阪神が優勝した。生まれて初めて日本一の阪神を見た。
元井です。
阪神タイガースが優勝しました。38年ぶりの日本一に。
中2か中3か。その年までは巨人ファンだったんです、自分は。登校前の朝のニュース番組はズームイン朝。
巨人が正義。阪神はいつもやられる敵キャラ。勝つとウザい敵キャラでした。やられキャラ。何となく物心ついたときからうっすら巨人ファンで、松井が活躍して、わーゴジラすごいなぁと思って応援していたんです。
ところが、FA制度がはじまってしまったんですよね。フリーエージェント。ある程度の実績のある選手が、自由に他球団へと移籍交渉できる制度です。金のある巨人がホームランを打てるバッターを獲得しまくって…
こども心にも、許せん、こんな球団は応援できないとアンチ巨人に。そしてその当時“一番弱いチーム”阪神タイガースのファンになると決めました。
そして、弱かった。
吉田義男監督ひきいる阪神タイガース。弱い。本当に。何をどう応援したら良いのかわからないくらいに弱い。新庄はいたけれど。
ファンになって数年後、松坂フィーバーが世間に吹き荒れます。1999年。巨人には大エースとなる上原浩治が入り20勝を果たします。自分は上原派でした。サンデー上原。
でも阪神ファンなんですよ!1999年、野村監督が就任します。野村監督が来た!!阪神が!強くなってしまう!!!野村ID野球〜〜〜!!!!
しかし、そんなことはなかったんです。弱かった。
F1セブン(エイト)という、俊足の野手が7人(後にひとり忘れてたことが発覚して8人に)が阪神にいる!F1カーが7人(8人)も!
なので、めっちゃ盗塁とかして強いぞ!と押し出したんですけどね。結局なんかよくわからず強くもならず。(F1セブンのうちの赤星と藤本はその後に大活躍)
野村監督は後年、阪神の監督になったのが人生最大の過ちとか発言します。なんでや。阪神を愛してくれ。
いや、もう阪神が悪いんですけどね。
とにかく企業体質が悪いし、チームの体質も悪い。本当に悪い。意味がわからない。後から調べても調べれば調べるほど悪い。
優勝したら選手の年俸をあげなきゃいけないから2位でフィニッシュしてと親会社が言うとか
スカウトは自分の推薦した選手が入団したら金一封もらえるから、わざと競合しなさそうなすんなり入団してくれそうな微妙な選手を推薦したとか(そして活躍せず)
イカつい輩な選手が有望な若手をいじめるとか、影で暴行するとか
最悪ですわ。なんでこんなチームのファンになってしまったのか。
しかし長く応援してると、ひいきの選手もたくさんできるんです。
そして野村政権から星野政権へ。星野仙一監督就任。2002年。翌年の2003年にセリーグ優勝を果たします。優勝!!!!暗黒時代が!!終わった!!意外とファンになってから待つ時間が短かった!!
しかしというか、なんというか
星野監督は血の入れ替えといって1/3のメンバーを入れ替えたんですよね。
移籍してきた中でも金本、伊良部、下柳、片岡の四名と、外国人のアリアスとムーアの活躍は凄まじかった。投手なのに打ちまくるムーア大好き。打て打てムーア。ひとりで投げて、ひとりで打つ阪神個人軍。
2003年。自分は21歳。なんだ!優勝すんじゃん!プロ野球最高!!
優勝した後、星野監督は体調不安から勇退。後任は今回、2023年、阪神を2度目の日本一に導いた岡田彰布監督に委ねられました。第一次岡田政権です。
1年目の岡田監督の前に立ちはだかったの、あの中日、落合監督。どちらも1年目だったんですねぇ…。
ここから阪神岡田、中日落合、そして2006からは巨人原と、この三人の名監督がしのぎを削る時代が始まってしまったわけです。
2005年、岡田監督は2年目にしてセリーグ優勝を果たします。JFKが活躍するわけです。
7,8,9回を投げる中継ぎ、抑え投手、ジェフ・ウィリアムズ、藤川球児、久保田の3人。最高だった。阪神との試合は六回までにリードしてないと負ける。なぜならJFKが0点におさえるから。
しかしそんな阪神も、日本シリーズは4連敗。
今回の日本一が果たされるまでに何度33-4と煽られたことか。馬鹿の一つ覚えみたいに。18年間、18年間言われ続けた。俺にこの言葉を発した奴らひとりも許してないからな。
そして、ここから阪神は今年に至るまで優勝をしていないわけです。一度も。
落合中日、原巨人、どちらも本当に強くて。
2004〜2008の5年間で優勝は一度。
しかし岡田監督は戦績だけで言えばこの5年間。大きく勝ち越すわけです。
393勝307敗。圧倒的。
惜しくも優勝を逃して岡田監督は勇退。
そこから
真弓監督
↓
和田監督
↓
金本監督
↓
矢野監督
