kintone hack 2023:ChatGPTの技術的挑戦とプレゼンの失敗(前編)
こんにちは、キン担ラボの本橋です。
2023年9月に開催されたkintone hack 2023にエントリーしていました。結果は予選の勝ち抜きならず。
オンラインで開催されたイベント当日、他の参加者の方々の発表もめちゃくちゃ面白いものばかりで、26組のチームが次々と『kintone楽しい!』を浴びせかけてきました。
11月のcybozu daysではそこから勝ち上がった6チームが本戦(kintone show+case unlimited)に登壇します。僕ももちろん見に行きます。いまから楽しみです。
それはそれとして自分のプレゼンについて反省ばかりの記録をふりかえって残していこうと思います。
ひとことにまとめれば伝わらないプレゼンの代表みたいなことをやってしまいました。(自分は楽しかった)
反省1:ChatGPT自然言語処理をさせてkintoneをパワーアップ
というテーマのプレゼンでした。自然言語処理を活用することでkintoneに下記の3機能を追加するデモをしています。完全に詰め込みすぎです。
自然文の集計(クラスタリング&集計)
話し言葉によるレコード更新(JSON翻訳)
kintone全体のあいまい検索(ベクトル検索)
この記事では、一つ目の自然文の集計について解説します。
反省ポイント:ChatGPTが自然言語処理ツールという認識は一般的ではない
ところでChatGPTは自然な会話ができる人工知能というのが共通認識かと思います。
中身的にはそうなのだとしても、そこをすっ飛ばしてNLPツールだよ!と主張しても説明不足です。反省してください。
反省2:説明不足のクラスタリング
kintoneのレコードには様々な文章が入っています。例えばWebフォームからの問い合わせだったり、従業員の日報だったりですね。
そういった文章をChatGPTを使って指定したカテゴリに分類させるデモと、kintoneなら標準機能でそのカテゴリを集計できますね、というデモをあわせて30秒の時間で行いました。圧縮詠唱にもほどがある。
順番に解説していきます。
48のNLP技:クラスタリング
あらかじめいくつかのカテゴリを作成しておいて、与えられた文書がどのカテゴリに属するか判定する処理がクラスタリングです。
デモのトピック集計では、ChatGPTにこのクラスタリングを実行させました。
複数行文字列フィールドに鹿児島県を匂わすテキストを入れて、そのテキストをChatGPTにあたえて都道府県のいずれかに分類する、というデモです。
このときsystemプロンプトには分類するカテゴリとして都道府県を与えておきます。
ChatGPTに対しては、入力した文書がどのカテゴリに該当しますか回答してください、とお願いすることでクラスタリングを実現しています。
こんなふうにクラスタリングすると何が嬉しいかというと、もともとは文章として入力された大量のデータを、自分が設定したいくつかのクラスタ(この場合は地域)に仕分けして集計することができる点です。
日報や問い合わせから、クレームやスパムなど、ビジネスの中で飛び交う情報は玉石混淆です。膨大なデータから『自分にとって価値のある情報』を抜き出すためには多角的な分析が欠かせません。
そんな多角的な分析を、kintoneとChatGPTを組み合わせることでとてもお手軽に誰でも入手できるようになりました。これがほんの半年前にITの世界に現れたテクノロジーです。感動ポイントです。
反省ポイント
そんな感動ポイントに一言も触れずに『クラスタリングできます』で終えたって、AIと自然言語処理のエキスパートを兼務しているエスパーなら伝わるレベルです。
『AIと自然言語処理のエキスパートを兼務しているエスパー三銃士を連れてきたよ』
『AIと自然言語処理のエキスパートを兼務しているエスパー三銃士?!』
とか言って審査員をさせていたらもしかしたら。
反省3:まとまりがない
こんな調子で『話し言葉によるレコード更新』『kintone全体のあいまい検索』と進みます。お察しの通りそのすべてが説明不足です。『こんな事できました!見て見て!』しかやってません。伝える気がない。
そんな個別のデモについては後半でお話ししたいと思います。
反省ポイント
ChatGPTの自然言語処理機能という説明不足を共通点として展開していったものですから、スタート地点からして説明不足なわけです。
後半に続きます。
タイトル画像について
こんなプロンプトで作成しています。プロンプトもChatGPTが提案してくれるのでかなり楽になりました。
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