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私とsacai|プリキュアだったら、何を着る?


私がプリキュアだったら、何を着る?

前置きが少し長くなる。

ちょうど1年前の2023年12月、るりしまさんからお勧めしてもらった本がある。

プリキュアを初代から最新(この時はひろがるスカイ!)まで振り返り、各シーズン毎キャラクターのコスチュームをまとめた
プリキュアコスチュームクロニクル

私ももちろん読んだけど、
プリキュア箱推しの長女もハマり、
姉の影響でプリキュアに興味を持っていた次女もまんまとハマり、
なんと声優オタクの夫もハマった(歓声上げながら読んでた。なんなん)。

寝かしつけの本として寝室に持ち込み、
このキャラクターだと言われれば決め台詞を放ち、
コスチュームの説明をした。

おかげさまでもうボロボロ。

カバーはどこへ?

そして2024年の元旦はプリキュア展を見るために横浜に行った。

そもそもは冬休みで体力と時間を持て余した長女を外で遊ばせるためだったが。

いざ展示を見て、壁に貼り付けられた作画、設定資料に圧倒された。

敵に攻撃されたときでも踏みとどまるため、大きめに描いた靴。
キャラクター毎に細かく異なる制服の着こなし。
豊かな表情。
可愛く、でも強く。
性差に囚われず、自分の夢を掴めるように。
自分の足で凛々しく立つ。

長女にバレないように、ほろほろほろと静かに泣きながら展示室を回った。


この日から一年、心の中でずっと考えてきた。

私がプリキュアだったら、何を着る?


概念・プリキュアになれる服

とはいえ突然甘めの服を着るはずもない私。
2024年の春は自分に合うさじ加減の甘さのお洋服を探した。

高身長でも着られそうな甘めファッションを探して、新宿ルミネまで試着しに行ったり、オンラインで買ったり(すぐ手放してしまったけど)。

ちょうどバレエコアが流行していて、世の中にフリルやチュールのついたお洋服がたくさん出ていたのも良かったのかもしれない。

けどいくつか着てみて思った。


プリキュアの概念コスプレするのでは、自分は恥ずかしくて、外に着ていけない。

私のプリキュアは、これじゃない。

プリキュアの真似をしたって、プリキュアにはなれないんだ。


sacaiとの出会い

話は少し前、2023年夏に遡る。

夏子さんと横浜でアフタヌーンティーをした帰りに寄った元町のバーニーズニューヨーク。

「絶対似合うと思います!」と言ってくれる優しくて可愛くて明るい夏子さんの勧めもあり、
初めてsacaiのお洋服に袖を通してみた。

定番のジレと冬シーズンに向けて販売されたばかりのボアのついたジャケット。

似合う!と言ってもらったけど、自分にはなにかが違った。

かわいいけど私の普段の生活には合わない。

自分の今の生活にはジレも必要なければ、ボアのついたジャケットは冬の公園ではホコリを巻き込みくっつきむし(オオオナモミ)の餌食になる。

ご参考)オオオナモミ 金沢動物園公式サイトより

その場では笑って帰ったが、電話して取り置きしてもらうか悶々と1週間以上は悩んでた。


だって真夏に冬服だぜ?

くっつきむしがたくさんつきそうなジャケットだぜ?

私が休日メインで過ごす場所は公園なんだ。
ホコリとくっつきむしと戦える服じゃないと。


けれどその後もsacaiというブランド自体がどうしても気になり、2024年の初夏は青山本店にも行った。

どうしても気になるワンピースがあって行ったのだけど
見事になんだか似合わず、すごすごと退散した。


ここ数年、数多のブランドでした試着でわかったことがある。

私は黒の透け素材が好きなのと、
秋冬はふわふわもふもふが好きなのと、
sacaiのお洋服は他のブランドと比べて比較的規格が大きいこと。

けどサイズが合うからと言って、
ただ履けるのと履きこなせる、似合うは違う。

違う。何かが違うんだ。


そして。

これまでの試着を通してうっすらと気付いていた。
sacaiの服を着ると誰かがささやく。

お前は強くなりたいのか、と。
お前は強さが欲しいのか、と。

え、何?誰?誰なの?


満を持しての秋冬シーズン

2024年8月。

秋冬シーズンの服が立ち上がったことに気づく。

伊勢丹に試着に行くと、そこにはsacaiのルックでずっと気になっていたニット(白)の色違い(黒)がかけられていた。

黒の透け の もふもふ

一体どこに着てくんじゃい!?暑いんかい!?寒いんかい!?って突っ込みたくなるお洋服。

思わず店員さんに声をかけ早速試着。
素敵。かわいい。最高。
似合ってんのかなこれ。
けど今まで着たsacaiの中で一番似合っている気がする。

その時、誰かが頭の中ではっきりと囁いた。

お前は強くなりたいのか。

ここ最近考えてきた。
本当に私は強さが欲しいのか、と。
強さなんてなくても、生きていけるのではないかと。
自分だけが頑張っているように感じてしまい、嫌気がさし、
強く生きることに酷く疲れを感じていた。

強く生きることは、怖い。

けれど、

試着室でこの服を脱ぎたくない、と願う自分もいた。

けれどお値段。
生活に合わない服。
扱いきれないであろうニットのボリューム。
その場では決めきれず、お店を去った。

私がプリキュアだったらこの服を着る2024冬

それから何度か試着に行った。
不思議と、毎回真っ先に見つけることができた。
そして何度試着しても、似合う。
どころか、試着する毎により似合うようになっていった。

あ〜〜どうしよっかな〜〜と考えながら娘と夜お絵描きをしていた。
テーマはプリキュアの服
自分がプリキュアだったら着たい服。

動き回れるように下はショートパンツにしたけれど
トップスは完全に、sacaiのニットのオマージュだった。

そうか私はあのお洋服を着たいんだな、
実際戦うか、戦わないかはさておき、
この服を着て戦おうとしてるんだな。

そこでもう一度コレクションテーマを見返した。
そこに書いてあったのは

日常を生き抜く"鎧"

それでもどうしようどうしよう考えて、
夢にまで出てきちゃって、
けど自分はただ単にsacaiのお洋服を買った人になりたいだけでは、と
あーじゃこーじゃ考えていたら、dmsさんからこんなリプを頂いた。

私はあの服が家に帰ってクローゼットにかかっていたらそれだけで十分嬉しいな。

というわけでお迎えしました✌️



正直日常的に着られる服ではない。
ママ友の家に遊びに行ったらぎょっとされるし
仕事に着て行ったらびっくりされるだろう。
少しだけ重たいし、扱いは大変だし、長い。

けどこの鎧を着こなせるのは私だけ。

どんなに疲れていても、
クローゼットに私を守ってくれる鎧があると思うととても心強い。
私が願えばいつだって、私はプリキュアになって戦える。

可愛く強く、凛々しく立ち、
私の手が届く範囲の人達だけでも守り立ち向かいたい。

私はsacaiのお洋服を手に入れた。
私は強さが欲しい、と願った。
この鎧で戦うか戦わないかは私次第だ。


というわけで!
sacaiのお洋服を着て、楽しい冬を過ごしたいと思います!!

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