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音楽よ、人を生かせ 〜第2回〜 たかはしほのか「shisyu-」(2024/11/07)@ルーテル市ヶ谷ホール

第2回はどうするのか悩んだ。他にもいくつかのライブに行っているし、とてもよいライブにも出会っている。しかし、しかしだ、考えれば考えるほどこれしかないと思う。リーガルリリー一辺倒にならないようにしたいのだが、書きたいのだからしょうがない。

「shisyu-」

1.ライブ概要

リーガルリリーのVo/Gtのたかはしほのかさんのソロ弾き語り「shisyu-」である。
大阪と東京の2箇所で行われた。

大阪 島ノ内教会
東京 ルーテル市ヶ谷ホール

どちらも教会でのライブである。キャパは大阪100人、東京200人とかなり少ないため、行けた人はラッキーであると思う。
弾き語りのため一人であるためいつものバンドセットとは大きく違う。

東京会場(ルーテル市ヶ谷ホール)について

以下HPより引用です。

祈りの響くホール
ルーテル教会はJ.S.バッハ、メンデルスゾーン、ブラームスなど著名な作曲家が属した、音楽とのゆかりの深い教会です。
当ホールは、そのようなルーテル教会が心を込めて提供する、本格的音楽ホールです。
残響音1.45秒の音響の良さに加え、教会として人々が喜び悲しみを込めて捧げる祈りを包み込んできた厳かな雰囲気が、みなさまを音楽の感動にいざなうことでしょう。
スタインウェイD-274、スタインウェイC-227、ベーゼンドルファー225の3台のピアノ、著名な制作者の手による
チェンバロとオルガンといった、ホールにふさわしく厳選された楽器たちが、さまざまな音楽をお手伝いします。
ステージは、小規模なオーケストラを収容するに十分な広さを持ち、教会での礼拝時には聖壇として用いられるため
客席との距離感・一体感のバランスが絶妙です。
近年増加している同時配信や録音・録画に備え、各種録音機器や高速通信回線(NURO)を備え付けております。
ご自身の機器をお持ち込んでのご使用も可能です。
空間に満ちる祈りの響きを、感じてください。

”ルーテル市ヶ谷ホールHP ホールについて”より https://www.l-i-c.com/hall/about/


会場の雰囲気です。

外観
kirinさん
ステージ

普段のライブハウスとは違って厳か雰囲気で本当によいですね。もちろんスタンディングでのライブハウスは何者にも代えがたいですが、ソロ弾き語りをこのような会場で開催して、異世界体験をさせてくれたことに感謝です。席も幸いにも前の方を取れたので近くで見ることができました。

大阪には行けてないのですが、同じような感想を持つのではないでしょうか。
※座席に傾斜がついてく後ろの方は見えなかったと聞いていますが雰囲気は同じようなものであったと確信してます。

2.セットリスト


バンドセットとは大きく違い、いつもの曲をやったりやらなかったりであり、さらにはレア曲も登場した。

01. アルケミラ
02.
高速道路
03. 60W
04.
リッケンバッカー
05. 1997
06.
ジョニー
07.
ハナヒカリ
08.
管制塔の退屈
09.
教室のドアの向こう
10.
惑星トラッシュ
11.
ムーンライトリバース
12.
ぶらんこ
13.
キラキラの灰
14.
こんにちは。
15.
子守唄のセットリスト(東京のみ)
--
アンコール
EN.
蛍狩り

「子守唄のセットリスト」は東京のみの演奏である。
02や06、10はレア曲。08は昨年の【where?ツアー】以来か。15ももちろんレア曲である。
普段ある曲でないのが「GOLDTRAIN」「東京」「ハイキ」「17」。
昨年の弾き語りでは未発表曲の「コーンポタージュ」やカバー曲があったが、今回はお預けとなった。
曲順での一番の注目点はリッケンバッカーの順番であろう。いつもは最後近辺、最近はアンコールであるが今回は4曲目である。全体構成を考えたときに〆の曲ではなく、前半に持ってくることを選んだというのは一度盛り上げて、その先につなげる役割を担わせ、セットリストの力点を別の曲に持って行きたかったということだと思う。

