僕が新橋サイファーへ行く理由

言ってしまえば楽しいからなんですけどね。

そもそもサイファーとは何か。

公園や広場などでラッパーが集まり、円になりフリースタイルラップをし合うというもの。フリースタイルラップ(アドリブで行われるラップ)スキルを鍛錬したりラッパー同士の交流などを目的に行われる[1]。基本的にはラジカセやスマートフォンなどから音を流し、そのビートに合わせ順番にラップを自由にしていくが、決まったルールはなく、割り込み型で行われたりと様々である。(サンキューwikipedia)

そのサイファーが新橋で行われるから新橋サイファー。

字面の異質さと語呂の良さが異常である。

そんな新橋サイファーは、主催者であるError Versionさん(以下エラーさん)が、都内サイファーに行ったところ、そこでのバトルで90年生まれ推しをしたが、「90年産まれは90年生まれのサイファーに行け。」というようなことを言われそれならばということで立ち上げたサイファーである。

今となってはそのディスに感謝をささげたい。

※詳細はエラーさんインタビューを。

2019年11/23をもって3周年となる。

※新橋サイファーにも来ていただいたノセレーナさんの新橋サイファー紹介。新橋の絵面が的を得ている。

僕が行くようになったきっかけは、社会人ラップ選手権というイベントの予選があり、そこでエラーさんに声をかけたことだ。

出典:http://shakaijin-rap.jp/

会場入りして人がまばらの時「お、自分みたいな、B-BOYじゃないオッサンがいる。」っていう感じで話しかけた。それがエラーさんとの出会い。

エラーさんは「今度新橋でサイファーやろうと思ってるんですよー。」と人の良さそうな笑顔で語っていた。

僕は「行きます行きます。」と答えた。

その後、エラーさんからのアナウンスがあり、記念すべき第一回が行われる・・・かに思えたが、参加すると声を上げる人数が少なすぎたため延期になったのであった。

勿論、自分も参加すると挙手しなかった。正直すまんかった・・・

その後、11/23(祝)に改めて開催となった。奇しくも勤労感謝の日がまた新橋感がある。

その日は、行くことが出来たので第一回目に参加した。

場所は桜田公園。

出典:I LOVE PARK

行ったら行ったで、遠目に見てもB-BOYテイストな人たちが多く一瞬怯んだが、思い切って参加した。僕のサイファー初体験である。

エラーさんは跳び箱の最上段並の大きさのアンプにマイクまで持ってきていた。

サイファーってこんなに本格的なの?

若干引いたのも懐かしい記憶である。

7人で新橋サイファーは始まったが、場所柄OLさんなど見物に来てくれたりして、第1回目から見物OLさんを挟んで口説きラップバトルなども行われた。

新橋のごった煮感のあるサイファーの土壌は1回目にして出来上がっていた。

それから回を増すごとに人は増えていった。今では40人ほど集まるのも当たり前だ。桜田公園が小学校跡のため、課外授業のようである。

僕のようなサラリーマン、中高生、有名なMC、外国人などなど・・・まさに老若男女色々な人がサイファーにくる。前から来てるだとか初めてだとか関係ないフラットな場だと思うし、これからもそうであって欲しい。

ただ、エラーさんは初参加の人の名前をしっかり記録して人数をカウントしているし、未だ継続している。これもまた若干引いたのも懐かしい記憶である。

エラーさんは100人突破記念でSL杯を開催した。

自腹で優勝カップを買っていた。

若干引いた。

※もう第8回にもなるSL杯優勝カップ。意味の分からない豪華さである。

SL杯も時にやりつつ毎週水曜日、新橋サイファーは開催され続けた。飲み会帰りのHIPHOP好きサラリーマンがラップをする。80歳おじいちゃんがダンスをする。
何ならラップしなくても一緒にバトルを観たり、酒を飲んだり。飛び入りも多く楽しみ方も自由なサイファーである。

いつも会うメンツだったり、一期一会の出会いがあったりと刺激的な場所である。

そんな場所を毎週毎週エラーさんはデカいアンプをもって開催している。雨の日も夏の猛暑も真冬の手がかじかむ日も、ずっしり重いアンプをロッカーに預けて仕事へ行き、また持って帰るのだ。

リスペクトしかない。

一時期、仕事の都合でロシア出張が多くなった際、毎週開催が危ぶまれた。

その時に、副主催のMark AKAGIさん、MC Osagariさん、また他の方がフォローすることで新橋サイファーは継続している。

これもまたエラーさんの人徳がなすところであろう。

そうやって継続して行く中で、様々なメディアに取材して頂いた。

※主催エラーさんの予言当たる

ラジオ 空気階段の踊り場、abema prime、有吉ジャポン、所さん!!大変ですよ、スッキリ、そして11/23放送のマツコ会議。

大体がサラリーマンがラップするというギャップでメディアに出ている。

僕としては逆にサラリーマンがラップするくらいでメディアに取り上げて頂いてありがたい限りである。

でも、本質としてはエラーさんを始め色々な方が作り上げてきたあの場だからこそ取材があるのかなと思う。

他の業界の社会人と酒を飲みながらラップして、他業種の大変さを知ったり、若い人とバトルして自分を見直したり、単純にラップにあがったり。

自分の価値観をさらけ出せる場というものは実は少ない。

匿名のSNSで漏れ出す価値観と違い、自分の責任でもって価値観をさらけ出して、そして対話し続けることができる貴重な場所だ。

ビートがかかれば逃げ場はない、取り繕う暇もない、だけれど、口を挟まれることのない8小節がある。

否定も肯定も全てが明日への糧になる場所、それが僕にとっての新橋サイファーなのである。

・・・あとお酒が美味しいからも多分にあるけど。

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