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NGOって何だ?国際協力NGOの基礎知識

テレビや新聞でもよく目にするようになったNGOという言葉。

しかし「NGOって一つの組織じゃないの?」「ボランティアのこと?」と思っている方も多いように感じます。知ってるつもりのNGOの基礎知識についてご紹介します。

NGOとは、Non-Governmental Organizationの略語で、1945年国際連合憲章で使われたのが最初です。日本語では「非政府組織」や「民間団体」などと訳されています。国家の枠を越え、経済的利益をめざさない、市民が自発的に参加、運営する草の根の団体を意味します

似た言葉にNPO(Non-Profit Organization=非営利組織)がありますが、NGOは政府の活動、NPOは企業などの営利活動に対する言葉として使われます。日本では、NGO は国際的な活動、NPOは国内の福祉などというイメージを持たれていますが、必ずしも正確ではありません。 

日本の国際協力の始まりは、1938年にキリスト教信者が中国で行った日中戦争の被災者や難民への医療支援です。そして、1950年代から1960年代、公害、同和、原水爆、安保などの社会問題解決に市民が団結したことで、市民活動の環境が整えられます。

日本で国際協力NGOが本格的に活動を始めたのは、1979年からのインドシナ難民大量流出が問題になった時期です。難民救済団体が相次いで設立。その後、支援対象が拡大し、活動の幅も広がったのです。また、団体数も急増。1980年当時は、約50団体でしたが10年後には200団体以上になります。欧米のNGOが日本に拠点を置いたり、NGO間のネットワークを構築する団体も見られるようになりました。

1990年代には、環境問題が広く認知され、NGOへの関心はさらに高まります。しかし、バブルが崩壊し、多くの団体で財政状況が悪化。補助金や助成金は増えたものの、会費・寄付金などを得る努力・能力が一層必要となりました。同時に社会から会計の透明性や説明責任が厳しく問われるようにもなりました。

日本では現在、約400団体のNGOが活動しており、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」によって特定非営利活動法人として社会的な認知を受ける団体も増えてきました。

日本のNGOは世界各地で、教育、医療、職業訓練、植林、政府や国際機関などへの政策提言や平和構築など多岐に渡る支援活動をしています。主な支援方法は、資金助成、物資供給のほか、人材派遣や人材育成など。支援先に日本人駐在員を置く団体や現地のパートナー団体などを通じて活動する団体があります。

日本国内では、市民に問題を提起したり行動を呼びかけるために、情報提供や教育サポートなど実に多種多様な活動をしています。支援先の産業の発展につながる草の根貿易も着実に広がっています。

代表的なNGO
発展途上国の開発支援や貧困問題、地球環境問題、人権問題や平和維持協力など、様々な目的・役割を持ったNGOがあります。日本の代表的なNGOには、以下のようなものがあります。

アムネスティインターナショナル
1961年に発足した世界最大の国際人権NGO。人権侵害のない世界を願って取り組んでいます。女性や子どもの権利、企業の社会的責任、難民と移民の権利、死刑制度の廃止など多岐にわたります。その功績が認められ1977年にはノーベル平和賞を受賞。現在は世界で700万人以上がアムネスティの運動に参加しています。
グリーンピース・ジャパン
世界的な規模での環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGO。本部(グリーンピース・インターナショナル)はオランダのアムステルダムにあり、世界40カ国以上の国と地域で活動しています。現在は主に気候変動(地球温暖化)、エネルギー問題、遺伝子組み換え問題、海洋生態系保護などを行っています。
WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)
WWFは地球の自然環境の悪化を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を築くことを使命に、世界約100カ国で活動している環境保全団体です。地球温暖化問題や、野生生物の保護、森や海を守る活動をしています。
日本赤十字社(JRCS)
第1回ノーベル平和賞を受賞したアンリー・デュナンが提唱した「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」を理念に、世界中で戦争・紛争犠牲者の救援をはじめ、災害被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業などを幅広く行っています。世界187の国と地域に広がる赤十字社・赤新月社のネットワークを生かして活動しています。
日本ユネスコ協会連盟(NFUAJ)
日本ユネスコ協会連盟はUNESCO憲章の理念に共鳴して設立され、現在は全国約270のユネスコ協会の連合体として様々な活動を行っています。学校に行けない子どもたちに読み書きを教えたり、世界遺産の修復活動などが主な事業内容です。
日本国際ボランティアセンター(JVC)
1980年にインドシナ難民(ベトナム・ラオス・カンボジア)の救援活動を機に発足。現在はアジア、アフリカ、中東で活動している国際協力NGOです。物資支援ではなく、現地で暮らす人々が自立的に生活を営んでいけるよう、研修などで智恵を授けていく「地域開発」のほか、紛争など困難の中に生きる人々の命と生活を守る「人道支援」、平和な社会を作るための「政策提言」などを行っています。日本の震災被災地の支援活動にも取り組んでいます。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)
セーブ・ザ・チルドレンは、「ジュネーブ子どもの権利宣言」の草案を起草したことで知られるエグランタイン・ジェブによって1919年に創設された子ども支援団体です。「子どもの権利」が実現されている世界を目指して活動しています。30のパートナーと約120カ国ものネットワークを有する世界規模のNGO団体です。

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