MY17KTM250EXCに乗り続けてるオタクの文章練習③
バイクがヤレるのが早ければ飽きが来るのも早いHEDライダー諸兄、いかがお過ごしでしょうか?
皆さんが平均2~3年で乗り換えてる印象を受ける中、17EXCに乗り始めて丸5年経ち、平均よりは長く同じバイクを乗り続けていると自負しています。
その5年間で色々なパーツを付けたり外したりしてきたので紹介していきたいと思います。今回はサスペンション編
フロントサスペンション
XPLOR48
可もなく不可もなくなEXCモデル純正サスペンション。減衰は左右独立(左サスCOMP右サスREB)、6DAYSのみプリロード調整可能。
個人的には初期の入りが早い感じがしたので後からリバルビングで調整しました。
ただXPLOR48は構造上(シムの枚数が少ない?)そこまで特性を変えられないらしく、ちょっと良くなったかな?という感じでした。今考えるともしかしたらバネレートを1つ上げたほうが良かったかもしれません。
ちなみに17年式以降からスタンダード、6DAYS両方とも同じサスペンションになりました。16年式以前は6DAYSに高性能モデル(という立ち位置)の4CSが付いており結構な差別化が図られていたのですが、17年式以降は同じサスペンションになってしまい、あまり6DAYSの優位性というものを感じなくなってしまいました。
AER48
KTMのMXモデルであるSX,SX-FやXCモデルであるXC,XC-Fでも採用されている純正エアサスペンション。減衰は右サス、バネレートは左サスで調整。
EDライダーにはあまり馴染みのないエアサスですが、ポン付けでEDモデルであるEXCにも流用することが出来ます。
国産MXモデルにも一時期採用(KYB,SHOWA)されていたエアサスですが、周回を重ねて温まってくると内部の空気が熱で膨張してバネレートが滅茶苦茶高くなって棒のようになるなんて話もあり、エアサスからバネサスに変えるのがMXライダーの定番だったようです。
ただそこは亀よりも遅い速度、時速5mの世界に住む我々HEDライダーには熱膨張など一切関係なく、簡単にバネレートを変えられる便利なサスペンションです。
元々は以前友人から譲り受けたMY19 KTM125SX ED仕様(通称SAKA-X)についていたリバルビング済のAER48の感触が良かったので、去年たまたま安く出品されていたAER48を購入、リバルビングを依頼して当時乗っていたMY19 150XC-Wに組み付けて、HEDやXCに参加していました。
リバルビングを依頼したサス屋さんにおすすめされたセッティングが、あまり減衰を初期から弄らずエア圧(バネレート)を調整して合わせていく方法だったのですが、確かにエア圧調整だけでXC(7.4bar)とHED(7.0bar)と使い分けが出来るサスになっており、感触がよく使い勝手の良いサスだなと感動しました。
AER48は内部にバネが存在せず、XPLOR48と比べて1kg近く軽かったので、ただでさえ軽い150XC-Wが更に軽くなりヒラヒラ感が増してとても楽しいバイクになってました。(色々軽量化して半乾燥重量で94kg)
エアサスはエアを抜くとフロントサスが縮みます。なのでルーフ高の低い軽バンやミニバンに積むのにもタイダウンでフロントサスを縮める必要がなく簡単に積み込むことが出来ます。ちょうどその頃にキャラバンからステップワゴンに乗り換えた筆者にとっては大きなメリットでした。
勿論デメリットもあり、大体の人が嫌がる点が、「走行前に毎回エア圧の確認・調整をする」必要があります。空気なのでどうしても内部から徐々に抜けていきます。AER48は最低エア圧が決まっていてそれを下回った状態で乗っていると内部の部品が破損するらしいのですが、HED運用でそもそも下限付近のエア圧に合わせていたので毎走行前に確認・調整していました。
この確認・調整がまた面倒で、左サス上部にタイヤバルブを同じものが付いておりそこに空気入れの口をねじ込むのですが、ハンドルやバーパッド、クラッチホースなどがあり手を入れにくく、バルブキャップを外すのも空気入れの口を取り付けるのも中々難儀します。
XPLOR48と違ってそのまま乗り続けることが出来ない、正にレース向けのサスなので公道も走れるEXCとSX,XCで住み分け出来てるなーと感心してます。
ちなみにAER48はXPLOR48に比べて全長が長く、EXCにAER48をそのまま付けるとフロント上がりになり捲れやすくなるので、通常の突き出し量(2目盛分)ではなく3目盛程突き出すと結構いい感じになります。AER48を付けたいという方がいるとは思えませんが参考までに。
リアサスペンション
XPLOR PDS
KTMの誇るリンクレスサスペンション、しっかりトラクションする感じはKTMならではの感触です。
ただリンクレスの良さは色々書けますが、17EXCに付いているXPLOR PDSについては特筆することはないかなという印象。
WPパワーパーツにブラダ(リザーブタンク内のガス圧を調整するゴム膜)キットがあり、交換するとちょっと乗り味が良くなるという話を聞いたことがありますが詳細は不明。
プロサス
KTMライダーの最終兵器XPLOR/XACT PRO(以下プロサス)。「猫に小判、豚に真珠、筆者にプロサス」と言っても全く過言ではないのですが、筆者は意味もなく不要な高性能サスを入れたくなるオタクなので昨年の半ばに導入しました。
