小・中学生対象のクリエイティブコンテストのメンターをやってきた

前置き

私はシステムを作るエンジニア。29歳。
今回、同じ会社の先輩からのお誘いを受け、小・中学生を対象としたあるオンラインでのクリエイティブコンテストにメンターとして携わった。

メンターとしては、そのコンテストの予選を勝ち上がったファイナリストを5人ずつ受け持つこととなり、主にプレゼン方法や制作の中で困ったことなどを一緒に解決するような立ち位置として子どもたちに関わった。その時の話をしたいと思う。

コンテストまでの流れ

ざっくりと本番当日までの流れを説明すると、以下の通り。

  1. 顔合わせ

  2. 準備期間

  3. リハーサル

  4. 本番

面白かった出来事

上の流れを進めていく中、いくつか面白い出来事もあったので共有。

準備期間: 「押せる背中は押す」

リハーサル前の準備期間、あるファイナリストからLINEで相談が来た。内容はこうだ。

私は歌を作ったのですが、録音したものを流すか、生歌を歌うかどっちがいいと思いますか?

そのメッセージ、私にはこう見えた。

私は歌を作ったのですが、録音したものを流すか、生歌を歌うかどっちがいいと思いますか?(生歌の方が良いのは分かっていますが、中々勇気が出なくって…

なので、そのメッセージを見た瞬間、「絶対生歌が良いと思います!」と送った。それまで不安そうだったその子は「はい!!そうします!!!!」と吹っ切れた様子だったので、ここで一つメンターとして役に立てたなとニンマリと同時に懐かしい気持ちになった。数年前に教師をしていた時代の気持ちが蘇ったようだった。あの時も迷っている子がいれば、そこに押して欲しそうな背中があったら片っ端から押していた。それは今も健在だった。

リハーサル: 「クリエイター同士の認め合い」

リハーサルでは本番同様の状態で1人ずつグループメンバーの前で発表してもらった。さすがに皆緊張していた様子だったが、全員の発表が終わると、子どもたち皆の目がキラキラしており、同じ志を持った他の子の制作物に対してあれやこれやと質問し、称賛やアドバイスを送り合い、互いに認め合っていた。

会ったこともない、年齢も異なる子どもたちが、互いの制作物を見て、ここまで熱心になっている姿には胸を打たれた。子どもたちがお互いを同志だと認定した瞬間だったのだろう。普段の小学校や中学校では中々見れない光景だったと思い、教育に関心のある私としては、「画面録画でもしておけば良かった…!!! 残しておきたい映像だった…。」と後悔した。やはり子どもたちの輝く姿を見るのは好きだなと改めて思った。

本番: 「成功しても失敗しても」

本番当日、上で挙げた、歌を制作した子の番が回ってきた。本番の緊張感の中、生歌を聴き、自分の判断がやはり間違っていなかったことを確信。第一声を聴いた瞬間、鳥肌が立ったのを鮮明に覚えている。今回は生歌で上手に歌いきったのもあり、背中を押したのは分かりやすく成功だったと言える。

しかし、仮に生歌を披露し、ひどく失敗していたとしても、私は少なくとも今回の判断を間違っていたとは思わなかっただろう。成功しても失敗しても、必ずその子の糧になることは見えていたからだ。

学び・気づき

子どもたちのコンテストから学ぶものはそんなにないだろうと舐めていたが、これには謝罪したい。子どもであることは関係なく、彼らは立派なクリエイターであり、立派な人間であった。そんな彼らからたくさんの学びと気づきを得たのでいくつか挙げてみる。

よく言われることだが、「熱中に勝るものなし」

最優秀賞を受賞したファイナリストが私の担当するグループに在籍していたが、彼の話を聞くと、1日5時間、Blender(3Dモデリングのツール)を触っているとのことだった。ご飯とお風呂以外は全ての時間を費やしているのだと思う。親にやらされているだとか、宿題のようにやらされているものならこうはいかな。心から楽しいと思っているからこそ、同年代の周りの子どもはNintendo Switchをやっているような時間帯にBlenderを触っているのだろう。私は自分にないものを彼に見出し、少し羨ましい気持ちでいっぱいになった。

小・中学生がもう既にライバル!?

今回、朝から晩までほとんど全てのファイナリストの本番での発表を聴いたが、プログラミングでゲームやシステムを作っている子どももいた。そのレベルは普段私たちが業務として行っているものと遜色ないレベルのものであり、ゾッとした。もちろんファイナリストなだけあり、同年代に比べてすごく能力のある子どもたちではあるのは間違いないが、十数個も下の子どもと同じようなことをやっていると思うとさすがに焦りを感じた。危機感を持って1日1日を実りあるものにしていこうと強く思った。

まとめ

メンターをやって非常に焦ったのだが、今回そのような現状を身をもって知れたことは大きな収穫であった。これからも機会があれば教育に携わっていきたいと思う。

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