根も葉もRumor 選抜メンバーについて(6)

根も葉もRumorの選抜メンバーを語る第6弾、今回でこのテーマのシリーズは最終回としたいと思います

まずは今回メインで取り上げる3人以外の選抜メンバー、アンダーメンバーについて簡単にコメントを

【横山由依 チームA/AKB48グループ前総監督】
全盛期の末っ子キャラからスタートし、低迷期を総監督として支え、これから逆襲という時期に卒業
AKBの歴史を象徴するようなメンバーでした
お疲れ様でした

【谷口めぐ チームB 15期】
苦労人のおめぐ、7年かけて初選抜で涙してたのが印象的
ただ、舞台仕事と重なりせっかくの初選抜で存在感を残せてないのが気がかりです

【大西桃香 チーム8/チーム4】
音楽の日の初披露時の黒マスクで絶大なインパクトを残しましたが、その後、やはり舞台仕事で休みがちなのはもったいないです

【武藤十夢 チームK 12期】
いつの間にかベテランの域に達していた武藤十夢。Kを象徴するメンバーに。

【千葉恵里 チームA ドラフト2期】
抜群のスタイルでここに来て急上昇のメンバー。女子人気高そう。初選抜です。

アンダーの
【小林蘭 チームK ドラフト3期】
については、2つ前の記事に書いた通り、
そのダンススキルと明るさで横山結衣卒業後の救世主になってくれたらよいなと思います

【田口愛佳 チームA 16期】
次期総監督候補の1人、向井地美音の頃で書いたように、監督ではなく、「総」監督になるためにチーム8の子や国内中世界中の姉妹グループと今から交流を深めてほしいです

ということで、ここからは、3人のメンバーをメインで取り上げます

【久保怜音 チームB ドラフト2期】
『中田ちさとのもう1人の後継者』

ふわふわの妹キャラで人気の久保怜音。
お話し会の売上とか見ても、上位人気の1人であり、ドラ2の3人組の中では一歩リードしてます。
私自身は最初に知った時は、ちょっと苦手でした。
でも、メンバー人気がとても高いことからも、作ってのぶりっ子キャラではなく、本当にあのまま素のような気もします。
もし、あの雰囲気が素だったら、それはそれで凄いことで、一周回って好きになりつつあります。
5月の単独コンサートのアンコールで出てきて、一人感極まって泣きじゃくっていたのが印象的でした。
今回の根も葉もRumorの最高難易度ダンスにもしっかりついて行ってる、元々はチームK指名からキャリアを出発させただけあります。

「ふんわりわたあめのような甘い女の子になりたい」は中田ちさとから受け継いだキャッチフレーズ

目立たない非選抜メンバーだった中田ちさとの魂は、1人は「シアターの女神」村山彩希に、もう1人は「次世代のトップ人気メンバー」久保怜音に引き継がれている、そう考えるとなんか胸熱です
「神7が残したもの」「秋元才加をはじめとするチームK魂」「峯岸チーム4」、AKBが先人から受け継いでいるものはたくさんあるけど、その中でも、目立たないけど真摯に地道に劇場で頑張ってきたメンバーの魂も、こうして受け継がれていて、時を経て複数の人気メンバーの中で花開いている、AKBという物語の深さや豊穣さを象徴するようなことと思います


【西川怜 チームA  ドラフト2期】
『次世代エースの先へ』

ドラフト2期生最後の1人は、初選抜の西川怜。
個人的には、最近『1推し』になりつつあります
透明感があって凄く可愛い。
そのくせ、性格が自然体で、イマドキの女子でありながら、AKBらしい熱いものもちゃんと持っている
努力家なんだけど、そんなに努力努力を見せない。
すごくいい子だなぁと思うし、ほんとに少しずつ少しずつポジションを上げているところがAKBらしい。

ついAKBらしいと書いちゃったけど、実は逆かもしれません。むしろAKBではそんなにない例。
「努力を積み重ねて上にいく」というのが目に見える形で花開いたのは、ごく初期の柏木由紀くらいで。指原莉乃ももちろん努力してたと思いますが、イレギュラーな形だったし。

