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【天キーvol.6】自作キーボード初心者はキーボードの祭典を楽しめるのか?【体験レポート】

はじめに

ある日、Twitterで「天下一キーボードわいわい会」という単語を見かけました。
どうやら、自作キーボードを愛する変態オタクたちが集まり、キーボードを見せ合いながら語らうオフ会のようなものとの事。

ちょっと興味はあるし、一応記事を1,2個書くぐらいには沼に浸かりかけているものの、まだまだ詳しいなどとは口が裂けても言えません。そんな奴が行っても何を話せるというのか。しかも知り合いもいない。
「自作キーボード、気にはなるけどまだそんな詳しくないしな」と思って見送ろうとしていたのですが、公式の紹介文を見てみると、

天下一キーボードわいわい会(略称:天キー)はキーボード好きによるゆるふわ交流会です。
自慢のキーボードを持ってきて見せたり、キーボード好き同士で交流したり、国内のキーボード開発者から直接話を聞いたりすることもできます。

もちろんキーボードを作ったことがない人も大歓迎です。

「最近自作キーボードってよく聞くけど、実際はどんなものなんだろう…?」という方も天キーに参加して実際に触れてみましょう。

と書いてあるではないですか。公式がこう言ってくれるなら何も怖いものはない。きっと。

というわけで今回は、「自作キーボードの『じ』の字しか知らないような奴が、ぼっちで参戦しても楽しめるのか?」視点でお送りする、天キーvol.6レポートです。それではどうぞ。

本編

入場と開演まで

13時スタートとの事なので、12時半ごろに到着。すでに賑わいを見せており、キーボードを持ち寄った人は自由にセッティングを始めています。

キーボードを持ってきていない私のような人は早速手持無沙汰になります。でもただぼーっとしているのもあれなので、既に設営の終わっている企業ブースを覗いてみることに。
企業ブースは今回の天キーのスポンサーだったりが出展されておりました。
5~6企業ぐらいが参加していて、Majestouchシリーズの有名なFILCOさんや、

FILCOの漆塗り塗装

みんなおなじみ遊舎工房もあります。
タイピングスコアを競って上位者には景品としてキーボードがもらえるイベントをやっていました。
僕は参加賞を頂きました。

他にもアメリカに本社を置くCannnon KEYSさん。
名前は存じませんでしたが、陳列されていたキーボードがどっしりとした金属製ケースと素晴らしい打鍵音をもつキーボードだったので、結構好きになりました。
たしか取り扱っているキースイッチを試せるキースイッチテスターもあったかな。

そして(私にとっては)おなじみのREALFORCEさん。
GX1の60%待ってます。

初音ミクモデルのGX1やまだ商品化していないキーキャップ(下写真)を持ってきて、どんな色が好きかの抽選付きアンケートを取られていました。
このキーキャップは刻印もなく、本当のテストで作成したものらしいですが、今までのリアフォにない色を採用していてとても綺麗でした。一個欲しかった。
無刻印と言えばHHKBですが、くすみカラーの無刻印はあまり見ないのでめっちゃいいと思いました。
抽選当たったらいいな。あとGX1の60%まってm

くすみモーヴがお気に入り

いよいよスタート

はじめに、主催者のゆかりさんのお話からスタートです。今日の楽しみ方や大まかなブースの説明などがありました。
ひとまず、自作キーボード初心者向けともいえる講習?のようなものがあったのでこちらに参加してみることに。
講師はYMG_WORKSさん。noteでお見かけしたことがあります。

自作キーボードとはなんぞや?

自作キーボードについての入り口的なお話をして頂きました。
この後もこのスペースでは自作キーボードに詳しい方たちの座談会やサリチル酸さんの40%キーボードに関する布教基調講演などがありました。

座談会は今回は見送ってキーボード展示を見ていきます。
正直多すぎて覚えてないけど、100個以上はあった。その中でも面白くて写真を撮ったものをご紹介。

キーボード

まずはlofree flowで一躍有名になったlofreeの最新作、lofree edge。まだ発売はされていない本当の最新作です。
最薄部なんと5.4mmとのこと。
???
ノートPCについているパンタグラフキーボードぐらい薄い。
それでいて打鍵感も捨てておらず、lofree flow譲りのコトコト打鍵感

お次はコチラ。

????

キー・・・ボードですよねこれは。キーボードのはず。
なんとキー数10。10%キーボードと言っていいのかこれは。
説明書きには、10個のキーの押し方を組み合わせることで、50音の入力を可能にしているとかなんとか。
設計思想としてはこの前クラウドファンディングしていたウェアラブルキーボードに近しいものなのかな。
(5/21追記:ご本人様から後程教えて頂きましたが、「かむキーボード」というお名前らしいです)

さらに続いてこちら。
キー・・・ボードですか?(2回目)
こんどはおなかに抱えた時に打ちやすいキーボードにらしいです。
本当に何喰ったらこれ作ろうってなるんや・・・?
Grabshell的なものなのか?あれを見たらこれを作ろうってなるのか?