と4人の監督を挟んで岡田監督の再登板となりました。
この優勝できなかった期間にねぇ…
能見、マートン、城島、メッセンジャー
藤井、俊介、上本、藤浪、平野、西岡、福留
桑原、オ・スンファン、ゴメス、マテオ、ドリス
PJ、大和、マルテ、加藤
順不同だけど…印象深い思い出深い選手たちが、優勝を知らずに阪神を去っていってしまった…
二軍の選手ならもっといる。
スタメン野手に生え抜きが1〜2人しかいない血の入れ替わった阪神で優勝をしたけれど。しかも外の球団で活躍した選手だからスタメン野手平均年齢32歳とかだったんだけどさ。
今回は、外国人以外は生え抜き。最年長で32歳。スタメンには30代がいない。
金本監督の時に、ドラフト、スカウト戦略も買えたんだよね。超変革。
金本監督は身体の強さを重視してたように思う。
強く振れる、球が強い。体が強いのでハードな練習に耐えられる。そういう選手を見てたように思うんだけど。
とにかく阪神球団の現場も、フロントも、経営陣も、危機感を持ってチームを変革したんだよね。
金本監督、矢野監督がまいた種は
岡田監督が「この戦力なら優勝できる」と太鼓判を押した戦力にまで花開いた。
ほんとにさぁ…長かったよ。
ドラフトで入る選手、ニュースにならない知らない選手ばっかりだったんだけど、ほんとに知らないまんま引退しちゃう人たちばっかりです。どうなってんだよこのチームのドラフトさぁ…とか思ってたんだけど
今はドラフト会議も楽しい。下位指名にも隠し玉がある。
ドラフト5位とか6位が縁起良い順位になるとか思わないじゃん。
ドラフト5位 村上、糸原、青柳
ドラフト6位 中野、湯浅、岩崎
育成の半身になってきた。あとは、高卒選手をスターに…。
いやもう、データばっかり書いてもしょうがないな。気持ちの部分を書かないと。
プロ野球ファンになって。どんなに辛いことがあっても、阪神タイガースが勝ったなら、
「でも今日は阪神勝ったしな」
でおわれた。本当に、なんどもなんども助けられた。
赤星の盗塁に。鳥谷のクールな四球に。
息が詰まるような中継ぎ陣の気迫に。
今年こそ優勝するんだ!!!という気合と、ちょっとの迷走と不運に見舞われても弱音を吐かなかった監督に。
バースの再来と呼ばれたバースになれなかった外国人の奮闘に。
なんでか良いストッパーの外国人阪神に来るよなという剛腕投手たちに。そして数年とか1年でいなくなる悲しさに。
大和のスーパープレーに。下柳の闘志と、きっちり5回でお役御免なちゃっかり先に。
怪我に泣かされた上本の良い顔面に。
能見さんの美しいワインドアップに。
戦力外から復活したベテラン投手陣に。
期待されつつも虎の和製大砲になれなかった二軍の戦士たちに。
成績イマイチでも愛嬌たっぷりだった選手たちに。
引退後、裏方として未来の阪神を作るべく奮闘したスカウトたちに。
怪我を押してホームランを打つ金本に。
新井が悪いよ新井が、のツライさんに。
もう拝むしか無い凄まじさのJFKに。
火の玉ストレートの藤川に。
何度も叫んだ。何度も喜んで、何度も悔しがって、時に泣いて。時に馬鹿みたいにはしゃいで、でもシーズン終盤には、また来年か…とキャンプ情報を漁る日々に。
でも今年は、優勝した。日本一になった。
今年1年だけの頑張りじゃないんだ。
みんなが、阪神球団のみんなが、18年かけてたどり着いた、38年迷走し、たくさんの悔し涙を流し、試行錯誤し、たどり着いた優勝なんだよね。ずっと見てたからわかるんだよ。
去年、近本選手が「これから阪神は黄金時代に入る!」と宣言したんだよね。マジで強かったのよ。去年から。
でもそれって、その1年前の頑張りと、さらにその1年前の頑張りと…さらにその…………
38年間の負の遺産と、その解消と、積み重ねをやってきた上での優勝なんだよね。
本当に苦労したよな…ありがとう。
もう来年に向けての戦いが始まってる。
毎日キャンプのニュースを見てる。
それが、来年の春まで続くんだよね。
待ち遠しいよな。球春到来。
日本一を味わったこと無いから、気持ちがフワフワする。連覇は、どうなるかな。わかんないよな。野球。
何がどうなるかわかんないんだ。
なるべくなら、我が阪神タイガースは常勝軍団に育って欲しい。V9とかなんだよマジでとか言えるくらいに強くなって欲しい。
ダメ虎が、阪神お笑い球団が絶対王者になってもいいじゃない。
一番弱いチームを応援する!と宣言して、生まれて始めて日本で一番強いチームになった。
子供の頃の反骨心が、ようやく報われた。
本当に嬉しい。ありがとう。
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