「Generation Change」というそのままのタイトルのアンダー楽曲でセンターの西川怜は、次世代エースの1人と目されています

ただ、これまで次世代エースと呼ばれてきた人達を振り返ってみると

宮崎美穂
北原里英
島崎遥香
宮脇咲良
小嶋真子
向井地美音
小栗有以

もちろん、みんな人気メンバーになったし、
島崎遥香、宮脇咲良、小栗有以は、実際にエースというところまで届いている

でも、神7に並ぶくらいのインパクトを残せたのは、宮脇咲良くらいで、純AKBではまだいないような気がします

あと、この人達に共通しているのは、
ほぼ最初から、早い段階から『次世代エース』と呼ばれていたことです
北原里英は同期の宮崎美穂と入れ替わる形だし、島崎遥香や小栗有以がフィーチャーされるのにも少しだけ間がありました
でも、ほんの1年〜2年の話です

一方で西川怜は、それより全然遅い。
AKBのドラフト2期は意外に苦労人が多く、2015年6月デビュー、昇格が2017年9月とそこまでで既に2年半かかってる。
でも、その間、研究生として劇場で叩き上げてきた。その基礎の強みがあります。
他グループに指名されたドラフト2期の中には、1年でグループ表題曲のセンターに抜擢された松岡はなや、総選挙ベスト5を2年も続けて衝撃を走らせた荻野由佳もいます
松岡はなが表題曲センターになったり、荻野由佳が総選挙5位になったりしている頃、西川怜も千葉恵里も久保怜音もまだ研究生で劇場で頑張ってました。
ただそんな中でも、久保怜音は研究生のままでシングル表題曲の初選抜になり何歩も先を行きます

西川怜がセンターを務めたアンダー曲「Generation Change」が2019年なので、ここまでで既に4年経ってる

次世代エースユニットIxRに選ばれたのが2020年

でも、その間、後輩の16期山内瑞葵やドラフト3期矢作萌夏が、表題曲選抜、表題曲センターと一気に抜き去っていく

そして、2021年9月この根も葉もRumorで同期の千葉恵里とともに待望の初選抜

ここまで6年3ヶ月かかっています

谷口めぐが今回初選抜で「7年かかって」と選ばれた時に涙してたけど、実は西川怜もほぼ変わらないくらい時間がかかってる

一歩一歩苦労しながら、コツコツと前に進んでいる
その間、他グループに指名された同期や、AKBの同期の久保怜音が遥かに前を行き、 
AKBの後輩達が凄いスピードで横を追い越していく。

西川怜の凄いところは、歩みは決して早くないけど、一回も後退していないことです。
6年半、腐らずに挫けずに折れずに、一歩一歩、真っ直ぐに前に進んでいる。

それだけキャリアを積みながら、
まだ若く、ついこの前18歳になったばかり。

美人で透明感のあるルックスで若くて、
頭がよくて、
でも、キャリア豊富な苦労人という、
AKBには今までいそうでいなかったタイプです。

2年前の2029ラジオの音源がYouTubeに残っていたので聴きましたが、
当時15歳の西川怜が「選抜になりたい」「ゆくゆくはセンターになりたい」と言っていました
アドバイザーのカズレイザーさんが珍しく興奮して「5年後にはAKBのセンターに、10年後にはアイドル界全体のセンターになってほしい」とか「マライヤキャリーやアリアナグランデを目指してほしい」と言ってました。
「アイドルを応援する人の気持ちがわかった」とも。

今もまだ知名度は高くないけど、2年前はもっと無名でした
でも、百戦錬磨のカズレイザーさんを興奮させるなにかを怜ちゃんが持ってたということだと思います

そこから2年、あの時口にしていた通り、
ついに選抜になりました。
しかも、AKBにとって大逆襲をかけた重要な曲での初選抜。

カズレイザーさんが言った5年後まであと3年、怜ちゃんが20歳、21歳の頃には、AKBのセンターになっているような気がします

そして、25歳の頃には、乃木坂時代の白石麻衣のように、「アイドル界全体のセンター」になっていてもおかしくはない。

さらにはマライヤキャリーやアリアナグランデのように世界的大スターになって、AKBとは西川怜を生み出したグループと言われるようになるかもしれません

本人も自覚しているように歌もダンスもMCもそこそこできる、器用で平均してバランスがいい。
でも、西川怜の本当の才能とはコツコツと努力する才能だと思う。

ネ申テレビでのトランプを投げキュウリを真っ二つに切る企画も、練習を積んで、最終的にコンサート中に堂々と成功させたのが端的な例で

今回の根も葉もRumorのダンスもしっかりとマスターしている
元々得意のはずの喋りも、映像倉庫の企画でプロからダメ出しを受けて涙目になりながらも、特訓を受けて見る見る上達している

