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長年独裁していたコミュニティを爆破しラスボスとなった日 その2

なんか薄っすら見られてるらしい だが俺は止まらない


前回までのあらすじ

俺が元居たゲームのコミュニティの話だ!
泥船みたいなコミュニティを拾い上げるために独裁者をしていたら救いが無くなってきたので爆破した話のイントロダクションだったぞ!

既に泥船だったコミュニティ

私が@wiki(件のコミュニティをこう呼ぶぞ!)のトップである管理人となり、だいたい4年間独裁者として君臨した理由は、ひとえに@wikiがまともに機能していなかったことが原因だ。

@wikiの運営が日常行う業務は以下の通り

  • 参加希望者の承認作業(スパム防止のため承認制)

  • シェアワールドの情報更新作業

  • 迷惑行為への対処

迷惑行為への対処を日常業務に組み込むのは如何なものかとは思うが、学校の長期休み時には大量に流入したキッズ達が荒らしまわるので、ヤ〇ザキ春のBAN祭りとか言われるぐらいには季節行事化していた。ので、あながち間違ってはいない。
そして、BAN祭り以外はほぼまともに行われていなかった。

私が管理人になる前は、参加希望者の承認は申請が来るたびに行っていた。
そしたら運営がサボりまくるせいで普通に2週間待ちとか発生してだいぶ苦情が来てた。
シェアワールドの情報更新作業も同様で、中々更新がされない。
BANは正常に行われた。即効性の毒だったので。

もちろんこの状況を良く思う人間など居るはずもなく、昔から改善要求とか、皆で運営を改善しよう会議とか行われたりはした。したけどみんな途中で飽きるので終ぞ一つも実ることは無かった。

そんな中、管理人の一人かつ、@wiki創設メンバーの一人(以降言及があるならK氏と呼ぶ)が管理を辞めるというので、その後釜に立候補したことが、私の管理人生活の始まりだった。

その当時、すでに何度目か分からない「運営への改善要求をまとめようの会」がとん挫した直後だったので、私はひじょ~に正義感に燃えていた。
改善要求のまとめ役がそもそも私だったので、一人だけヤル気が先行していたのもあるが…
兎にも角にも、タイミングがタイミングだったので、「お前らのやる気がないなら俺が中から変えてやる」という意気込みで参加した。2017年7月のことらしい。

お前にはどうすることもできない

結論から言うと全然無理だった。
辛うじてシェアワールドの情報更新(K氏から引き継いだ肩書上本来の業務)は遂行できていたが、それ以上は無理。
この頃から他のほぼ死にかけていた他管理からある程度の権限を委任されており、何人かを追加で雇ったりもした。
したけど、追加で雇った人も(やや無理矢理引き入れたとはいえ)ほぼ仕事をこなせず、泥船はいつまで経っても泥船だった。

泥船に陥る根本的な原因

このどうしようもなく運営が機能しない原因は当時から明確で、「意思決定は全て運営全員の同意で決定される」ことだった。
このルールは@wikiコミュニティの利用規約にも次のように明記されている。

当wikiの管理を担当する者は、原則として利用者を3人以上置くこと。また全ての決定は全員の同意にて決定すること。

利用規約より

私が担当していたシェアワールドの情報更新については不要だったが、「新規の参加申請の承認」や「改善要求の検討」、「迷惑利用者への処分」といった業務は全て、運営全メンバーの承認が無ければ決定されない。
よって、一人でも返事が遅れたり、議論に参加していない状態になると何も決まらず、宙ぶらりんのまま放置する…と言った流れが定番となっていた。

…ただしBANの判断については、全員反応が早かった。コミュニティ運営のトロだけ味わおうとしているようで正味気に食わないが。

そんなこんなで、泥船状態は私が運営メンバーとなってからも続き、1年後の2018年7月、参加者側から「これ以上運営がなにもしないのは不味いからどうにかしろ!」と言われてしまった。

管理グループ内でやきもきする僕の図

おまいうとは思いつつも、中の人として不甲斐なさは感じていたし、運営が回っていないのも事実だったので甘んじて受け入れるほかない。
その場でも「今何も運営が動かないのは、意思決定の仕組みに問題がある」と指摘された。

その結果、提案されたのが私による独裁体制だった。

ようするに、現状の@wikiはコミュニティとして空中崩壊寸前の、ほぼ無政府状態となっているので、コミュニティとしての機能が回復するまで臨時の絶対権限をを作ってくれ、という提案だった。
「独裁」という過激なワードを多用しているが、実際に全権を1人に集約することになるわけで何も間違っておらず、そして私が勝手に言っている訳でもなく、その当時から「独裁体制」と表現されていた。

