治家としての彼女は、いつも何かの反対でしかないと映りがちだ。事実として、今回の都知事選であれば、反・小池都政を中心に打ち出していたわけだし。

「逆蓮舫」というワードは、男尊女卑ど真ん中で時代遅れなキャラである山内の「逆」であることで、彼女を好意的に持ち出しつつも、その「逆」というワードによって、多くの視聴者が抱いている「反対」のイメージを咄嗟に引き出した。

今回のノブの「逆蓮舫やん」というツッコミは、「逆」というたった一つの言葉で、二重のイメージを立ち上がらせ、高度な風刺として成立させた秀逸なものだった。男尊女卑的な古い価値観の逆であるものの、その逆でしかないところから脱しきれないという、政治家としての彼女の弱点を突いた。

小学生曰く、ブサイクなのに喋り過ぎていて、インスタのフォロワーが多いけど投稿はしょうもない、腹パンで倒せそうなノブだが、「逆蓮舫」は「お貧しい」以来のクリティカルワードが出たと思う。

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