器用なだけじゃない努力家。
いえ、もしかしたら、器用に見えるのも全てこれまでの努力の結果かもしれません

あとは歌だと思う。ぜひ本格的なボイトレを受けてほしいなと思います

次世代エースにはいくつかの道があります。

宮崎美穂はほどなく下降し、長い低迷期を経て独自の存在感を発揮するようになり、
島崎遥香や小嶋真子は早々にグループから卒業することを選び、
北原里英や向井地美音は、エースの座を諦め、グループを支える立場を選んだ
宮脇咲良はさらなる可能性にかけて世界へと羽ばたいた
小栗有以はまさに今エースとして活動している

西川怜は何を選ぶのか
器用だからこそ、向井地美音的な道を選んでも十分にやっていける。田口愛佳や浅井七海と並んで次期総監督候補にもよく名前が上がります

でも、希望としては、
ここまで歩んできた道、
歩もうとしてきた道を
スピードは遅くても、
真っ直ぐに地道にコツコツと進んでほしいなとも思います

2年かけて研究生から昇格し
4年かけて次世代エースと呼ばれるようになり、
6年かけて選抜の座をつかんだ西川怜

この先、

10年かけてグループのエース、センターの座につき、
15年かけて芸能界全体のトップの座につき、
20年かけて世界のスターになる

そんなアイドルは今までいませんでした

アイドルとしての価値の中にフレッシュさもあるだけに、何十年かけた努力というのは価値として認められてなかった
アイドルの中のスターとは、シンデレラのように突然現れるもの

でも、エンターテイメントとは本来そうじゃないはず
目新しさや才能だけに頼った華みたいなものでは一瞬の輝きは放てても、持続して多くの人を魅了することはできません

エンターテイメントの王道とは何か

AKBなら
これからさらに成長していく西川怜なら
そこへ導いてくれるような気がします


【坂口渚沙 チーム8/チーム4】
『受難の天使の逆襲』

最後に取り上げるのはアンダーメンバーの1人、坂口渚沙
『天使』と呼ばれるように、
とにかく誰が見ても可愛い。
アイドルの中のアイドル。

2014年4月デビューのチーム8の中では最初からトップグループでした

今のように基本全員兼任ではない時代に最初にAKB本体との兼任が決まったのは、2015年3月、中野郁海と山田菜々美と坂口渚沙

選抜入りも、2014年11月が初選抜の中野郁海についで、2015年5月に初選抜でチーム8で坂口渚沙が2番目
上で書いた西川怜が6年3ヶ月もかかった選抜入りも1年で掴んでいる

ちなみにその後のチーム8メンバーの初選抜は
小栗有以が2016年11月
大西桃香が2017年3月
小田えりなが2017年5月
岡部麟が2017年11月
倉野尾成美が2018年3月
下尾みうが2018年11月
本田仁美が2018年11月
そして横山結衣が今回2021年9月

多くのチーム8メンバーより何年も早い

倉野尾成美と並んで2016年の総選挙に最初に入ったのも坂口渚沙

ソロコンサートは2017年1月に坂口渚沙、小栗有以、倉野尾成美が行い、
その後2019年1月に岡部麟がソロコンサート

こう並べるとチーム8の初期は中野郁海と並んでトップ2で、
その後、倉野尾成美、小栗有以と並んでトップ3、
さらにその後小栗有以、倉野尾成美、岡部麟と並んで四天王という位置付けでした

でも、いつのまにか、この春のマジムリ学園の舞台でも、四天王の他の3人が主役に対して、6〜7番手の役になり

兼任先のチーム4でも、ゆうなぁを超えられないのはまだしも、チームのセンターの座は山内瑞葵へ

そして、この根も葉もRumor

本田仁美、横山結衣、下尾みうがフロント
岡部麟と小栗有以が2列目
倉野尾成美が3列目ながら岡田奈々不在時はセンターを務めるなど裏センターとしての存在感を示し
大西桃香が黒マスクで異彩を放ち
ユーティリティプレイヤーの小田えりなが多くのポジションで活躍

チーム8から選抜に7人、準選抜の小田えりなも入れると8人も入り、まさに新生AKBとは「チーム8+ゆうなぁずき」という体制になった時に、チーム8で最初からトップを走っていた坂口渚沙は選抜に入りませんでした

山内瑞葵だけでなく、ドラ2トリオの後塵も
拝し

もちろん、今でも人気メンバーの1人ではあります。

お話し会の売り上げでいうと、村山彩希、岡田奈々、本田仁美、小栗有以、倉野尾成美、柏木由紀、岡部麟、向井地美音、山内瑞葵、久保怜音、武藤十夢、下尾みう、小田えりな、西川怜、田口愛佳、千葉恵里、大西桃香と来て、その次くらい。