各曲ともアコースティックのアレンジのため、バンドセットとはかなり違った味わいであった。私的には一番の驚きは「60W」だ。いつも聞いているヘヴィなディストーションを効かせたアップテンポなものではなく、スローな流れで同じ曲でもまた違った印象を受け、この先の期待感を感じさせる1曲でもあった。

自分的泣き所は11. ムーンライトリバース、12.ぶらんこ、13.キラキラの灰。そして案外04.リッケンバッカーだったりする。ハンカチreadyで臨んだのだが、大正解であった。

3.照明


東京公演でのもう一つの見所は照明による演出であろう。
教会での演奏であったことから薄ら明るい中で厳かな雰囲気での演奏だと思っていた。
ハナヒカリでバックに無数の星が輝いたのである。なんと感動的なのであろうか!
ぶらんこの月、キラキラの灰のキラキラなど、キラーパスのごとく突き刺してくる光の演出であった。
本演出は佐藤円さんとのことで、本当に曲、雰囲気にあって感情の高揚を煽るものであった。

4.感想

環境、 照明、演出と最高の環境であり、そこで聞く最高の音楽と演奏であったのは想像に難くないと思う。
それだけでなく所々にぐっとくるものがあるのがあるのがリーガルリリーでありたかはしほのかなのだ。
リッケンバッカー然り、ムーンライトリバース然り、キラキラの灰然りである。泣き所は聴く人によって、そして聴くタイミングによって違うのであろう。上記3曲にとどまらずぶらんこももちろんである。近くにいた方々には自分が鼻をすする音が鬱陶しかったのではないかと申し訳なかったぐらいだ。

その中でも特に推したいのはムーンライトリバースだ。リリースされて日が浅いが、ストレートな歌詞、韻の踏み方、外部プロデューサーなど大きな変化をもたらし、これまでの曲とは一線を画しているように思える。音原版、バンドセットに加えてアコースティック版はまた一味も二味も違って感情の揺さぶり方がゆっくりとそして大きいものであった。

惜しむらくは管制塔の退屈で“らーらーらー”が歌えなかったことだ。弾き語りのなのでしょうがないのではあるが、これは今後のバンドセットでのライブに期待である。

5.セットリスト考察


第2回のメインはセットリスト考察である。

5.1 考察するにあたって


「shisyu-」では詩集、刺繍、死守の意味を込めたと言っており、セットリストも盛り上がる曲ではなく、つなげることを考えたと伝えてくれた。
ならば自分なりにセットリストの解釈をしたいと思う。
ただしこれは私の思うところであり、他の方は違う解釈をするかも知れない。それこそほのかさんの歌詞に対する考えと同じなので他の解釈もぜひ聞きたいところである。

5.2 解釈のキーポイント

以下6点をキーポイントと考えた。

  1. shisyu とは詩集、刺繍、死守

  2. インスタでのほのかさんメッセージ

  3. SE 高木正勝 かがやき、かみしゃま

  4. MCのタイミング ー セトリの節目

  5. 演劇みたいとのコメント

  6. なぜ東京公演では1曲子守唄のセットリストが多いのか?

必ずしもキーポイントでないかもしれないが、状況を推察することで理解が深まると思う。

5.3 キーポイント① ツアータイトル「shisyu-」


ほのかさんのMCより「shisyu-」には3つ意味
を持たせている

詞集詞のの集合体
刺繍編んで形にしていくもの
死守絶対に守りたいもの、お守りみたいなもの

この中で一番最初に思いついたものが一番重要なキーワードだと思う。重要なワードをどこに配置するか?この場合は3番目だと考える。すなわち“死守”である。
今年の大きな出来事として見えている範囲ではアルバムリリースと体制変更であろう。特に後者はメンバーがいなくなるので物理的にも影響がでかい。今年1年のスケジュールを振り返るとアルバムリリースがもっと前だったのではないかと思う。その想定外の事態をどうするのか考えたときに守るべきものとかんがえたのではなかろうか。4月のクアトロで「リーガルリリーとは生命体」との言葉通り死守したかったのではなかろうか。そして守りたいものを受け継いでお守りみたいなものにしていきたいと想像する。

