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プチ反抗期の小5息子にモヤモヤしてたけど、全部ゆるせた話

「これってもしかして、反抗期・・・?」

ふとそう思ったのは、三男が小学5年生の頃でした。

三男のミーは4人兄妹の3番目。

6才のとき妹が生まれるまでは、甘えん坊でやんちゃな末っ子ポジションを欲しいままにしてきました。

妹が生まれてからは、両親は幼い妹のお世話や兄の進路にかかりきりになり適度に放っておかれ、すくすくと育つ三男。

元気でお調子者。我慢が苦手で家ではすぐにキーッと怒るけど、数秒後には「ごめんごめん」とケロッとしている。そんな、素直でさっぱりとした男子に成長しました。

マイクラ大好き少年

そんな彼のようすが、今までとちょっと違う?と感じはじめたのが、5年生の半ばごろでした。

たとえばある夜。

いつものようにリビングでゲームをしていた三男に、お風呂に入るように声をかけました。

けれど「うん、ちょっと待って・・・」と生返事をしたきり、なかなか動こうとしません。

さっさと入ってほしくてチラチラようすを見ても、キーボードに置かれた手が、いつまでもカチャカチャと動いています。

「ねぇ早く入ってよ〜」と声をかけるも、無視・・・。

すこしイライラしつつ「ねぇお風呂・・・」とまた声をかけた矢先。

「うるさいなぁっ!!」と叫んだかと思うと、(オレは怒ってるんだ!)とさもアピールするかのように、プンプンしながらお風呂場に去っていきました。

えぇ〜〜??
そんなに怒る?

今までだって同じシチュエーションはありましたが、そこまでキレることはなかった。

けどなんだか最近、ああいうのが増えた気がする・・・。

ちいさい頃はただただ可愛いだけだったのに、いつからあんなに変わっちゃったんだろう・・・。

上の兄ふたりの反抗期がそんなに激しくなかったせいか、3人目で余裕だと思っていた男の子育児の、ちいさな壁にぶつかっていました。

その後も、
「言葉遣いが荒くなる」
「無視する」
「平気な顔で嘘をつく」

などの、今までにはなかった態度がすこしずつ気になるようになってきました。

「何その言い方!」「ねぇ聞いてる?」「いい加減にして・・・」

基本的に怒りっぽいわたしは、反抗的な態度をとられると同じテンションで反応してしまうことも多く、衝突してしまうことも増えました。

もちろんずっとピリピリしている訳ではありません。

夕飯にちょっと好きなメニューを作ってあげただけで、「ママ、これめちゃくちゃ美味しい!お店出せるよ!!」と素直によろこび、言葉と態度で伝えてくれる。そんな屈託のない三男もまだまだいるのです。

けどだからこそ、その無邪気なところと反抗的な態度とのギャップに振りまわされ、心が乱されました。

(これも成長なのかも・・・)と思いつつも、三男の態度にモヤモヤしたものを抱えながら、日常を送っていました。



そんな小学5年生も残すところあと2ヶ月くらいになった2月のある日。

その日は友だちと街に遊びに行っていた三男が、夕方ごろ帰ってくるなりわたしのいる2階へドタドタと駆け上がってきました。

「はい、これプレゼント!」

といい、ちいさな黄色い紙袋をわたしに差しだしました。

「えっ?」と驚いて息子の顔を見ると、照れながら、けどわたしの反応を楽しむように、得意げに微笑んでいます。

母の日でも誕生日でもないし、なんで?
ミー君が買ったの?
お金は??

頭のなかにいろんな疑問が浮かびました。

「オレが買ったんだよっ!開けてみて」

とまどいながらも包みをあけてみると、なかには若草色のハンドクリームが入っていました。

「え?なんで?これどうしたの?」

「なんかね、一緒に遊んだS君(小6の男子)が、『友だちにハンドクリームプレゼントしたい』って言ってて、オレも一緒にお店に行ったの」

「S君が買うの見てたら、オレも(ママに買ってみようかな〜)って思って。だから買った」

「え〜S君大人かっ!!
けどミー、これ高かったでしょ・・・?」

「お金は、おこづかい多めに持ってってたから、それ使ったよ。なんか・・・俺もあげたいなーと思ったんだよ!嬉しいでしょ?」

S君は近所の友だちで、小6にしてはちょっと大人っぽいところのある男の子。

あまり詳しく知らないのだけど、潤沢にもらっているおこづかい(?)で、街に出るときは経済をよく回してるらしい。

そんな羽振りのいいS君の姿を見て、ミーも影響されてプレゼントしたいと思ったらしい。

いちおう心配なので、持参したお金の使い道なんかをそれとなく聞いてみたけど、不審なところはなかった。お金の貸し借りなんかもしてなさそう。

本当に純粋に、わたしにプレゼントしたいって思ってくれたんだ・・・。

そう思うと、ここ最近のモヤモヤしていたものがぜんぶ吹っ飛ぶくらいの威力がありました。

全部ゆるせる!みたいな(笑)。

小学生の反抗期のタイミングでこんなサプライズをぶっこんでくる三男、なかなかやるなって今でも思います。

(とても印象深い出来事だったので、漫画にもしました。無邪気で素直な反抗期男子のようすが、より伝わるかとおもいます)

現在、ミーは中学生になりました。

あのまま反抗期がエスカレートするのかと思いきや、意外におおきな変化はなく、むしろちょっと落ち着いている・・・?

このまま終わるのか、またもうひと山くるのかはわかりません。

というか、こちらは勝手に「反抗期だ!」なんてオロオロしてるけど、目の前の息子は年相応に成長していて、年相応に親のことをうっとうしく感じている、きわめて健全な状態にも見えます。

母であるわたしだけが、そんな彼の姿をすんなり受け入れられていないのかもしれません。

またさびしく辛い気持ちになりそうになったら、このハンドクリームの事を思いだし、(あの頃は良かった・・・!)なんて思うかもしれないけれど。

全部ゆるせる!の気持ちもいっしょに思いだして、乗りきっていきます!

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