横山結衣や谷口めぐよりは上ではあるけど、その意味では、ほぼ今回の選抜よりは下回っている

選抜以外では田口愛佳を下回り、浅井七海や吉橋柚花にも追いつかれようとしている

チーム8で8〜9番手、グループ全体で17〜18番手というのが今の坂口渚沙のポジション

ちょうど西川怜の項で書いたことと真逆で、
少しずつ少しずつ、何年もかけて、ジワジワと序列が落ちていきました

しかも、これと言って原因が見当たらない

太ったり、ルックスが劣化したわけでもない
大人になってむしろ可愛さは増している

パフォーマンスもすごくいい

性格も真面目で優等生

炎上したわけでもスキャンダルがあったわけでもない

性格が優等生すぎて、刺激に欠けるところが難と言えば難かもだけど、
それを責めるのはあまりに可哀想

しかも、
ある意味理不尽というか、残酷なのは、
そんな坂口渚沙を、
この根も葉もRumorのアンダーに指名することです

他のアンダーメンバーと比べても、
モティベーションの持ち方が明らかに困難なはず

選抜経験のない田口愛佳や小林蘭は、このチャンスを活かしてのし上がってやろうと思ってるはずですし、
小田えりなも選抜経験こそあるものの、タウゼント役をきっかけにチーム8内での存在感も上がってきたのは最近のこと、上り調子の中で意気に感じて準選抜の役割を果たしてるはず

ただ1人、坂口渚沙だけが、
選抜から落ち、じわじわと何年もかけてポジションが落ちている中で、この最高難易度のダンスを修得しなければならない

普通の人間ならモティベーションを保つのが難しいし、モティベーションなしに身につけられるほど簡単なダンスではありません

でも、根も葉もRumorの坂口渚沙のパフォーマンスからはそんな内なる苦悩や葛藤は微塵も感じられません

日比谷野音で谷口めぐのアンダー
TIFのチーム8バージョン
フルバージョンの振り入れ配信で横山由依アンダー
フルバージョン公式プラクティス動画で横山由依アンダー
CDTVライブライブのフルバージョン横山由依アンダー

なぎちゃんが確認できるのは今のところ、この5つ。
特にフルバージョン2番、ゆきりんセンターから始まるAメロ、途中からなぎちゃんセンターになり
なるちゃんセンターの三列目グループにつなぐところ

ゆいはんのポジションだからそうなったのか、それともその場で振り付けた神田橋先生が見て決めたのかはわかりませんが、

選抜メンバーに全く遜色のないキレキレのダンス
そして、いつもと変わらない天使の姿

もしかしたら、内心の悔しさや葛藤をショールームとかでぶちまけた方がかえって共感を呼ぶのかもしれません

でも、それもしないなぎちゃんのプロ意識

それはアイドルとしてのプロ意識であると同時に、
人間としての美意識、精神性の高さなのだと思います

世の中の大部分の人が理不尽や、一生懸命やってもうまくいかない境遇にいると思います

そこで腐ったり、逃げたり、目を背けたりしても、誰も咎めない

でも、なぎちゃんはメンタルをやられそうな逆境にあっても、進んで逆境に身を投じて、
自分のできることを精一杯やる、そのための努力を怠らない。

努力は必ず報われる
そうとは限らない
でも、努力しなきゃ始まらない

かつて高橋みなみが言語化したAKBイズムを、
より高次な形で体現しているのこそ、
坂口渚沙の今回のパフォーマンスだと思います

報われなくても努力する

受難の天使のひたむき、健気さ、尊さ

そんな坂口渚沙に転機が訪れようとしています
今週発売の週刊プレイボーイで
初の水着グラビアとのこと

新しい挑戦をするのはよいことだと思う

そのニュースに触れて改めて思うのは、
もし世が世なら、昭和の時代とかなら、
なぎちゃんくらいのルックスとパフォーマンス力があれば、それだけで大スターになってても不思議はないということです

でも、今は、特にAKBでは、それだけは足りず、生き様を見せることが共感を得るためにはより重要  

「AKBとは物語」だから

そんな中、あえて生き様をさらけ出さないなぎちゃんの魅力が伝わりにくいのは事実だと思うけど、
だからこそ、その奥にある、より尊い物語が、今回の根も葉もRumorのアンダーからは感じられてなりません。

逆境にあるグループが大逆襲を期す今回の曲

逆境にあるグループの中でさらに理不尽な逆境に晒され、それでも健気に戦う天使、坂口渚沙の逆襲のきっかけになることを願ってやみません。


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