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酒屋大賞2024のお酒感想

今年で第二回の酒屋大賞の大賞が11/20に発表されました!

そもそも酒屋大賞とはですが・・・

日本酒がまた日々の食卓に並び、ドラマのシーンにも用いられ、社交の場でも人と人の繋がりを醸すものであれるように、飲み手を最もよく知る現場の酒販店員がその魅力を改めて伝えるための試みとして『酒屋大賞』を立ち上げました。

『酒屋大賞』は全国のお酒のプロが集い、今最もお薦めしたい酒蔵を選ぶアワードです。
全国の酒販店員による市販されたお酒のWEB投票と、酒蔵のストーリーを深く理解した上での利酒による本選投票によって選ばれます。

日々情熱を持って日本酒と向き合う酒販店員だからこそ、心からお薦めしたいこだわりの一本がある。
そんな一本を生み出す酒蔵が全国から集結し、プロフェッショナルたちによってその年の一番の酒蔵を決める、これまでにないまったく新しい取り組みです。

酒屋大賞公式HPより引用

とのことで、本屋大賞をモデルケースとしておりますが、お酒でなく、蔵元さん自体に賞を与えるコンペなのです。

お酒単体への賞ではないので、出品酒のクオリティは勿論ですが蔵としてのストーリーや試みなんかも考慮されるようです。

審査はWEB投票からの本選選出。そこから利き酒投票。

出典:酒屋大賞公式HP

本選出場蔵は以下の20蔵。

  • 「稲村屋」鳴海醸造店(青森県)

  • 「伯楽星」新澤醸造店(宮城県)

  • 「綿屋」金の井酒造(宮城県)

  • 「稲とアガベ」稲とアガベ(秋田県)

  • 「写楽」宮泉銘醸(福島県)

  • 「浦里」浦里酒造店(茨城県)

  • 「仙禽」せんきん(栃木県)

  • 「松みどり」中沢酒造(神奈川県)

  • 「荷札酒」加茂錦酒造(新潟県)

  • 「雅楽代」天領盃酒造(新潟県)

  • 「あべ」阿部酒造(新潟県)

  • 「谷泉」鶴野酒造店(石川県)

  • 「飛鳥井」丹生酒造(福井県)

  • 「敷嶋」伊東(愛知県)

  • 「みむろ杉」今西酒造(奈良県)

  • 「豊能梅」高木酒造(高知県)

  • 「田中六五」白糸酒造(福岡県)

  • 「産土」花の香酒造(熊本県)

  • 「よこやま」重家酒造(長崎県)

  • 「飛鸞」森酒造場(長崎県)


出典:酒屋大賞公式HP

では、早速大賞の発表とその蔵のお酒を飲んだ感想を書いていきたいと思います。


GOLD:阿部酒造 (新潟県)


出典:PRTIMES


出品酒
SIRIUS2023
FOMALHAUT2023
あべ+

低アルコールスパークリングのSIRIUSに貴醸酒製法のFOMALHAUT、12月発売予定の柱焼酎仕込あべ+とかなり尖った構成。

これで大賞をとるのだから凄すぎる・・・

昨年銅賞からの堂々たる金賞です!

H26BY(2016/07/01~2017/06/30)スタートのブランドながらも貫禄がありますね。

僕もあべは好きでして、X(旧ツイッター)を見返したら度々 #今年の私的ベスト日本酒 に選んでおりました。


というより、ハッシュタグが始まってからずっと挙げてまし(笑)。味は当然ながら、若手で造る「僕たちのお酒」や単一田圃のお米でお酒を造ったり(ワインのテロワールの考え)などチャレンジングなところが好きなんですよね。

きっと審査員の方も同じだったのではないかと思います。

SIRIUSとか王冠空けるとき神経使いますが楽しいお酒ですよ。


SILVER 今西酒造(奈良県)


出典:PRTIMES

みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita(ディオアビータ)
みむろ杉 木桶菩提酛 sparkling
みむろ杉 木桶菩提酛 自社田山田錦


昨年、金賞から今年は銀賞!

ろまんシリーズ Dio Abitaは昨年同様ですが、スパークリングに自社田山田錦と「みむろ杉」と言えばの木桶菩提酛のウエイトを増してきました。

個人的にはみむろ杉と言えば菩提酛なので、これで結果を出すのは素晴らしいことだと思います。

古来、酒は自然からの恵みの象徴であり、神と交信するための手段であった。
そこに工業的な考え方は存在せず、酒とは祈りの象徴。 その時に人々が嗜んでいた酒は「どぶろく」。 時は流れ、室町時代中期(1400年代)の日本。

奈良県正暦寺の僧侶は経験と知恵を持って、自然のものだけで腐敗リスクを極限まで落とした酛造りを創醸した。 それが、超自然派の「菩提酛造り」。

それは現代の酒造り手法の原型となり、その後、奈良県の僧侶は「三段仕込み」「諸白造り」「火入れ」「上槽」を次々と生み出し、日本酒の歴史を変えた。

自然界に生育するものだけで生み出された「清酒」は人々を魅了し、 当時の酒は空気を吸い込むかのごとく、身近な存在であったに違いない。

ありとあらゆるモノ・コトが効率化・工業化し、混沌としている時代。 奈良県に脈々と受け継がれる自然・文化・歴史に敬意を払い、酒の神が鎮まる奈良県三輪の地で現代の技術力をもって菩提酛造りを復興し、酒文化をつなぎ、伝統を守って参ります。 本物の自然の恵みをお楽しみ下さい。

引用:みむろ杉HP

さて、感想の方ですが今年飲んだ十周年感謝酒がそれはもう美味しく、先述の #今年の私的ベスト日本酒上半期10選にも選びました。


上記、記事内より抜粋

※あべも当たり前にいる

低アルコールで綺麗なお酒なんですけど、確りとした「力」があるんですよねー。お勧めです。


BRONZE FERMEX賞「稲とアガベ」稲とアガベ


出典:PRTIMES

出品酒:交酒 花風

※すみません、3品出品とのことなのですが、残り2本の情報が不明です・・・

個人的には銅賞ながらも一番テンションが上がりました。特別協賛賞も受賞してますしね!

思い起こせば、3年前まだ蔵もできていないころ、稲とアガベを飲んで衝撃を受けたものです。

たかだか3年前とかかもしれませんが、醸造所設立やクラフトサケイベント、花風発売など、この躍進を考えるとかなりの密度な3年間だったと思います。

※2021年に何気に10選に選出。

個人的に決定打となったのはやはり花風じゃないかなぁと思うんですよね。

大体の「クラフト」のイメージ通り、量を作れず、高価格になりがちな問題を、なるべく量を作り、価格抑えめにしたというシンプルながら大変ありがたいお酒。

でも、決して無個性ではなく、華やかなライチの香りがして稲とアガベらしさを感じる素晴らしいクオリティ。いち早くクラフト酒を造っていたからこその底力を見せられた気がしました。


納得の受賞だったと思います。

最後に

何だかんだ物議をかもしたりしますが、それだけ注目を浴びてきているのではないでしょうか。

僕としては「酒屋」対象なので、是非売場に活かされれば良いなと思います。

改めて、本選に進んだ蔵元さん、受賞した三蔵さん、おめでとうございます。

昨年の感想はこちら


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