宇都宮に路面電車が新設されるらしい
宇都宮に路面電車が新設されるらしいです。戦後の路面電車の新設は初めてです。
路面電車は高度成長期にマイカーが普及するに従って、交通渋滞の原因になるといって市民に嫌われ、徐々にその数を減らしていきました。その後、更なるマイカーの普及や路面電車が多く存在する地方都市の地下鉄開通や人口減少などを通じて路面電車の数はとても少なくなっています。
しかし、宇都宮では逆に今こそ新たに路面電車を新設するそうです。その理由は一体なんなのでしょうか?
その鍵となるのは立地適正化計画です。
立地適正化計画は、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等のさまざまな都市機能の誘導により、都市全域を見渡したマスタープランとして位置づけられる市町村マスタープランの高度化版です。 国土交通省
要するに無計画に広がってしまった居住地域をまとめて、水道や公共交通などのコストを下げたいということです。
都市の人口が減少し税収も減少する中で、出来るだけ支出を抑えるために立地適正化計画は多くの市町村で活用されています。
しかし、移動してくれと言われても住み慣れた場所を移動してもらうのは至難の業です。そのために、たくさんの市町村がそれぞれの工夫をしていますが、宇都宮はその一環で路面電車を敷設するのです。
路面電車が立地適正化に役立つ例としては富山県富山市が挙げられます。
富山市には古くから路面電車が存在していましたが、本数も少なく利用もあまりありませんでした。
そんな中、富山市は多くの市町村が路面電車を廃止する中、あえてその路面電車の路線を改良し、本数を増やすことで利便性を高めました。そうするとみるみる利用客数が伸び、路面電車沿線に人が集住するようになったのです。
※電車本数が少ないから人が利用しないという仮説は、富山市の場合当てはまりました。
※もともと、路面電車沿線に人が多かったことも、この成功の要因にあります。そのため、他の都市での再現性の存在については疑問もあります。
その富山市を参考に、宇都宮市は「新たに」路面電車を敷設して、都市機能を集めるという壮大な実験をしようとしているのです。
さて、この実験はうまくいくのでしょうか?果たして路面電車を通じた立地適正化はうまくいくのかどうか皆さんも注目してみてください。
ではまた。