5.4 キーポイント②インスタ

ライブ後のメッセージはインスタのみに投稿された。

注目したいのは
「形にすることができない」
「お守り袋にいれた」
「ライブへの道を歩いてきた足跡の線」
深読みして、今までを通してほのかさん自身が大切にしている何かを認識したのだと思う。
ライブへ来るために歩いてきた道、物理的なものとも取れるが、時間的な観点で捉えたい。やはり起点は3月18日なのではないかと思う。というよりも自分はそう思っている。大きな転機から今日この時を迎えた、それまでの軌跡で一人ではなく一緒に歩んできた道だと感じている。

5.5 キーポイント③SE

SEは高木正勝さんのものであったとのこと(すみません、存じ上げませんでした)。
野原で遊び回るこどもの雰囲気を感じた。こどもの頃の思い出か、これから始まる演奏がとても楽しいものである予感をさせる音楽的なであった。どこか懐かしさを感じ、今まで守ってきたもの大事にしているものを呼び起こすものであった気がする。

5.6 キーポイント④セトリの切れ目

MCのタイミングは
04と05の間
08と09の間
12と13の間
の3回である。
01 - 04
05 - 08
09 - 12
13 - 14
MCを無意味に入れることは無いと思うので、この4セクションに分けて考えるのが適当だと思う。

5.7 キーポイント⑤演劇みたい

Xのポストで「演劇みたい」というのを見た。
これと5.6を合わせて考えると起承転結になっている、もしくは4セクションからなるショートムービーみたいに考えても良いのでは無いだろうか。
1編プロローグと終末や死、離別
2編誕生、再生、出会い
3編旅立ち、出発
4編エピローグ
このようなイメージを持った。

5.8 キーポイント⑥東京と大阪の違い

東京公演では大阪公演に対して1曲多い。それが「子守唄のセットリスト」であるから東京公演に行った身としては非常にラッキーであるが、大阪公演しか行かれてない方に対しては申し訳なくもある。
それはさておき、何故東京公演「だけ」1曲多くしたのか?これは確信犯だと思う。つまり大阪と東京を1セットで考えて、アンコールを除いての大トリとして「子守唄のセットリスト」を持ってきたのではないか。
今回のセットリスト考察はこの仮定の下進める。

5.9 セットリスト考察本編

まずこれは4編 × 2回 + 1曲と考える。 +1曲はもちろん東京公演の15曲目「子守唄のセットリスト」である。この中で重要であろう、歌詞を一部抜粋した。

[起]帰還
01 : 異世界からの帰還。
      おやすみ、異世界、さようならさ。
02 : 発展都市の光で空の光を飲み込む。
       それを照らす微笑むお月様。
03 : しょんぼりとした若者が立っていた。
       街の星は見えなかった。
       ぼくはずっと寂しかった。
       この街の光になった。
04 : 明日に続く道が今日で終わるなら
       このまま夜は起きない
      リッケンバッカーも泣く 
      おんがくよ 人を生かせ

[承]生還からの旅立ち
05 : 最終列車飛び乗って 孤独だった世界で 
       片道切符を無くさないように
06 : さぁ、僕らは帰ろうか ばかばっかの戦場に
07 : 飛び交った戦闘機 
       光る君はあれに乗らないで
08 : 夕日をみてた 言う人もなくて 
        言うことも無くて

[転]旅立つ人を見送る
09 : あの日の君は笑うかなぁ
10 : 1人の帰り道で2人が繋がっていたい
11 :  好き 好き 好きだよ 月より好きだよ
12 : そらにはもう、もどらないつき

[結]別離
13 : あの日を 君を 二度目はもう離さないよ
14 : 惜しみない拍手が聞こえる 
      君は身支度を終えて
   さようなら 早く行かなくちゃ ベルが鳴る

[エピローグ]
15 : 朝と夜が手をつなぐいつも離すことなく

これで物語が成り立っているのではないかと思う。
人とのつながりを大事に思い、でも別れなければならないこともある。それでも繋がっていたいと願い、お互いにセットリストとして大事にお守りにしていく。大阪で始まり、東京でリプライする。大阪 - 東京とつないで一つの物語にしたのだと思う。。ぜひ(01-14)x2セット+15の計29曲をセットリストとして聴いてほしい。そして大阪・東京を両方体感された方々が非常にうらやましく思う。

リーガルリリーのセットリストはとても考えられている感じがするので考察するのがとても楽しいですね。

🦕🛸 🌌 ❄️🥶 🪼 ✈️ 💎 🩻



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