親とわたし。
小さい頃から、
「自分でできるようになりなさい。」
「しっかりしなさい。」
「ちゃんとなさい。」
厳しく、時には手を挙げられることもあった。
私が小さい頃の母は怖く、いつもイライラしていた。
父はあまり家庭を見ない人だった。
その無責任さが母を苦しめていたのだろう。
口うるさく叱られることもあったが、彼らは見守っていたらしい笑
つい最近まで、「尊敬」という概念は、言葉の意味は頭で分かっていても、
心の底から本当に尊敬できる人は親ではなかった。
就職面接で「尊敬できる人は誰ですか?」という質問に「両親です。」と嘘の答えで取り繕ったとき、吐き気がしたくらいだ。
10年くらい両親を好きではなかった。
事業を立ち上げ、経営に悩み、父に相談した時があった。
「自分で乗り越えなさい。お前がやりたくてやった事業だろう。」
その時、物凄い力で吐き離された気持ちになった。
悲しかったし、辛かった時期だから励まして欲しかった。
クソジジイ。
そう言って実家から帰った記憶がある。
母は母で「わたしには分からないから。」「ちゃんと就職を考えたら?」と。
クソババア。
そんなクソババアとジジイに育てられた訳なんだけど今ふと思う。
親離れできていなかったのは私なんだと。
いつまでもそんな辛い気持ちを握りしめては恨んで。
血は繋がっていても他人。
物理的には別人。
DNAは同じでもわたしは私という個体なのだ。
さようなら。
親への憎しみや嫌な過去。
これからも思い出す時があるだろうけど、都度手離していく。
何度でもさようなら。
横で寝ている息子もいずれ「クソババア」と言い捨ててくるのだろう。
母も通ってきた道。
大いに派手に言ってもらおう。
受け止めもしないし、右から左に流すだろうけど。
私だってクソババアなんだから。