お次はコチラ。トワ様キーボード。
これはキーボードだ(安心)。
いいですね、推しキーボード。
ぶいすぽキーボードみたいに、もっとVtuberキーボード出てもいいと思う。さすがに高くなるとは思うけど、Vtuberのグッズとか基本的に高いんだしそれならキーボードでもいいんじゃないかとは思うよね。
話を直接聞いたわけではないからわからないんですけどキーキャップの印字は自作なのかな。だとしたら天才か、もしくは愛のなせる業か。

となりにすいちゃんキーボードもありました。

個人的に気になったキーボード。
個人的に今狙ってるキーキャップcerakey。
それをオーソリニア配列で左右分割したもの。
正しい会の使い方か分かりませんが、狙ってるキーキャップ・スイッチなどがある方はサンプルを触りに行くぐらいの心持ちでもいい気がする。たぶん誰かが使ってる

cerakey

キーキャップ

自作キーボードに負けず劣らず、自作キーキャップもたくさん。
いわゆるartizanキーキャップですね。
この日まではそこまで興味を惹かれるものではなかったんですが、実際に見ると欲しい!ってなるやつばかりでした。
例えば下の写真。キーキャップタイトルは「羨望」。これヤバい。作りこみが半端じゃなかった。
製作者インタビューではストレスの昇華として闇の深いキーキャップを作っているとの事だったので、失礼ですがストレスから解放されないでほしい。

羨望・暴食・thinking face

他にもこちらはKEEB craftさん。
シアーなキーキャップ、打鍵御守は言うまでもなくTwitterで見たまんまの輝き。それに加えて中央のキーボードに載っているキーキャップは質感にこだわったもののようで、触るとコンクリートのようにざらざらしています。作り方は企業秘密らしいです。
こうやって写真で見ると質感も合わさってレンガみたい

マリオのブロックじゃん。

こちらは今回の個人的best of artizanキーキャップ
一つ一つがとてもきれいで、例えば右のケースのものだと、中に海月のように結晶化された何かが浮かんでいるようなデザインです。
上のキーボードを見てもらえれば伝わると思うのですが、キーボード一面を同じキーキャップにしたときの、深海のような、鉱床のような輝きは今回見たキーボードの中で一番綺麗でした。
まあ全部買うと財布が爆散するんだろけど

他にも、幼少期に雨に濡れた鉄板の上で滑ったトラウマを思い出させるぐらいクオリティの高いTEPPANキーキャップ等、リアル志向を追求するキーキャップなんかもありました。

製作者インタビュー

展示を見るだけでもかなりのボリュームですが、それ以外にも企画が盛りだくさんでした。
裏で走っていた企画として、一日を通して気になったキーボードポイントを集計し、その人に終盤でインタビューをする、という企画もやっていました。
下の写真はおさかなさんキーボードについて、製作者の方が話している写真です。かわいい。スイミーみたい。

どうやら前回までの反省点として、製作者ともっと話して意見交換したい!話すタイミングが合わない!という反省があったようで、今回はそれを受けて何名かにインタビューをすることにしたそうです。
全体として、運営の方もただ運営するだけでなく楽しんでやろうというスタンスいっぱいだったので、キースイッチ総選挙等、いろいろ企画があり盛り沢山でした。

エンディング

楽しかった天キーもいよいよエンディングです。
どうやら毎回恒例の抽選会があるらしいです。僕は残念ながら外れましたが、上記したlofree edgeとか、HHKBstudioとか、スポンサーさんからの豪華賞品が当たった人もいました。え、普通に欲しかった。

そして最後に今後行う自作キーボードイベントの紹介と〆のあいさつ。キーケット2025・・・気になる・・・

終わりに

とまあ大満足の一日でございました。

結論から言うと、「自作キーボードの『じ』の字しか知らないような奴が、ぼっちで参戦しても」楽しめます。めちゃくちゃ楽しめます。
キーボードの知識については全く気にしないで大丈夫でした。というか全てを理解しようとすることが間違っているのかもしれないと思いました。

そりゃもちろん知識があればあるほど深く楽しめるのかもしれませんが、かといって知識が浅い人が楽しめないということは絶対にありません。
人には人のキーボード沼です。浅瀬でちゃぱちゃぱしていて怒る人なんていないのです。ただ離岸流には気を付けないと沼から帰ってこれなくなりますよ、というだけの話です。

あとはぼっち参戦についてですかね。これも問題なく楽しめます。沼の住人の方はとてもやさしく、ただ見ているだけでも話しかけてくれる方もいるし、皆さん心地よい距離感をもって接してくれたという印象です。もちろんこちらから何か聞いた時は快く答えてくれました。

ここまで書いて何となく思ったのが、今回の天キー参加者として、美術館に行く時とニュアンスが似ているなと。
僕がモネやレンブラントを見る時も彼らの生い立ちとか当時の美術的背景とかは何も知りません。せいぜい印象派、とかそれぐらいです。特に深い知識は持っていませんが雰囲気を楽しんでいます。
それぐらいでいいのです。
キーボードが何となく好きで、ちょっと見てみたいなって人が気軽に訪れられる、そんなイベントでした。

さあ、ここまで読んでくれたあなたは、そろそろ「次の天キー行ってみたいな」と思っていることでしょう。思っていなかったらすみません、文才がカスです。4,000字超も読んでいただきありがとうございます。
次回開催は日付未定ですが、開催はあるらしいので、Twitter等で情報更新を待っておきましょう。


それでは、次回の天キーvol.7でお会いしましょう。


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神有月
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