8、なぜ川を渡った?「渡るのは三途の川だけにしろ!」と現場の捜査員一同がキレた理由とは
季節は10月だった
夏の暑さもすっかりなくなり、一年でもっとも過ごしやすい季節が来た頃
長い夜勤がやっとあと数時間で終わるという早朝の6時前だった
110番通報「川岸で首をつっている死体のようなものがある、という目撃者からの通報」
この死体、途中まではいつも通りの捜査だった。
しかしあることがわかった瞬間、そこにいた刑事課員の誰もが「向こう岸でやれよ!なぜ川を渡った!?」と、死者に向かって激怒することになった
現場は市街地にある小さな川
通報があった現場は、町中にある小さな川だった。
両岸は草木に覆われ、一段高くなったところに川沿いに面した歩道がある。
死者が首を吊っていたのは、↓こういうところだった
川に水が流れ込む排水があり、その柵に縄を結んで首を吊っていた
発見者は早朝の散歩をしていた通行人だった
昨日の朝には間違いなく死体はなかったという
なぜわざわざこんなところで首を吊ったのかわからない
自宅の部屋でやればもっと簡単なのに
まさか、他殺じゃないよな やめてくれよ もし他殺だったらしばらく休みがなくなる
そんな恐怖におびえながら現場捜査を始めた
身元はすぐに割れた
衣服のポケット内に身分証明書が在中していた
住所を確認する
死者の家は、現場から歩いて2~3分のところだった
どうやら自宅から歩いて数分のところを死に場所に選んだようだった(自殺だったとすれば)
自宅は現場の岸とは反対側だった
近くの橋を渡って死者宅に向かった
そこは小さなアパートで、ワンルームの一人暮らし用の物件だった
部屋内を調べると、死者は独り暮らしのようだった
遺書も出てきて、自殺することを計画していた内容も出てきた
自殺でほぼ間違いなく処理できそうになってきた
その時だった、捜査員の一人が言った言葉で私たちの死者への感情が一変した
「ここの家って
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読んだら気分が悪くなる。刑事のリアルな死体現場note集
刑事課の時の死体現場のリアル話。 刑事の死体現場とはどんなものか、死体現場での刑事たちの本音とは ドラマや小説のようなファンタジーは一切な…
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