しかし独裁と言っても、規約がある以上他の運営メンバーの意思は無視できない。
規約を改訂しなければやろうと思ってもできない話だが、もう他の運営メンバー全員が「それでいいよ」とか言っちゃったのですんなり独裁体制が始まった。

第一次独裁政権

第一次ってことは第二次があるんですか?はいありました。それはまた追々。

兎にも角にも、私が副管理人から管理人に昇格し、全権を持ったことで色々と改善はできた。
他管理諸氏も何か気軽になったのか知らないが、雑務ならある程度こなしてくれるようになった。というのも、独断で動くことがほぼ不可能だった運営体制下から、私の責任の名の下に承認作業をすっ飛ばせるので、それぞれがスタンドプレーが出来るようになった点が大きかったらしい。

この時代に行った実務的な貢献は次な感じ。

  • 交流用Discordサーバーへの誘導を整備

  • 放置されていたwiki内の情報を更新

  • アカウント登録申請の即時承認化

  • 新運営メンバーの雇用

  • BAN

…独裁管理人になった直後から世間では夏休みなので、例の如くBAN祭りが開催されたから仕方ない。
勿論、BAN周りについては厳密に規約を参照し、他管理の意見も取り入れたうえで実施している。
まあこんな感じで、私は私に与えられた全権を利用して、運営の正常化に勤めていた。

茶番委員会事件

時は遡って2018年5月ごろ(記録が残っていないので推定)、参加者側から一つの提案がなされた。

その名も「茶番推進委員会」。

何も知らない人が見たら何を言っているのか分からないとは思うのでご説明すると、「茶番」というのはロールプレイを指す界隈内のスラングだ。
@wikiのメインコンテンツは「某ゲーム内で兵器を作る事」であるので、作ったものを使ってブンドド遊びをすることを「茶番」と呼んでいた。

兵器でやるブンドド遊びと言ったら、包み隠さず言ってしまえば「戦争ごっこ」である。なんやかんや言って軍事趣味者は戦争とか好きだし、「僕の作った理想のへいき!」で戦争ごっこするのは楽しい。それはもうしゃーない。なので@wikiでは「茶番」が一番盛り上がるコンテンツだった。

茶番推進委員会は文字通り、「運営が不甲斐ないので参加者側から茶番(ロールプレイ)で盛り上げようぜ!」として作られた有志団体だった。

…まぁ、設立経緯からして私などはあまり良く思っていないのは自明だが、同時に運営が不甲斐ないのも自明なので、甘んじて受け入れる他ない。禁止する法もないし、実際グループを盛り上げるには、運営よりも一般利用者が活発に活動する必要があるので、誰かがこうやって盛り上げなきゃいけないのは間違いなかった。

なので、私が不快に思っているのはわりと自業自得であるようには見える。
しかし、あくまでもイチ団体を運営するものとして、茶番委員会を快く思っていない理由は他にもあった。当時の私が愚痴愚痴言ってるのを引用しよう。

結局、運営にしろ参加者にしろ「おまいう」案件だからだ。

コミュニティが泥船になっている根本的な原因は、運営メンバーと参加者両方とも政治を考えるばかりで、肝心のメインコンテンツであるゲームや茶番をやらないので、結局同じ轍を踏んでいるあたりが非常にダサかった。まだ愚直に実務の手を動かしている私の方が偉いだろ…と思っていた。思っているだけで言わなかったけど。

そういった根本的な問題だけでなく、委員会で音頭を取る人間がかなりの要注意人物だった点も好かない一因だった。
例えば、誕生日を迎えた人がいたのでプレゼントどうしようか~のやり取りをしている最中に「乞食かよ」とか言ったりしてるので普通に警告を喰らっている。好くわけない。

だが、個人の好く好かないは別として、立場としては茶番委員会を応援していた。
だって、運営が介入せずにコミュニティを勝手に盛り上げてくれる一般参加者とか、あまりにも模範的コミュニティメンバーだったから。
船頭がヤバい人間でも、その一点だけで立場上の総合点が高かった。
なので、茶番委員会には特例の措置をかなり適用した。
@wiki内の企画に限定し、運営並みの権限を与えたりもしたし、本来「1企画につき作っていいページやDiscordチャンネルは1つまで」といったルールは適用外として、好きなだけチャンネルなりページを作らせた。

