江戸時代の人間関係の豊かさに触れる02
前回の続き。
今回は主に、女性に注目してみた。江戸後期の女性たちの暮らしぶりを一部紹介する。
妻帯者の家に氣軽に泊まっちゃう女
身分の垣根を越えた付き合いは、こんなところにも。下級武士の家、土屋宅で酒宴が催され、石城(著者)をはじめとする友人達が集まる。しまいには町人である料理屋の女将・およしが、そのまんま泊まっていく。
酔いが回ったし、家に帰るのも億劫だから、ここに泊まっちゃえ〜という軽いノリか。
男の前で堂々と煙管を吹かす女
こちらは、同じく下級武士の川本実兵衛の妻・室。長い煙管(きせる)でタバコを吹かす。
女性は殿方の前でかしこまっているイメージがあったが、全然そんなことはないようだ。なんて楽しそうな寛ぎタイム。
旦那とその友人の脇で胡弓を教える女
さらにこの、室という奥さんがなかなかに魅力的な人だ。旦那の友人(石城)が来て、食事をしている横で、胡弓を近所の子どもらに教えている。旦那に遠慮するでもなく、同じ空間を共有しているのは、ほのぼのした風景だ。
胡弓って和楽器だったんだね。知らなかった。私は中国楽器の二胡と混同していた(汗)。
旦那とその友人の脇で寝ながら胡弓を弾く女
室にはこんなフリーダムな一面も。旦那が友人(石城)と食事している横で、あんまさんにマッサージしてもらいつつ、胡弓を弾くという。さらに、煙管も待機させてある。
ぱっと見は行儀の悪い妻に見えるだろう。でも、この大らかな空氣感、素晴らしいじゃないか。マッサージを受けて寛ぎながら、さらに楽器を嗜むとは。
料理してくれちゃう旦那は珍しくなかったらしいしね。女が台所に縛り付けられていたなんて誰が言ったんだろう。武士でも台所に入って料理を楽しんでいたとか、平和だな。
江戸時代、特に女性達がこんなに楽しそうに、のびのび過ごしているなんて。旦那にも、その友人達にも温かく接してもらえていたなんて。TVでやってる時代劇とは、だいぶ様子が違うじゃないか。
続きはまた今度。