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現場職が人手不足でも人気がない理由は「割に合わないから」

ここ最近、製造業や建設業の現場職が人手不足という話題を目にする機会が増えた。

私は10年以上製造業で働いてきた。

結論から申し上げると、タイトルにもある通り、現場職の人気がない理由は割に合わないからと思っている。

後ほど詳しく説明します。

私が整備士から工場に転職した2010年頃は、現場職で人が足りないという話題を見たり聞いたりする機会はほぼなかった。

派遣社員の募集をかければ、いくらでも応募があるというような状況。

そこから15年が経過した2025年。

当時の50代が引退したことを考えれば、そりゃ人手不足になるよねという感じ。

当時から私含め、20代の若手は貴重な存在として重宝されていた。

そして当時の20代、30代が現場職をそのまま続けているかというと、半分近くは事務職に配置転換されている。

出世して事務職になる人もいれば、私のように自ら現場職から事務職に職種変更している人もいる。

2010年頃は高卒新入社員の子たちが毎年数名入ってきた。(10名もいない)

しかし、そこから数年もすれば半分は辞めていく。

いまや工場だと現場職の中途採用は30代以降が中心。

10年勤めた工場は大手企業だが、それでも募集は年々少なくなっているのと、年齢層が上がってきていると聞く。(人事いわく)

最近「現場職が稼げる」「手に職つけられる」みたいなネットニュースやYouTubeを見かける。

その発信している方々は明らかに現場職経験者ではない。

確かに、空調や内装業といった職人の世界を経験している身からすると、独立すれば稼げるというのは分かる。

そんなのは当時から同じだ。

しかし、残念ながら工場の場合はそうもいかない。

いうほど手に職なんてつかないし、転職したらまた一から仕事を覚えて自分より年下の先輩社員のもと働く。

別に仕事自体はライン作業だろうが夜勤だろうが、割り切ってできるんですよ。

三交代手当や深夜業手当てがあるので、高卒で無難に稼ぐにはちょうどいい。

家族持ちなら家賃補助なんてのもある。

しかも、誰もが知る大企業の社員として働けたりするからね。

だけど、人気がない、いまいち社員が定着しない理由を説明します。

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