そんなこんなで半年ぐらい好き勝手やらしてたら大爆発した

委員会大爆発!みのる引退へのカウントダウン

まぁ、その、大爆発の原因は、ヤバいリーダーに権限を与えた故の暴走としか言いようがない。

委員会が発足してから約半年後の2018年10月、私はこんな愚痴をしている。

隠してる部分はゲーム名

ようするに

  • 本来の目的を逸脱してコミュニティ本体を食おうとしだす

  • そのくせ食っても碌に動かせない

  • ので肝心の茶番を行えず

  • 委員会参加者のアクティブ度だけを奪い

  • 「@wiki本体よりも俺らの方がいいぜ!」と言いふらしまくり

  • 敵対する気満々

レジスタンス以下の最悪の不穏分子へと変貌してしまった。

改めて振り返っている今、史上最悪の失策すぎて凄いつらい。

兎にも角にも、こんな不穏分子はどうにか制御しなきゃいけない(し、責任を取らなければいけない)ので、私はある種の提案をした。

ある程度自由にやらせていたけど、今以上の権限を与える代わりに運営の管理下に置く、という提案だ。
そして本来の目的を果たせないなら穏便に解体してしまおう、という目論見。

これならどう転んでもコミュニティ全体にとっては益にしかならない。
ということで、次のような長文提案を委員会のリーダーに送り付けた。

結局僕も政治しかできない頭でっかちなのだ

...いや、結構攻撃的だな。提案というより脅迫文ですねコレ。
これ送り付けられたら自分ならキレますね。当時の私も青かった。

ただし、いくら私の黙認があったからと言っても、かなり黒よりのグレーな活動があったことも事実。委員会に参加していない一般利用者から「連中は何様だ」ってクレームもあったので、腰を上げざるを得なかった面もある。

そしたらまぁ、案の定大喧嘩になった。

彼の言い分としては、「お前ら運営がコミュニティを盛り上げないのに何様だ!」がメインだった。
しかしこっちとしては、盛り上げる以前にコミュニティを守る必要があり、優遇しているとは言えども委員会以外の参加者の意見を汲む必要もある。グレーを黙認していたのも、コミュニティの活性化への貢献があった故なので、ソレが果たされずにリソースを食いつぶすだけなら手を打たなければいけないのだ。

そんでもってまぁ大喧嘩になった末、当然の如くリーダーはBANになった。

最初はリーダー個人とのDMだったのが、委員会のDiscordサーバーにまで拡大し、この時点で提案(脅迫)のことを把握できていない委員会メンバーが混乱を来すわ、
運営主導の話し合い部屋を作るも大暴れしてまともに話できないわでとにかくまぁ凄く、それが一週間ぐらい続き。
最終的にリーダーがアウトな発言をしたので、容赦なくBANを行った。

分かりやすいBAN経緯

まともに話もできない人間にまともな運営ができるわけないでしょ、ってことだ。
BAN後もまぁ大人しくならず、最悪なことに委員会のDiscordサーバーは権限がリーダーにあったので、運営が手出しできない彼の大暴走独壇場となっていた。私も青いのでそれに食いついていたけど。

しかし本件で一番の救いは、委員会VS運営の構図ではなく、ヤバいリーダーVS俺(運営)という構図になったことだ。
他の委員会メンバーや委員会側の運営者達は(多少の不満はあれども)こちらの決定に従ってくれたし、大喧嘩終盤でリーダーが割と全員に引かれていた点も大きかった。それぐらい大暴れしていた。

これにて一件落着…となればよかったのだが、なんとリーダーはBAN後、別のwikiグループに移動し委員会メンバーを率いての離反なり乗っ取りなりを計画していた。流石にこの時はどうしようかと思った。
結局先回りして別グループの運営にコンタクトを送ったことで未然に防ぎ、リーダーは界隈自体からいなくなったらしい。

そして本件で私はわりとしっかり心が折れた。始まりは自分の失策だし、うちわを飛び出して外部まで影響を与えてしまったし。

一応怪我の功名というべきか、本件をきっかけに、この時リーダーが亡命した別グループとの提携が実現した。
この別グループというのは、当時@wiki並の規模を持つ大手グループで、当時もっとも勢いと活発さがあるグループだった。しかしその分問題児も多く抱えており、@wikiとしても薄っすら警戒していたのだが、本件をきっかけに利用者の総合登録や、BANユーザーリストの共有などを行うこととなった。

茶番委員会は船頭がいなくなったことで解体された。彼らが茶番でやりたかったことの一部は、@wiki運営が管理するサービス内で一部引き取ることで納得も得た。

兎にも角にも、本件で内政に対する自信はなくなった。

そしてこの件を一つのきっかけに、界隈内の複数グループが関わる外交危機にも発展するが、長くなったのでまた次回!誰が読んでる!?これ!?


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