超高級高性能サスペンションであり筆者のレベルでは絶対に必要がなく、「なんか凄い!滅茶苦茶良い!!以上!!!」で感想は終わってしまうのですが、勿論それでは文章練習にならないのでつらつらと書いていきます。
XPLOR PRO 7548 Cone valve (Front)
。減衰は左右上下4か所で調整のオーソドックスなタイプ。XPLOR48がオープンカートリッジに対してプロサスはクローズドカートリッジになります。
普通のXPLORと何が違うのかと言えばコーンバルブなるものが採用されています。どんなものかと言えば「ゴツゴツ感が大きく低減する」機能を持っています。
乗ってて思うのがガレの安定感。特にガレ区間で加速する必要のあるヒルの助走なんかはゴツゴツを感じないので路面を気にせずアクセルを開けることが出来るのでかなり楽になりました。
ちなみに24年式以降のXPLOR48では純正サスを組み替える形で使用するプロサスカートリッジキットが販売されています。23年式以前にもカートリッジキットはあったのですが24年式からはなんとコーンバルブを採用、フォーク丸ごと買うよりもかなりリーズナブルにコーンバルブを導入することが出来るようになりました。
XACT PRO 7746 TRAX (Rear)
今となっては前後ともXPLOR PROという名前ですが、一つ前まではリアサスはXACT PROという名前でした。
筆者が購入したのはXACT PRO TRAX、この後XACT PRO SUPER TRAX、XPLOR PRO SUPER TRAXとモデルチェンジしています。
TRAXとは何ぞや?という話ですが簡単に言えば、「リアタイヤが浮いた(荷重が抜けた)ときに勝手に地面に接地させてくれる機能」の名称です。
TRAXの説明を読んで筆者は「リバウンドを弱めれば近い動きするのでは?」と思い、純正リアサスのリバウンドを全抜きにしてヒルクライムをしてみました。リバウンドを全抜きにすると縮んだバネが最速で元の長さに戻ろうとしますので、ギャップで跳ねた際もすぐにタイヤが接地しトラクションしてくれて、予想通りTRAXに近い効果が確認出来ました。
ただし、その動きが下りのギャップを踏むたびに起きるのですが、完全に後ろから押されるような動きでいつ前転してもおかしくない、不安定な状態になります。筆者は下りが大の苦手で案の定ヒルを下る際にとんでもないことになってしまい二度とリバウンド全抜きにはしないと誓いました。
普段はリバウンドを効かせつつも、ギャップで浮いたときにタイヤを接地させトラクションさせてくれる、TRAXはそんな機能です。
そんなグレートな機能のTRAXが付いたXACT PROですが、自分のモデルには欠点もあります。それが「リバウンドアジャスターが何故かロアマウント内側にある」と言う点です。簡単に言うと「リバウンドの調整のたびにリアサスを外す」必要があります。中々面倒なのですが筆者はそこまで頻繁に調整しないのと、リンクレスですぐにリアサス外せるのでそこまで気になってはいません。
次モデルのSUPER TRAXからは外からリバウンド調整ができ、かつTRAXの効きの調整できるようになっているので中古で買おうと思っている人はSUPER TRAX採用モデルを買いましょう。
プロサスの欠点?
パーフェクトなプロサスにもデメリットがあります。それは、吊るしのままだと「滅茶苦茶脚付きが悪化」します。
巨人族寄りの筆者(182cm)ですが、結構ギリギリです。どう考えても日本人には向いてません。特に昨今のローダウンブームに慣れたライダーにはかなり辛い脚付きになってます。
じゃあローダウンすればいいじゃんと考えるところですが、何故かローダウンキットが存在しないので簡単にはローダウンできません。正直出来なくはないですが、しようとすると結構お金かかります。多分ワンオフ?
筆者はとりあえず突き出しを増やしたりサグを多めに取ったりして気持ち下げています。なんか安くできるローダウン情報あったら教えてください。
あともう一点、こちらは欠点と言うほどではないですが、OHする為の治具が簡単には手に入りません。
プロサス購入後、行きつけのバイク屋にOHとリバルビングを依頼したのですが、分解するための治具が特殊な形状らしく簡単には手に入らないとのことで色々手を尽くして貰ったのですが、結局筆者が治具図面を引いて加工業者にて治具を作成しました。勿論WPプロショップにお願いすればこんなことにはならず、特に問題なくOHしてくれると思います。
あとプロサスは高いです。が、2023年以前と2024年以降でサスが共用できなくなったらしく、今までプロサスを付けていたライダーが24年式に乗り換えて安くヤフオクなどに放出しているのを見る機会が増えました。
筆者も前後で40万と新品の半額程度で買ったので当分23年式以前に乗ろうと思っているライダーは購入を検討してみてもいいと思います。
(ちょっと前までKTM京都がやってた23年式新車で買うと前後プロサスが滅茶苦茶安く買えるキャンペーン、買えた人が羨ましいです…)
結局何が言いたいの?
プロサスはいいぞ!!
以上。
また仕事したくなくなったら何か書きます
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