工場勤務は本当に底辺なのか?
自動車整備士としてキャリアをスタートし、その後は長らく製造業に身を置いているもときです。
今でこそ生産管理部の一員として経営陣に交じって仕事をしていますが、長らく工場の作業員として働いていました。
ネットサーフィンをしていると、工場で働く現場作業員が「底辺仕事」の代表格として挙げられています。
私も工場の現場で、粉末をひたすら梱包する作業や、それを出荷するためにひたすらラベルを貼る作業などを経験してきました。
正直、クソつまならなかったです。
「こんな仕事をして一生を終えるのか・・・」と何度も思いました。
しかし、周りの大先輩方はその単調作業を何年も黙々とこなしています。
朝出勤して、携帯いじって(当時はガラケー)、ラジオ体操して、梱包して、昼休憩して、梱包して、一服して、梱包して、帰る。
本当に毎日この繰り返し。
これが底辺かどうかは、本人が決めることであり、第三者がとやかく言うことではないなと今の私なら思います。
嫌なら私のように辞めればいいし、メリットがあると感じれば続ければいいと思います。
見方を変えたら、大手企業で淡々と仕事をこなして安定収入を得られることに、大きなメリットを感じる人はたくさんいます。
実際、同じ仕事で年収500万、600万、700万と年功序列で上がっていくおじさんをたくさん見てきました。
私は単調作業が飽きてしまうことと、機械の一部みたいな動き方は苦手だと感じ、工場の作業員を抜け出すための道筋を見つけて今にいたります。
工場勤務を経験し、汚れ作業、単純作業は学歴不要の敷居の低い仕事ではあるものの、誰でもできる仕事ではないなと身をもって感じました。
「誰かの仕事で社会は支えられている」という言葉を頭の片隅に置き、自分に合った仕事選びを今後も続けていこうと思います。
「未経験」「誰でもできる」と高をくくって失敗した人を何度も見てきましたので、工場勤務のメリットの実情を最後に語りたいと思います。
意外と甘くない工場勤務
以下に、工場勤務向け求人に書かれているお決まりの文言について、10年以上製造業に身を置く私が解説します。
未経験歓迎!誰でもできる単純作業
確かに、作業自体は難しくありません。
が、しかし!単純作業を黙々とこなせるかは資質が問われます。
毎日毎日同じことの繰り返し。
「誰でもできる」=「オレじゃなくてもできる」というように、自己嫌悪に陥る方も少なくありません。
「人として難あり」「コミュ力が低い人」も多いため、コミュ力に自信のある方は正直おすすめできないです。
資格取得制度あり!手に職がつく!
フォークリフト、玉掛、溶接、クレーン運転士など、一見すると手に職がつきそうなイメージ。
正直、技術教習所に行けば誰でも取れます。(取らせてくれます)
言うほど「手に職」ってほどでもないです。
数日~10日間ほどで取得できる資格ばかりですので、即戦力ってほどでもないです。
ちなみに、私は高圧ガスや機械保全の資格も持っていますが、転職活動でメリットを感じたことはありません。
若手も活躍!キャリアアップを目指せる
年功序列の工場の世界でキャリアアップするのは、非常に骨の折れる仕事です。
クセが強すぎるベテラン社員を手懐け、太鼓持ちとして生きていく自信がありますか?
キャリアアップを口実に、面倒くさい仕事を若手に任されるだけの可能性があります。
私はそれを逆手にとり、製造業で出世した部類の人間だと思っています。
八方美人とも言われたことがあります。
とやかく言われても気にしないハートのある方向けといえるでしょう。
大手企業で安定収入
ま~これは噓ではないでしょう。
しかし、今のご時世に本当の安定とは、どこでも活躍できる人材のことだと思います。
大企業にしがみついて、単純作業を未来永劫続けられるかは不明。
大企業の単純作業にフルベットするか、いつでも飛び立てるようにスキルや経験を積み上げるかはあなた次第です。
工場作業員を極めし者は最強説
製造業を10年以上経験して思ったのは、現場の作業員であればいつでも転職が可能であること。
少子高齢化で、どこの会社も人手不足です。
特に工場作業員は、派遣社員や外国人を受け入れても常に足りない状況。
正直、私の経歴であれば、工場作業員ならいつでも転職できる自信があります。
裏を返せば、工場作業員で良ければこの先も割とイージーに転職はできます。
もちろん、収入は400万円前後のレンジで良ければの話ですけど。
工場作業員という地位が嫌いじゃなければ、職を失い路頭に迷うことはないと確信しました。
会社のネームバリューや、肩書にこだわらない工場作業員は最強ということです。
見方を変えたら、全然底辺じゃないですよね?
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