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【連載】私、公務員辞めます。
公務員となって4ヶ月後。
私は、実家を出て一人暮らしを始めた。
初めての一人暮らしは大変なことも多かったが、両親、特に母から距離を置くことができたことで、精神の安定に繋がっていた。
仕事はというと、県税の収税業務担当になった。
配属されるまで税金にほとんど興味はなく、専門的な知識が多く必要だったため大変だったが、ありがたいことに先輩にも上司にも恵まれたうえに、新しいことを学ぶことは楽しかった。
しかし、対県民となると話は違った。
税金を納付していない滞納者に対応をすることは、とても精神がすり減るものだった。真面目に働けば働くほどに滞納者への対応は増え、その度に少しずつだが確実に精神がすり減るのを感じていた。
「若者」「女」
それだけで理不尽に責めたれることは多かった。
時には脅迫や恐喝もあった。
18歳の私にとってそれらの言葉は、心に深く傷を作るには十分すぎるものだった。
そして、それらの傷は一人暮らしを始めたばかりの私にとって、とても苦しいものになっていた。
仕事が終わり1人家に帰ると真っ暗な部屋。
寝る前には今日受けた傷が再度頭の中で繰り返される。
眠っても突然刺される夢などで目が覚める。
心がどれだけ傷だらけになったとしても、仕事を辞めることは実家に帰らなければいけないことに繋がる。それだけはなんとしても避けたかった私は、「実家に帰りたくない。」というただそれだけの気持ちでなんとか耐えていた。
次回更新予定日:5月18日(水)06:00
キリがいいところがここだったので、今日は短くなってしまいました…。
なのでおまけとして、「収税」という仕事について少しだけお話ししようと思います!
主な収税業務は、主に「聞き取り」「執行」の2つに分けられます。
聞き取りとはその名のとおり、電話や窓口、訪問を通じて滞納者本人と話をし、1人1人の事情を聞き取ったうえで、自主納付での完納に導くための手段になります。自治体により、完納に導くまでの手段は異なると思いますが、私の所属していた自治体では誰でも「一括納付」と「分割納付」の選択ができました。納期限から何日経過するかによって延滞金がかかりますが、担当と決めた約束を守りさえすれば、差押などの強制執行は行われることはまずありません。もし、この記事を読んでいる方で税金について何か悩んでいる方がいらっしゃれば、担当の自治体に1日でも早く連絡することをオススメします。早ければ早いほど沢山の選択肢を職員は提示してくれるはずです。
次に執行とは、職員が強制的に完納に導くために行う手段になります。これは俗に言う差押などがあたります。正直、執行することは職員も手間と時間がかかるので凄く面倒です。さらに、執行するということは県民のお金を勝手に引き出して税金に充てることになるので、気付いた県民からは怒りの電話がかかってき、真面目に職務を遂行したのにも関わらず怒鳴られるというストレスにかられます。しかし、納税の義務を守っている他の県民との公平性を保つべく、未納の税金には早急に対応することを求められます。そのため、どれだけ嫌だと思っていても職員は執行をせざるおえないのです。
そのため、収税という仕事は時に「県の汚れ仕事」と呼ばれたりしているとかいないとか…
以上、簡単ではありますが収税のお仕事についてお話しさせていただきました。好評であれば、実際に対応した県民のお話を載せたりできたらなあと思っています。
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